お前、名前はなんて言うんだ?
ルシファー生誕特別版2021【完結】
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「「「誕生日おめでとう!!」」」
パパパパーン
盛大なクラッカーの破裂音とともに、華やかな色とりどりの紙テープが宙を舞う。
「……なんだ、これは」
俺が茫然(ぼうぜん)としていると、肩まで露出した深紅のドレスをまとったアスモが近づいてくる。
そして無理やり俺の腕に自分の腕を絡ませると、部屋の奥へと連行する。
「まぁまぁ、そんな怖い顔しないで! みんなルシファーにサプライズがしたくて、必死に準備したんだよ?」
「おうおうルシファー! やっと来たか! 主役が遅ぇぞ!」
マモンが(なぜか)ワクワクしながら俺に手を振る。
「ルシファー! 今日は僕が特製ケーキを作ってきたんだぞ! ありがたく思え!」
子犬(通称ルーク)がキャンキャンと尻尾を振っている(=喜んでいる)。
「おまいらめんどくさいな。記録用の写真がうまく撮れなくなるから大人しくして。ほら、アスモ、ルシファーこっち向かせて」
死んだ目をしながらも、普段より派手で個性的な衣装(センスが良いとは言っていない)を着た(むしろ服に着られた)レヴィがデジカメをこちらに向けてパシャパシャと撮る。
「……俺は撮っていいと言ってないぞ」
「えー? いいじゃん、今日はよりすてきな僕と写真が撮れるんだよ? 最高だと思わなーい?」
俺よりもノリノリでアスモが決めポーズを撮っている。
……レヴィの連写にすべて違うポーズを決めるアスモ。
いや、おまえらだけでやれ。
「おまえら自由すぎだ。俺が司会進行するって言っただろう。次の進行が始まるからさっさと席に着け」
サタンがあきれてため息を吐く。
……誕生日会に司会進行を厳格にやるなんて、堅苦しいだろ。
「ほら、ルシファー。飯、かなり美味いぞ! 早く食わないと俺、全部食べちゃいそう。なぁ、ベール? …ベール?寝てるのか」
おまえらはサタンの爪のアカを煎じて飲ませてもらえ。
足して2で割るとちょうどいいだろうな。
「ルーシー! お誕生日おめでとう! やっぱり君は、愛されているね」
料理を両手で運びながらシメオンがこちらへ近づいてくる。
こいつも随分と魔界に慣れたものだ。
相変わらず、さらりと難なくやってのけてしまうのがこの男だ。
「やぁ! ルシファー! ようやく主役のお出ましか!」
シメオンの後に続いて、料理を両手で抱えて運ぶディアボロがやってき……。
「お、おい! ディアボロ?! なぜ君が料理を運んでいるんだ?!」
ディアボロに急いで近づき、料理を奪い取る。
おっとっと、と少し態勢を崩したディアボロは椅子に少し手をつき、そのままにかっと俺に笑いかけた。
「急に取り上げるなんて、危ないじゃないか! これは俺がお願いしたんだ。 みんながやっているのに、俺だけ混じれない……何もしないわけにはいかないだろう!」
……完全に楽しんでいるな。
音もなく当たり前のようにそばにいるバルバトスを睨みつける。
「私は坊ちゃまの望みを叶えるだけですから」
口角を上げ、目元を細めて笑う行為を取る。
感情そのものが感じられないところがまた気味が悪い。
ふと、ここで何かの違和感を覚えた。
「……」
周囲を見回す。
何かが。
大事な何かが、足りない。
「……何かって、なんだ」
違和感があるのに、違和感がわからない。
「どうした? ルシファー」
ソロモンが不思議そうに俺を覗き込んでくる。
「……」
俺は違和感と徐々に膨れ上がる謎の不安に襲われ、ソロモンが何を言っているかもわからなかった。
もう一度辺りを見回す。
なんだ。
なんなんだ。
俺は、何か。
大事なものを。
「ルシファー!」
ぽん、と肩をたたかれ、催眠が解けたかのようにハッとわれに返る。
そこには、ソロモンが俺の肩に手のひらを乗せ、不安そうに眉を下げていた。
「どうした? 気分でも優れないのか?」
「……いや。平気だ」
俺はソロモンの手を肩から払いのけ、なんでもないと首を振った。
理由はわからないが、こいつの顔を見ると腹立たしい。
「ルシファー! 何やってんだよ! せっかく俺様がすてきにケーキの蝋燭を立てたっていうのに!」
「だっさーい。 マモンセンスないじゃん。 これじゃデビグラ映えしなくなーい?」
「うっせ! おまえのなよなよしい美的センスとは違って、俺様は超スペシャル級にカッコいい方なんだよ!」
「ちょっとバカマモン何言ってるかわからない静かにして。寝られないじゃん」
マモンがケーキの前でギャーギャー騒ぎ、アスモはふくれ面になりながら自撮り。
ベルフェは枕を抱いて気だるそうにしながらも、サタンが蝋燭に火を点ける様を楽しそうに眺めていた。
「ほら、みんなが待ってるよ。いこう、ルーシー」
シメオンが俺の腕を引く。
「『大切な家族と親友たち』が、君を待ってる」
だれか教えてくれ。
この心の正体を。
パパパパーン
盛大なクラッカーの破裂音とともに、華やかな色とりどりの紙テープが宙を舞う。
「……なんだ、これは」
俺が茫然(ぼうぜん)としていると、肩まで露出した深紅のドレスをまとったアスモが近づいてくる。
そして無理やり俺の腕に自分の腕を絡ませると、部屋の奥へと連行する。
「まぁまぁ、そんな怖い顔しないで! みんなルシファーにサプライズがしたくて、必死に準備したんだよ?」
「おうおうルシファー! やっと来たか! 主役が遅ぇぞ!」
マモンが(なぜか)ワクワクしながら俺に手を振る。
「ルシファー! 今日は僕が特製ケーキを作ってきたんだぞ! ありがたく思え!」
子犬(通称ルーク)がキャンキャンと尻尾を振っている(=喜んでいる)。
「おまいらめんどくさいな。記録用の写真がうまく撮れなくなるから大人しくして。ほら、アスモ、ルシファーこっち向かせて」
死んだ目をしながらも、普段より派手で個性的な衣装(センスが良いとは言っていない)を着た(むしろ服に着られた)レヴィがデジカメをこちらに向けてパシャパシャと撮る。
「……俺は撮っていいと言ってないぞ」
「えー? いいじゃん、今日はよりすてきな僕と写真が撮れるんだよ? 最高だと思わなーい?」
俺よりもノリノリでアスモが決めポーズを撮っている。
……レヴィの連写にすべて違うポーズを決めるアスモ。
いや、おまえらだけでやれ。
「おまえら自由すぎだ。俺が司会進行するって言っただろう。次の進行が始まるからさっさと席に着け」
サタンがあきれてため息を吐く。
……誕生日会に司会進行を厳格にやるなんて、堅苦しいだろ。
「ほら、ルシファー。飯、かなり美味いぞ! 早く食わないと俺、全部食べちゃいそう。なぁ、ベール? …ベール?寝てるのか」
おまえらはサタンの爪のアカを煎じて飲ませてもらえ。
足して2で割るとちょうどいいだろうな。
「ルーシー! お誕生日おめでとう! やっぱり君は、愛されているね」
料理を両手で運びながらシメオンがこちらへ近づいてくる。
こいつも随分と魔界に慣れたものだ。
相変わらず、さらりと難なくやってのけてしまうのがこの男だ。
「やぁ! ルシファー! ようやく主役のお出ましか!」
シメオンの後に続いて、料理を両手で抱えて運ぶディアボロがやってき……。
「お、おい! ディアボロ?! なぜ君が料理を運んでいるんだ?!」
ディアボロに急いで近づき、料理を奪い取る。
おっとっと、と少し態勢を崩したディアボロは椅子に少し手をつき、そのままにかっと俺に笑いかけた。
「急に取り上げるなんて、危ないじゃないか! これは俺がお願いしたんだ。 みんながやっているのに、俺だけ混じれない……何もしないわけにはいかないだろう!」
……完全に楽しんでいるな。
音もなく当たり前のようにそばにいるバルバトスを睨みつける。
「私は坊ちゃまの望みを叶えるだけですから」
口角を上げ、目元を細めて笑う行為を取る。
感情そのものが感じられないところがまた気味が悪い。
ふと、ここで何かの違和感を覚えた。
「……」
周囲を見回す。
何かが。
大事な何かが、足りない。
「……何かって、なんだ」
違和感があるのに、違和感がわからない。
「どうした? ルシファー」
ソロモンが不思議そうに俺を覗き込んでくる。
「……」
俺は違和感と徐々に膨れ上がる謎の不安に襲われ、ソロモンが何を言っているかもわからなかった。
もう一度辺りを見回す。
なんだ。
なんなんだ。
俺は、何か。
大事なものを。
「ルシファー!」
ぽん、と肩をたたかれ、催眠が解けたかのようにハッとわれに返る。
そこには、ソロモンが俺の肩に手のひらを乗せ、不安そうに眉を下げていた。
「どうした? 気分でも優れないのか?」
「……いや。平気だ」
俺はソロモンの手を肩から払いのけ、なんでもないと首を振った。
理由はわからないが、こいつの顔を見ると腹立たしい。
「ルシファー! 何やってんだよ! せっかく俺様がすてきにケーキの蝋燭を立てたっていうのに!」
「だっさーい。 マモンセンスないじゃん。 これじゃデビグラ映えしなくなーい?」
「うっせ! おまえのなよなよしい美的センスとは違って、俺様は超スペシャル級にカッコいい方なんだよ!」
「ちょっとバカマモン何言ってるかわからない静かにして。寝られないじゃん」
マモンがケーキの前でギャーギャー騒ぎ、アスモはふくれ面になりながら自撮り。
ベルフェは枕を抱いて気だるそうにしながらも、サタンが蝋燭に火を点ける様を楽しそうに眺めていた。
「ほら、みんなが待ってるよ。いこう、ルーシー」
シメオンが俺の腕を引く。
「『大切な家族と親友たち』が、君を待ってる」
だれか教えてくれ。
この心の正体を。