とある本丸の日常会話 [完結]
小話その36「本丸の住人が豆まきを始めたようです」
一居間一
泛塵「一一・・・ああ、ここも撒かれている。大千鳥、踏まないようにな」
大千鳥「そうか。・・・こうもあちこちで撒かれては、足元の豆を避けるのに苦労する。思うように歩けないというのは、辛いな」
泛塵「ふふ…大千鳥は長身だからな。だが、踏んで潰しては可哀想だ。こうして拾い集めてやれば本丸の皆の糧となるが、砕かれたら塵となるだけ…」
大千鳥「そうだな。それは避け一一」(ゴンッ)
泛塵「・・・」
大千鳥「・・・」
泛塵「大丈夫か?」
大千鳥「ああ・・・」
泛塵「足元に気を付ければ、頭上の注意が疎かになる。長物諸君は出入口には注意しないといけないな」
大千鳥「俺は室内戦は不向きだ」
泛塵「そうだな。室内戦は僕のような脇差や短刀の領分と言える。きっと大千鳥にはこの豆が撒菱のように見えるのだろうな」
大千鳥「まきびし…忍の道具か。・・・真田十勇士にも忍の者がいたな」
泛塵「知っている。お前は講談や草双紙も好きだからな。やる気も出よう?」
大千鳥「ああ」
泛塵「では、開始しよう。塵拾いだ」
大千鳥「豆拾いだ、泛塵」
(間)
泛塵「さて、こんなところか」
大千鳥「だいぶ集まったな。撒きすぎだろう」
泛塵「ここは本丸の皆が集う場所の一つ。より福を招きたいのかもしれないな」
大千鳥「拾い集める時のことも考えてほしいが…」
後藤「おおーーーっい!!!本丸内にいる奴に告ぐーっ!」
泛塵「!!…これは粟田口の…後藤の声だな」
大千鳥「何やら切羽詰まった様子だ」
後藤「豆集めは中止だ!豆合戦が始まった!!」
泛&大「「 (豆合戦????) 」」
後藤「大将と五月雨から逃げろっ!!繰り返す!豆集めは中止だ!豆合戦が始まった一一」
泛&大「「 (豆合戦とは???????) 」」
バタバタッ ドタドタッ
泛塵「な、何が起きたのか分からないが…確かに本丸のあちこちが騒ぎ始めているな。慌ただしい足音に悲鳴が聞こえる」
大千鳥「合戦・・・戦か。主と五月雨から逃げろと聞こえたが、どういう状況か分からない以上闇雲には動けないな」
泛塵「僕が偵察してこようか」
大千鳥「いや。屋内では俺は足手まといになる。お前は一人で行動しろ」
泛塵「大千鳥は…」
大千鳥「俺は外に出る。長物連中もそうするだろう。まずはそこで状況を確認したい」
泛塵「…わかった」
後藤「ああーっ!」
泛&大「「 !? 」」
後藤「なに悠長にしてるんだよ。俺の声聞こえなかったのか??」
大千鳥「いや聞こえた。状況は分からないが、これから動くところだ」
後藤「ああ、そうか。二人共最近来たばかりだったよな。・・・移動しながら説明するから、とにかくここから離れよう」
大千鳥「了解だ」
泛塵「なんだか本当に戦のようだな…」
一廊下一
大千鳥「一一成る程。つまりこの豆合戦とやらでは、俺達刀剣男士は鬼役となり主の投げる豆から逃げ続ければいいわけか」
後藤「簡単に言えばな。敷地内ならどこへ移動してもいいし隠れてもいい。例え豆に当たってしまっても失格にはならない。時間まで二本の足で立っていさえすればいいんだ」
泛塵「それだけ聞くと…主がだいぶ不利と言うか、何故そのような徒労をするのか分からない。…皆がここまであわてふためくのも何故だろうな」
後藤「大将をなめないほうがいいぜ。今年は投豆兵がいないから安心していたが、大将にとっては関係なかったらしい・・・ただの豆がなんで鉛玉みてーに飛んでくるんだよぉぉぉぉ・・・っ」
泛塵「とう…まめへい?」
後藤「ああ、すっげー堅い豆を投げる刀そ一一」(パンッ)
泛塵「・・・」
大千鳥「・・・」
後藤「・・・。・・・う、そだろ」
赤羽「鬼は外…」
五月雨「頭。惜しかったですね」
後藤「なん…っで!豆鉄砲と豆手裏剣が揃って行動してるんだよッッ!!普通二手に分かれないか?!」
赤羽「一緒に掃討した方が早い」
後藤「マジで殺る気かよ!!見てこれ、豆!柱に埋まっちゃってるよ?!これ当たったらただで済まねぇよ大将!!?つか豆頑丈だなッッ」
赤羽「大丈夫。手入れ部屋にはしーちゃんがいる。心置きなく、逃げて…」
後藤「マジで!殺る気!だなっ!」
五月雨「後藤。昔のよしみです。特別に手加減なしでいきますよ」
後藤「そこは手加減しろよっ!あぁ~もうっ!走れ~!二人共~!」(バタバタ)
大千鳥「わかった」(ドタドタ)
泛塵「え、えぇ?」
後藤「今の見ただろ。大将のは当たったら即手入れ部屋行き!」
赤羽「逃げて…撃つよ」
泛塵「う…最早投げるとは言わないのか」(バタバタ)
赤羽「鬼は外」(ピンッ)
五月雨「鬼遣らい…開戦です」(ビュンッ)
泛塵「ひ…っ、どちらが鬼か分からないのだが?!」
後藤「それなっ!ホントそれなっ!!」
大千鳥「・・・これもまた、語り種か」
一一一一一一一
3人が逃げきれたかどうかはご想像にお任せします。
昨年より思いつきで始まった、節分限定の特殊訓練「豆合戦」。今年は豆手裏剣なるものを使える五月雨を仲間に加えたようです。
一居間一
泛塵「一一・・・ああ、ここも撒かれている。大千鳥、踏まないようにな」
大千鳥「そうか。・・・こうもあちこちで撒かれては、足元の豆を避けるのに苦労する。思うように歩けないというのは、辛いな」
泛塵「ふふ…大千鳥は長身だからな。だが、踏んで潰しては可哀想だ。こうして拾い集めてやれば本丸の皆の糧となるが、砕かれたら塵となるだけ…」
大千鳥「そうだな。それは避け一一」(ゴンッ)
泛塵「・・・」
大千鳥「・・・」
泛塵「大丈夫か?」
大千鳥「ああ・・・」
泛塵「足元に気を付ければ、頭上の注意が疎かになる。長物諸君は出入口には注意しないといけないな」
大千鳥「俺は室内戦は不向きだ」
泛塵「そうだな。室内戦は僕のような脇差や短刀の領分と言える。きっと大千鳥にはこの豆が撒菱のように見えるのだろうな」
大千鳥「まきびし…忍の道具か。・・・真田十勇士にも忍の者がいたな」
泛塵「知っている。お前は講談や草双紙も好きだからな。やる気も出よう?」
大千鳥「ああ」
泛塵「では、開始しよう。塵拾いだ」
大千鳥「豆拾いだ、泛塵」
(間)
泛塵「さて、こんなところか」
大千鳥「だいぶ集まったな。撒きすぎだろう」
泛塵「ここは本丸の皆が集う場所の一つ。より福を招きたいのかもしれないな」
大千鳥「拾い集める時のことも考えてほしいが…」
後藤「おおーーーっい!!!本丸内にいる奴に告ぐーっ!」
泛塵「!!…これは粟田口の…後藤の声だな」
大千鳥「何やら切羽詰まった様子だ」
後藤「豆集めは中止だ!豆合戦が始まった!!」
泛&大「「 (豆合戦????) 」」
後藤「大将と五月雨から逃げろっ!!繰り返す!豆集めは中止だ!豆合戦が始まった一一」
泛&大「「 (豆合戦とは???????) 」」
バタバタッ ドタドタッ
泛塵「な、何が起きたのか分からないが…確かに本丸のあちこちが騒ぎ始めているな。慌ただしい足音に悲鳴が聞こえる」
大千鳥「合戦・・・戦か。主と五月雨から逃げろと聞こえたが、どういう状況か分からない以上闇雲には動けないな」
泛塵「僕が偵察してこようか」
大千鳥「いや。屋内では俺は足手まといになる。お前は一人で行動しろ」
泛塵「大千鳥は…」
大千鳥「俺は外に出る。長物連中もそうするだろう。まずはそこで状況を確認したい」
泛塵「…わかった」
後藤「ああーっ!」
泛&大「「 !? 」」
後藤「なに悠長にしてるんだよ。俺の声聞こえなかったのか??」
大千鳥「いや聞こえた。状況は分からないが、これから動くところだ」
後藤「ああ、そうか。二人共最近来たばかりだったよな。・・・移動しながら説明するから、とにかくここから離れよう」
大千鳥「了解だ」
泛塵「なんだか本当に戦のようだな…」
一廊下一
大千鳥「一一成る程。つまりこの豆合戦とやらでは、俺達刀剣男士は鬼役となり主の投げる豆から逃げ続ければいいわけか」
後藤「簡単に言えばな。敷地内ならどこへ移動してもいいし隠れてもいい。例え豆に当たってしまっても失格にはならない。時間まで二本の足で立っていさえすればいいんだ」
泛塵「それだけ聞くと…主がだいぶ不利と言うか、何故そのような徒労をするのか分からない。…皆がここまであわてふためくのも何故だろうな」
後藤「大将をなめないほうがいいぜ。今年は投豆兵がいないから安心していたが、大将にとっては関係なかったらしい・・・ただの豆がなんで鉛玉みてーに飛んでくるんだよぉぉぉぉ・・・っ」
泛塵「とう…まめへい?」
後藤「ああ、すっげー堅い豆を投げる刀そ一一」(パンッ)
泛塵「・・・」
大千鳥「・・・」
後藤「・・・。・・・う、そだろ」
赤羽「鬼は外…」
五月雨「頭。惜しかったですね」
後藤「なん…っで!豆鉄砲と豆手裏剣が揃って行動してるんだよッッ!!普通二手に分かれないか?!」
赤羽「一緒に掃討した方が早い」
後藤「マジで殺る気かよ!!見てこれ、豆!柱に埋まっちゃってるよ?!これ当たったらただで済まねぇよ大将!!?つか豆頑丈だなッッ」
赤羽「大丈夫。手入れ部屋にはしーちゃんがいる。心置きなく、逃げて…」
後藤「マジで!殺る気!だなっ!」
五月雨「後藤。昔のよしみです。特別に手加減なしでいきますよ」
後藤「そこは手加減しろよっ!あぁ~もうっ!走れ~!二人共~!」(バタバタ)
大千鳥「わかった」(ドタドタ)
泛塵「え、えぇ?」
後藤「今の見ただろ。大将のは当たったら即手入れ部屋行き!」
赤羽「逃げて…撃つよ」
泛塵「う…最早投げるとは言わないのか」(バタバタ)
赤羽「鬼は外」(ピンッ)
五月雨「鬼遣らい…開戦です」(ビュンッ)
泛塵「ひ…っ、どちらが鬼か分からないのだが?!」
後藤「それなっ!ホントそれなっ!!」
大千鳥「・・・これもまた、語り種か」
一一一一一一一
3人が逃げきれたかどうかはご想像にお任せします。
昨年より思いつきで始まった、節分限定の特殊訓練「豆合戦」。今年は豆手裏剣なるものを使える五月雨を仲間に加えたようです。
