とある本丸の日常会話 [完結]
小話その2「刀剣男士が風邪を引いたようです」
一男士寮・山姥切国広の部屋一
藤代「山姥切さん。薬、持ってきました。飲めそうですか」
山(国)「ん、あぁ・・・悪い。大丈夫だ。今、起きる」
藤代「はい」
山(国)「はぁ~・・・」
藤代「ダルいですか」
山(国)「少し。・・・しかし、刀剣男士が風邪を引くとはな。自分が情けなくて主には頭も上がらない。布があったら被りたい・・・」
藤代「冗談を言う気力は出たようでなによりです」
山(国)「いやいやいや、何をどう聞いたらそう受け取れるんだ。どう見ても気落ちしているだろう。慰めの言葉の一つでもかけてほしいくらいだ」
藤代「めちゃくちゃ喋るじゃないですか。昨日なんか塞ぎ込んで布団から出てこようとしなかったくせに。良くなってる証拠です」
山(国)「風邪なんか初めてだったからな…傷を負った時とは違う体の不調にかなり戸惑っていたんだ」
藤代「山姥斬りの刀が病一つに気落ちするとはね…まぁとにかく薬、飲んでください」
山(国)「俺が山姥を斬ったかどうかは伝聞のみぞ知る、だからな。ところで・・・これは、薬か?こんな物を飲んで養生するより、手入れで治せないものなのか?」
藤代「手入れで治せるのは外傷だけです。病を治そうと下手に手入れをすれば、体内の細菌やウイルスも活性化させる恐れがあります。だから手入れでは治せません」
山(国)「だが、これは・・・」
藤代「まさか苦そうだから嫌だ、とか思ってないですよね。時間遡行軍と命のやり取りをする勇敢な戦士がまさか薬が飲めない、なんて言いませんよね?」
山(国)「アレとコレとでは心構えが違うんだ。時間遡行軍の討伐は使命だが、これは、」
藤代「健全な肉体なくして時間遡行軍との戦いもなし、です。つべこべ言わずに飲め!」
山(国)「いやどうしてこんなおどろおどろしい色をしているんだ!まるで泥っ・・・ゲホゲホゲホッ!」
藤代「ほらほら~、大声出すから。まだ喉がイガイガしてるんじゃないですか?喉の炎症にも効く薬草が入っているので飲んだほうが楽になりますよ~?」
山(国)「ゲホ…人が弱っていると言うのにあんたは」
藤代「市販の薬はあんたら刀剣男士には効果が薄いので、漢方薬で治癒力を上げて治していくしかありません。体力が低下し、喉に異常が出ている今は粉末より液状のほうが飲みやすいでしょう」
山(国)「液状と言うより粥状だが?絶対に飲み込みづらいやつでは?」
藤代「苦味やえぐみを減らすための工夫です。大丈夫。味は保証します」
山(国)「あんたに保証されても…いや、待て。これはあんたが調合したのか?」
藤代「ほぼ薬研さんです」
山(国)「保証とは・・・!?」
藤代「俺は味見役を」
山(国)「なんでだ・・・!」
藤代「会話が出来るのは良いことですが、あまり喋りすぎるのは良くないですね。黙ってさっさと飲んでくれませんか?」
山(国)「う・・・」
藤代「なんなら飲ませてあげましょうか。山姥切さんの言うとおり粥の様ですし、都合よく薬匙もありますし」
山(国)「・・・」
藤代「なんて冗談です。そんな気味のわる一一」
山(国)「頼む」
藤代「・・・は?」
山(国)「いや、こうしてあんたの世話になると思い出してな。あんたが主だった時のことを。・・・だが、主ではなくなってもあんたは俺の世話をしてくれるんだな」
藤代「・・・それは、世話というより仕事だからです。この本丸の記録をする事が俺の役目ですから刀剣男士の様子を観るのは当然のことです。それに赤羽様をここへ連れてくるわけには」
山(国)「それでも俺は嬉しい」
藤代「はぁ…熱が上がってきたんですかね。山姥切さん、いいですか。それ以上、下手なことを言えば次の薬を粉末に切り替えますよ?容赦なく、苦いやつです」
山(国)「・・・そうか。では、これは熱に浮かされた病人の戯言だと思って聞いてくれて」
藤代「何を・・・」
山(国)「病一つどうにも出来ない俺の為に看病してくれること。恩に着る、主」
・・・・・・
一執務室一
赤羽「しーちゃん。山姥切の様子は、どうだった」
藤代「順調に快復しているようです。咳はあるようですが、すぐ良くなると思います」
赤羽「そう…ごめんね。私が、見に行ければいいんだけど」
藤代「いえ!刀剣男士の病は人間には毒です。私は耐性があるので、ここは任せてください」
赤羽「ありがとう」
藤代「いえ・・・あ、でも次の薬の時間になれば赤羽様にも山姥切さんの元気な声を聞かせてあげられるかもしれません」
赤羽「?・・・そう」
藤代「はい!」
一一一一一一一一一
その後、藤代は約束どおり山姥切の元気な絶叫をお届けしたそうです。
一男士寮・山姥切国広の部屋一
藤代「山姥切さん。薬、持ってきました。飲めそうですか」
山(国)「ん、あぁ・・・悪い。大丈夫だ。今、起きる」
藤代「はい」
山(国)「はぁ~・・・」
藤代「ダルいですか」
山(国)「少し。・・・しかし、刀剣男士が風邪を引くとはな。自分が情けなくて主には頭も上がらない。布があったら被りたい・・・」
藤代「冗談を言う気力は出たようでなによりです」
山(国)「いやいやいや、何をどう聞いたらそう受け取れるんだ。どう見ても気落ちしているだろう。慰めの言葉の一つでもかけてほしいくらいだ」
藤代「めちゃくちゃ喋るじゃないですか。昨日なんか塞ぎ込んで布団から出てこようとしなかったくせに。良くなってる証拠です」
山(国)「風邪なんか初めてだったからな…傷を負った時とは違う体の不調にかなり戸惑っていたんだ」
藤代「山姥斬りの刀が病一つに気落ちするとはね…まぁとにかく薬、飲んでください」
山(国)「俺が山姥を斬ったかどうかは伝聞のみぞ知る、だからな。ところで・・・これは、薬か?こんな物を飲んで養生するより、手入れで治せないものなのか?」
藤代「手入れで治せるのは外傷だけです。病を治そうと下手に手入れをすれば、体内の細菌やウイルスも活性化させる恐れがあります。だから手入れでは治せません」
山(国)「だが、これは・・・」
藤代「まさか苦そうだから嫌だ、とか思ってないですよね。時間遡行軍と命のやり取りをする勇敢な戦士がまさか薬が飲めない、なんて言いませんよね?」
山(国)「アレとコレとでは心構えが違うんだ。時間遡行軍の討伐は使命だが、これは、」
藤代「健全な肉体なくして時間遡行軍との戦いもなし、です。つべこべ言わずに飲め!」
山(国)「いやどうしてこんなおどろおどろしい色をしているんだ!まるで泥っ・・・ゲホゲホゲホッ!」
藤代「ほらほら~、大声出すから。まだ喉がイガイガしてるんじゃないですか?喉の炎症にも効く薬草が入っているので飲んだほうが楽になりますよ~?」
山(国)「ゲホ…人が弱っていると言うのにあんたは」
藤代「市販の薬はあんたら刀剣男士には効果が薄いので、漢方薬で治癒力を上げて治していくしかありません。体力が低下し、喉に異常が出ている今は粉末より液状のほうが飲みやすいでしょう」
山(国)「液状と言うより粥状だが?絶対に飲み込みづらいやつでは?」
藤代「苦味やえぐみを減らすための工夫です。大丈夫。味は保証します」
山(国)「あんたに保証されても…いや、待て。これはあんたが調合したのか?」
藤代「ほぼ薬研さんです」
山(国)「保証とは・・・!?」
藤代「俺は味見役を」
山(国)「なんでだ・・・!」
藤代「会話が出来るのは良いことですが、あまり喋りすぎるのは良くないですね。黙ってさっさと飲んでくれませんか?」
山(国)「う・・・」
藤代「なんなら飲ませてあげましょうか。山姥切さんの言うとおり粥の様ですし、都合よく薬匙もありますし」
山(国)「・・・」
藤代「なんて冗談です。そんな気味のわる一一」
山(国)「頼む」
藤代「・・・は?」
山(国)「いや、こうしてあんたの世話になると思い出してな。あんたが主だった時のことを。・・・だが、主ではなくなってもあんたは俺の世話をしてくれるんだな」
藤代「・・・それは、世話というより仕事だからです。この本丸の記録をする事が俺の役目ですから刀剣男士の様子を観るのは当然のことです。それに赤羽様をここへ連れてくるわけには」
山(国)「それでも俺は嬉しい」
藤代「はぁ…熱が上がってきたんですかね。山姥切さん、いいですか。それ以上、下手なことを言えば次の薬を粉末に切り替えますよ?容赦なく、苦いやつです」
山(国)「・・・そうか。では、これは熱に浮かされた病人の戯言だと思って聞いてくれて」
藤代「何を・・・」
山(国)「病一つどうにも出来ない俺の為に看病してくれること。恩に着る、主」
・・・・・・
一執務室一
赤羽「しーちゃん。山姥切の様子は、どうだった」
藤代「順調に快復しているようです。咳はあるようですが、すぐ良くなると思います」
赤羽「そう…ごめんね。私が、見に行ければいいんだけど」
藤代「いえ!刀剣男士の病は人間には毒です。私は耐性があるので、ここは任せてください」
赤羽「ありがとう」
藤代「いえ・・・あ、でも次の薬の時間になれば赤羽様にも山姥切さんの元気な声を聞かせてあげられるかもしれません」
赤羽「?・・・そう」
藤代「はい!」
一一一一一一一一一
その後、藤代は約束どおり山姥切の元気な絶叫をお届けしたそうです。
