とある本丸の日常会話 [完結]
小話その27「(続)本丸の住人が書庫に来たようです」
一書庫一
鬼丸「それで、お前達は何を調べたいんだ」
藤代「ゴーヤについてです」
鬼丸「ごおや?」
藤代「苦瓜です。俺の部屋んとこの軒下に緑のカーテンてやつを試してみたんです。そしたらろくに世話もしてないのに実まで生って・・・」
山鳥毛「ああ。それなら北谷菜切と千代金丸が世話をしていたな。お前が世話をしないから可哀想だ、とそれは嬉しそうに話していたよ」
藤代「何それ俺知らない」
山鳥毛「自分達が世話をしたのだから、実った分は貰っていいだろうと収穫して・・・そうだな、昨日の夕食に出たのが、おそらくそれだろう」
藤代「へ、へぇ・・・いや、収穫するのはいいんですけどね。世話してくれたのも感謝しかありません。でも、そうですか・・・自由に入り込まれてるな。さすがプライバシーのない古き良きジャパニーズ家屋」
鬼丸「それで、苦瓜の何を知りたいんだ。すでに育ちきっているのだから、生育に関してではないだろうな」
白山「藤代が苦瓜を一つくれました。しかし苦瓜は、にがいです。瓜は好きですが、にがいのは、苦手です」
藤代「この表情なしが、これじゃないって顔を顰めたのはぜひ皆さんに見てほしかったですね」
白山「・・・あるじさまの記録役は性格に難あり。この件に関しては、後程あるじさまに報告します」
藤代「だから、意地悪したわけではないんです。ゴーヤは放置してオレンジ色になると甘くなるとか、それがメロンの味に似ているとか聞いたので、白さんに試してもらおうと渡したんです」
山鳥毛「つまり確証がないから実験台になってもらおう、という魂胆か」
藤代「いや、だって俺は別に興味ないですし。瓜好きを公言してる人に試してもらうほうが俺は真相を知れるし、白さんはメロンの味を食べられるしで損がないでしょ」
鬼丸「意外に合理的な考え方をするんだな・・・ほんとうに、めろん…になればだが」
藤代「それを疑われているので調べに来たんです」
山鳥毛「ほぉ、わざわざ書庫まで来て調べるとは偉いものだ。ちょっとした物なら雛鳥がいつも使っているパソコンで調べられると思うのだが」
藤代「この暑さで起動すると熱暴走しそうなんです。仕事部屋に空調ないから・・・」
山鳥毛「空調のあるここに持ってくればいいだけではないか?」
藤代「あっ・・・」
鬼丸「今気づいたようだな」
藤代「・・・。・・・まぁ、いいや。8割方涼みに来たのが理由ですし」
鬼丸「仕事しろ」
山鳥毛「しかしこの、空調のある部屋が限られているという問題はどうにかならないものかな。夏冬となるとかなり厳しいものがあるぞ」
藤代「都心の本丸なら未だしも、ここは山中にある元廃寺なので初期設備からの変更は難しいと思います」
鬼丸「ああ。廃寺だったのか・・・道理で」
藤代「「道理で」ッ?!何??言わなくていいけど!」
鬼丸「安心しろ。鬼を斬るのが、おれの本分だ」
藤代「ぐっっ!!・・・さ、審神者によっては異空間に本丸を建てるところもあるそうです。そこは審神者の霊力に満ちていて、その意思で季節や天気を変えられるとか。審神者の気分次第で全室空調設備が整ったような環境になるので・・・まるで極楽ですね」
鬼丸「ああ。そういうところもあるな。まぁ極楽に鬼は出ないからおれの出番はないわけだが」
藤代「鬼がいるかいないかで顕現決めてんの?!」
鬼丸「貴重な審神者 を時間遡行軍に襲撃されないための隔離空間…結界のようなものだろう?おれの出る幕がないな」
白山「そうなのですか」
山鳥毛「・・・そうかな。人間の心には表と裏があるものだ。審神者の意思で変化するそこは審神者の…謂わば神域だ。だから霊力のない政府役人には手が出せないと聞く。時の政府すら手の出せない世界で審神者が悪意を抱けば、極楽は地獄と化すだろうさ」
鬼丸「なるほど。審神者が鬼と化すか。その場合、おれは審神者を斬ればいいのかな」
山鳥毛「どうだろうな…」
白山「人間の心とは、危ういものなのですね」
藤代「箱庭で胡座かいてもねぇ・・・。その時は他の審神者を向かわせて、その本丸の修繕と本丸としての機能を復活させるので、まったく政府が手を出せないわけではないです」
山鳥毛「簡単に言うが、危険なことだろう。そんな場所に向かわされた審神者に命の保証はないと思うのだが」
藤代「そうかもしれません」
鬼丸「他人事のように言う…」
藤代「赤羽様のように一切の下心のない素晴らしい力に溢れた本丸であれば、もう理想郷なんですけどねー・・・でも記録役 がいるばかりに赤羽様がそれを実現出来ないことが申し訳ないわ、歯痒いわで、迷惑しかかけてないけど!俺は赤羽様の本丸にいられるだけで幸運なので反省はするけど後悔はしていません!」
山鳥毛「よしよし、落ち着け雛鳥」
藤代「な、なでるな!」
鬼丸「そうか。お前達記録役は審神者ではないからな、その本丸に入れないわけか」
藤代「そういうわけです。俺はモドキなので入れるっちゃ入れるんですが長時間は無理でした。昔ヘマして箱庭本丸に閉じ込められた時はもう人生終わったと思いましたよ、ははは」
鬼丸「なっ…笑い事ではないだろ…?!」
藤代「今こうして赤羽様の記録役をやって、勝ち組の人生を歩んでいる俺にとっては笑い話です!それにそういう本丸に行く時のコツのようなものを学習したので、あの経験はいい勉強になりました」
鬼丸「お前、向かわされる側だったのか」
白山「・・・藤代」
藤代「?」
白山「そのような危険地点への派遣任務の際に、わたくしの同行は可能ですか。わたくしには治癒の力があります。藤代の、任務の一助となるかもしれません」
藤代「MP消費の激しいヒーラーをダンジョンに連れていくとかゲームオーバー必至」
白山「?・・・理解不能。解析が困難な言語が含まれています。もうすこし、分かりやすく話してください」
藤代「連れていけません」
白山「・・・」
山鳥毛「やれやれ。話が脱線して、調べものが疎かになってしまったな」
藤代「そういえば、お二人は何を調べようとしていたんですか?」
山鳥毛「葡萄について、少しな。我が翼が興味を示すやもしれん。本丸でも育てられるようなら植えてみようかと思ったのだ」
藤代「・・・来るといいですね」
山鳥毛「・・・いつまでも、待つとしよう」
白山「貴方も、葡萄を?」
鬼丸「成り行きで、な。鬼の足止めをしたという逸話のある植物だ。植えておけば何かあった時、時間稼ぎに使えるかもしれない」
藤代「鬼バカ…」
山鳥毛「鬼馬鹿だな」
白山「鬼ばか、です」
鬼丸「五月蝿い。無駄口を叩いてないでとっとと調べるぞ」
一一一一一一一
多くを語らぬ男士も三人寄れば姦しい(?)・・・四人寄れば調べものは遅々として進まず。
二次創作によくある異空間本丸を取り入れてみました。審神者の未知数のパワーは用法・用量を正しく守って使用してください。
日光一文字に関しては推して知るべし。
(追記:この話の公開翌日に来ました)
一書庫一
鬼丸「それで、お前達は何を調べたいんだ」
藤代「ゴーヤについてです」
鬼丸「ごおや?」
藤代「苦瓜です。俺の部屋んとこの軒下に緑のカーテンてやつを試してみたんです。そしたらろくに世話もしてないのに実まで生って・・・」
山鳥毛「ああ。それなら北谷菜切と千代金丸が世話をしていたな。お前が世話をしないから可哀想だ、とそれは嬉しそうに話していたよ」
藤代「何それ俺知らない」
山鳥毛「自分達が世話をしたのだから、実った分は貰っていいだろうと収穫して・・・そうだな、昨日の夕食に出たのが、おそらくそれだろう」
藤代「へ、へぇ・・・いや、収穫するのはいいんですけどね。世話してくれたのも感謝しかありません。でも、そうですか・・・自由に入り込まれてるな。さすがプライバシーのない古き良きジャパニーズ家屋」
鬼丸「それで、苦瓜の何を知りたいんだ。すでに育ちきっているのだから、生育に関してではないだろうな」
白山「藤代が苦瓜を一つくれました。しかし苦瓜は、にがいです。瓜は好きですが、にがいのは、苦手です」
藤代「この表情なしが、これじゃないって顔を顰めたのはぜひ皆さんに見てほしかったですね」
白山「・・・あるじさまの記録役は性格に難あり。この件に関しては、後程あるじさまに報告します」
藤代「だから、意地悪したわけではないんです。ゴーヤは放置してオレンジ色になると甘くなるとか、それがメロンの味に似ているとか聞いたので、白さんに試してもらおうと渡したんです」
山鳥毛「つまり確証がないから実験台になってもらおう、という魂胆か」
藤代「いや、だって俺は別に興味ないですし。瓜好きを公言してる人に試してもらうほうが俺は真相を知れるし、白さんはメロンの味を食べられるしで損がないでしょ」
鬼丸「意外に合理的な考え方をするんだな・・・ほんとうに、めろん…になればだが」
藤代「それを疑われているので調べに来たんです」
山鳥毛「ほぉ、わざわざ書庫まで来て調べるとは偉いものだ。ちょっとした物なら雛鳥がいつも使っているパソコンで調べられると思うのだが」
藤代「この暑さで起動すると熱暴走しそうなんです。仕事部屋に空調ないから・・・」
山鳥毛「空調のあるここに持ってくればいいだけではないか?」
藤代「あっ・・・」
鬼丸「今気づいたようだな」
藤代「・・・。・・・まぁ、いいや。8割方涼みに来たのが理由ですし」
鬼丸「仕事しろ」
山鳥毛「しかしこの、空調のある部屋が限られているという問題はどうにかならないものかな。夏冬となるとかなり厳しいものがあるぞ」
藤代「都心の本丸なら未だしも、ここは山中にある元廃寺なので初期設備からの変更は難しいと思います」
鬼丸「ああ。廃寺だったのか・・・道理で」
藤代「「道理で」ッ?!何??言わなくていいけど!」
鬼丸「安心しろ。鬼を斬るのが、おれの本分だ」
藤代「ぐっっ!!・・・さ、審神者によっては異空間に本丸を建てるところもあるそうです。そこは審神者の霊力に満ちていて、その意思で季節や天気を変えられるとか。審神者の気分次第で全室空調設備が整ったような環境になるので・・・まるで極楽ですね」
鬼丸「ああ。そういうところもあるな。まぁ極楽に鬼は出ないからおれの出番はないわけだが」
藤代「鬼がいるかいないかで顕現決めてんの?!」
鬼丸「貴重な
白山「そうなのですか」
山鳥毛「・・・そうかな。人間の心には表と裏があるものだ。審神者の意思で変化するそこは審神者の…謂わば神域だ。だから霊力のない政府役人には手が出せないと聞く。時の政府すら手の出せない世界で審神者が悪意を抱けば、極楽は地獄と化すだろうさ」
鬼丸「なるほど。審神者が鬼と化すか。その場合、おれは審神者を斬ればいいのかな」
山鳥毛「どうだろうな…」
白山「人間の心とは、危ういものなのですね」
藤代「箱庭で胡座かいてもねぇ・・・。その時は他の審神者を向かわせて、その本丸の修繕と本丸としての機能を復活させるので、まったく政府が手を出せないわけではないです」
山鳥毛「簡単に言うが、危険なことだろう。そんな場所に向かわされた審神者に命の保証はないと思うのだが」
藤代「そうかもしれません」
鬼丸「他人事のように言う…」
藤代「赤羽様のように一切の下心のない素晴らしい力に溢れた本丸であれば、もう理想郷なんですけどねー・・・でも
山鳥毛「よしよし、落ち着け雛鳥」
藤代「な、なでるな!」
鬼丸「そうか。お前達記録役は審神者ではないからな、その本丸に入れないわけか」
藤代「そういうわけです。俺はモドキなので入れるっちゃ入れるんですが長時間は無理でした。昔ヘマして箱庭本丸に閉じ込められた時はもう人生終わったと思いましたよ、ははは」
鬼丸「なっ…笑い事ではないだろ…?!」
藤代「今こうして赤羽様の記録役をやって、勝ち組の人生を歩んでいる俺にとっては笑い話です!それにそういう本丸に行く時のコツのようなものを学習したので、あの経験はいい勉強になりました」
鬼丸「お前、向かわされる側だったのか」
白山「・・・藤代」
藤代「?」
白山「そのような危険地点への派遣任務の際に、わたくしの同行は可能ですか。わたくしには治癒の力があります。藤代の、任務の一助となるかもしれません」
藤代「MP消費の激しいヒーラーをダンジョンに連れていくとかゲームオーバー必至」
白山「?・・・理解不能。解析が困難な言語が含まれています。もうすこし、分かりやすく話してください」
藤代「連れていけません」
白山「・・・」
山鳥毛「やれやれ。話が脱線して、調べものが疎かになってしまったな」
藤代「そういえば、お二人は何を調べようとしていたんですか?」
山鳥毛「葡萄について、少しな。我が翼が興味を示すやもしれん。本丸でも育てられるようなら植えてみようかと思ったのだ」
藤代「・・・来るといいですね」
山鳥毛「・・・いつまでも、待つとしよう」
白山「貴方も、葡萄を?」
鬼丸「成り行きで、な。鬼の足止めをしたという逸話のある植物だ。植えておけば何かあった時、時間稼ぎに使えるかもしれない」
藤代「鬼バカ…」
山鳥毛「鬼馬鹿だな」
白山「鬼ばか、です」
鬼丸「五月蝿い。無駄口を叩いてないでとっとと調べるぞ」
一一一一一一一
多くを語らぬ男士も三人寄れば姦しい(?)・・・四人寄れば調べものは遅々として進まず。
二次創作によくある異空間本丸を取り入れてみました。審神者の未知数のパワーは用法・用量を正しく守って使用してください。
日光一文字に関しては推して知るべし。
(追記:この話の公開翌日に来ました)
