とある本丸の日常会話 [完結]

小話その30「本丸の住人は逃げ出したいようです」

一山門一
藤代「はあ~、やっと帰ってこられた・・・赤羽様の本丸。本当に、ようやく・・・ん?」

太閤「猿はどんどん木にのっぼる~♪」

藤代「・・・」

太閤「うっき~!」

藤代「さ、猿だ・・・っ!!」

太閤「はっ!だ、誰?!てか猿って言うなー!」

藤代「今自分で言ってたじゃないですか!てか知らない子が人ん家の木に登ってるんですけど!?どこから来たんですか。里の子?」

太閤「儂は太閤左文字!この本丸の刀剣男士。つまりここの住人ってわけ。おみゃーこそ誰なん・・・あ」

藤代「刀剣男士?知らない顔だ。俺が外にいた時に顕現したのか・・・はっ!」(ゾッ)

桑名「ふ~じ~し~ろ~・・・」

藤代「ひぃぃっっ!!!」

太閤「おおっ!めっちゃ飛び退いた」

桑名「君、」

藤代「くくく桑名さん!?うわわ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」

桑名「あ、待って」

太閤「おー、逃げた逃げた。脱兎の如く~♪ていうかホント誰?目の隠れてる刀も行っちゃったなー」

山鳥毛「・・・おや?こんなところに小猿がいるな」

太閤「も~っ!猿じゃないし!・・・って、雉だ」

山鳥毛「雉?私のことを言っているのかな?」

太閤「そそ。今、雉を探しているんだ~。だから銘に鳥が付いてる刀に声掛けてるの。どう?儂の仲間にならない?」

南泉「猿に雉って・・・あとは犬を探して鬼退治でも行く気か、にゃ?」

太閤「猫はいらな~い」

南泉「オレは猫じゃねぇーっ!!にゃ!」

太閤「儂だって猿じゃないってば!」

日光「まぁ、落ち着け。どら猫、リスザル」

太閤「リスザルッッ!!??」

日光「お頭は仲間にはならん。無論、俺達もだ。そして左文字のお前を一文字に加入させることも出来ぬだろう。諦めろ」

太閤「えー」

南泉「つかお前、なんで木の上にいるんだ」

太閤「そこに木があるから?」

南泉「どんな理由だにゃ。まぁ、無性に木に登りたくなるのは分からなくもねーけど・・・」

日光「(分からなくもないのか)」

南泉「降りられねーとか言わねぇよな?」

太閤「そんな猫じゃあるまいし」

南泉「はぁ~~??オレは降りられるし?その程度の木にビビるわけねぇ…にゃ!」

太閤「あ、今自分で猫って認めた」

南泉「にゃ!?」

太閤「儂は短刀の刀剣男士だから身軽に出来てるってわけ。このくらいでビビってたら名折れもいいとこ。ササッと降りられるよ~」

日光「太閤左文字。気を付けろ」

太閤「んん?」

日光「お前の登ったその樹木は、サルスベリだ」

太閤「ムッキ~!だから猿じゃないってば!!」


・・・・・・


桑名「あれ。みんなで集まって何してるの?」

太閤「こんなでかい雉、仲間にしたくないや・・・」

桑名「え?なんの話し?」

南泉「あ~、木から降りたらお頭に見下ろされて、迫力にビビっちまったみたいだにゃ…」

桑名「??」

山鳥毛「それはいいとして、桑名よ。お前のその、引きずっているのは…ふむ。どういう状況だ?」

桑名「捕まえたんだよ。じゃーん。藤代~」

南泉「いやそんな自慢げに掲げてやるなよ。◯つ森か。…にゃ」

藤代「ウソみたいでしょう?片手なんだぜ、これ」

桑名「日頃の鍛練(土いじり)のおかげです」

南泉「マジかスゲ~」

桑名「て言うのは冗談で。はい、降ろすよ。単に藤代が軽すぎるだけだよ」

藤代「いやいやいや。南泉さんとそれほど変わらないですって。これは桑名さんが怪力すぎる一一」

南泉「おおん?!何言ってやがる。オレはおめ~みたいにガリガリひ弱な雛鳥じゃねぇ!!」

藤代「なんかマジギレされた!!」

日光「落ち着けどら猫。・・・桑名江、お頭はどういう状況かと聞いている。答えろ」

桑名「うん?・・・えっと、状況。状況?・・・ああ、藤代が人の顔見た途端に逃げ出すから、追いかけて捕まえただけだよ」

日光「逃げた?何故に逃げる必要がある。お前は主の家来であろう。まさか…二心あるわけではあるまいな」

藤代「はあ?!ふざけっ…、俺が赤羽様を裏切るなんてあるわけがない。ノー赤羽様ノーライフ!」

日光「うん?」

南泉「日光の兄貴。こいつ、主がいねぇと生きられねぇほどの主依存性なんスよ。主を神みてーに信仰してるっス、にゃ」

太閤「え、マジ?」

桑名「うん。変だよね」

藤代「その言いぐさ。この話題になるとどうして赤羽様の刀剣男士達に引かれなければならないのか心底わからないんですけど。赤羽様の素晴らしさはその身で持って理解しているはずでは?赤羽様の慈悲深い御心から生まれた力のおかげで顕現を持続出来ていると言うのに、どうして皆さん俺を変人扱いするんですか?そっちの方が理解出来ませんよ」

太閤「早口」

南泉「オタク特有のソレだにゃ」

桑名「藤代は主推しだよね」

日光「主が素晴らしい方なのは俺達も承知している。それで?その主に忠誠心を抱くお前が、何故刀剣男士を見て逃げる必要がある」

藤代「お、怒られると思ったから、です・・・(小声)」

日光「怒る?」

山鳥毛「小鳥への報告ないし連絡の義務を怠った上での無断外泊だ。小鳥にも私達にも安否の心配をかけたのだからね、存分に叱られてくるがいい」

桑名「そうそう。僕もじ~っくり話し聞くからね?さ、行こう」

藤代「うえっ!ほら、これ、ほら!桑名さんが怖いから逃げたのに!今回、俺悪くないのに!連絡する暇すらくれなかった向こうが悪いのにっっ!!」

桑名「はいはい、はいはい」

藤代「話し聞いてますか!?てか、襟首掴んで引きずってくのやめて」

山鳥毛「よしよし、雛鳥。怖いのならば私も着いていこう」

日光「お頭。お供します」

南泉「っス」

山鳥毛「我ら一文字が傍にいれば心強いだろう」

藤代「いよいよ逃げ場がなくなっただけですが!?」

南泉「藤代、腹くくれー」

藤代「いやだー・・・」




太閤「あららー。こわ~い男士に引きずられて行っちゃった。犬みたいにワンワン騒がしい人間~。犬は犬でも弱っちそうなのはなぁ。
一一一・・・で、結局あれは誰なわけ?」


一一一一一一一一一
















10月は記録役が不在のため、10月中に来た太閤とは翌月初顔合わせとなりました
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