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てつぐろ の かけら

最近誰も彼も信じられなくなってきた。

だから護身用のワルサーPKKは一丁持つようにしているし、
寝る時だってリリパットピストルを仕込む。

当然一睡もできない。張り詰めた気を緩めることができなかった。

何かに追われているようで莫大な焦燥感に駆られる。


ふと報告に来た大将に声をかけられる。

「総統。如何なされましたか?その、大変申し上げにくいのですが、体調が優れないように見えます。」


「心配ないぞ、俺は元気だ。全て順調だ」

相手に答えるように、自分に暗示をかけるように言葉を紡ぐ。


大将に言われたことをぼんやりと思いながら月見酒をする。
異国では花や月を見ながら酒を飲む習慣があるらしい。

窓に入る眩しいくらいの月。
月に映されたグラスの影。


美しい。忙しい日々で忘れかけていた感情。


疲れたのではない、なにかに憑かれたのだ。

病的なまでの疲弊。倦怠感。自己暗示も効かず滅入るばかり。

おれはなにをしたかったんだろうか
文学にしろ音楽にしろ創作活動をしたかったのではなかったのだろうか

今となってはわからなかった
これをみな憑き物のせいにすることにした。

憑き物はどうあがいても離れてくれる気がしなかった。

だから小さな小さな拳銃に未来を託すことにした。
理由?野暮きまわなりない愚問ではなかろうか


トリガーを引いてやり直そうか。
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