とある本丸の日常会話 [完結]
小話その26「本丸の住人が書庫に来たようです」
一書庫一
藤代「入りまーす(ガチャッ)」
白山「失礼します」
藤代「はぁ~・・・暑い。この猛暑、死ねる」
白山「ここは、冷房が効いています。とても、涼しい」
藤代「ですね。すぐ冷えますから、首まわりの汗だけでも拭いてください。風邪を引いてしまいます」
白山「はい。寒さを感じたら、狐で体温の調節を試みます」
藤代「あはは、それいいですね」
白山「・・・いくつかの生体反応を確認。書庫の利用者がいるようです。・・・娯楽関連の棚付近の密度が高い。皆さま、なにに関心を示されているのでしょう」
藤代「あー、たぶんコミッ・・・いや、気になるなら見に行ってきたらどうですか?「何読んでるんですか?」って聞けば皆さん喜んで教えてくれますよ」
白山「そう、ですか・・・」
藤代「そうですよ。思い立ったが吉日。気になるなら即行動!調べものは俺がやっておきますから、ほらほら行った行った」
白山「あ・・・はい。それでは、行ってきます」
藤代「はい。・・・。・・・。一一一よしよし、少しずつ他の男士にも関心を持ち始めてるみたいだ。良い兆候だな。赤羽様にも報告しないとー・・・」
山鳥毛「ほう。何を報告すると?」
藤代「ひっ!・・・いつからそこに」
山鳥毛「いやなに、調べものをするために書物を探していたら雛鳥と若鳥が入ってくるのが見えたものだからな、こっそりと観察していた」
藤代「なんで!?てか俺まだヒナ扱いっ?」
山鳥毛「ほう?私はどちらが雛鳥かまでは言っていないのだが・・・自覚しているじゃないか」
藤代「刀剣男士に雛鳥って言ったことないだろあんた・・・(ブツブツ)」
山鳥毛「そんなことより、あの小さな若鳥…白山吉光が心配のようだな?何かと世話を焼いているように見えたが・・・お前は面倒見がいいのだな」
藤代「・・・そう見えましたか?俺は監視されてるだけですよ。剣というのはどうにも人間のように振る舞うのが苦手だと言うので、僭越ながら人間らしさを教えていただけです。世話を焼くなどとんでもない」
山鳥毛「・・・監視だと?」
藤代「そんなことより、山鳥毛さんは今日も調べものですか」
山鳥毛「うん?・・・はは、頻繁に利用しているのがバレてしまっていたか。ここには様々な書物があるのでな、暇さえあればつい立ち寄ってしまう」
藤代「そうですか。実は俺も調べものがあるんです。白さんを待たせてしまうのも悪いので本を探しに行きます。では、ここで失礼します」
・・・・・・・・・・・・・
山鳥毛「ほう、園芸図鑑を探していたのか。奇遇だな。私達もだ」
藤代「・・・ホントーに。そして意外です」
鬼丸「・・・・・・」
藤代「鬼丸さんがいるなんて。しかも山鳥毛さんと一緒に調べものしてるなんて思いもしなかった」
鬼丸「どういう意味だ。おれが書物も読まない戦馬鹿だとでも言いたいのか」
藤代「まさかまさか!鬼を斬ることしか興味ないと思ってたから、書庫にいる姿が新鮮なだけです」
鬼丸「ふん。鬼を斬るにも情報がいる。おれの知っている鬼と現代の認識では差異があるからな。認知が変われば形も変わるのが鬼だ。そのために文献を紐解くのも鬼を斬るために必要なのさ」
藤代「なるほど。それで、植物と鬼の関連性とは?」
鬼丸「色々あるが有名なものでは桃だろうな。あれは邪気を払う」
藤代「意外に説明してくれるんだな・・・(小声)」
鬼丸「何か言ったか?」
藤代「・・・いえ、なにも!ただちょっと、一冊の本を三人で見るには場が窮屈と言うか、二人も覗き込む体勢では疲れるでしょうから、ここは個々に本を探してみるべきではないかなーっと・・・」
山鳥毛「なるほど。確かに顔を付き合わせていては狭苦しいな。空調が効いてるはずなのに暑くなるわけだ」
鬼丸「それは、あんたがかっちりと着すぎだからじゃないか?首くらい開けておけよ」
山鳥毛「これでも薄着なのだがね」
鬼丸「だから、首だよ。ボタン一つ外すだけでも変わるだろ。というかいつもの内番着はどうした」
山鳥毛「洗濯中だ。今日は天気がいいからよく乾くな」
鬼丸「ああ、確かに。天気が良すぎて猛暑だ。ここのように冷房のある部屋に逃げ込む輩も多いな」
藤代「そうですね。皆さんコミックコーナーでたむろってるようです。・・・白さん、打ち解けてるといいんで一一」
白山「・・・・・・」
藤代「って、いるーっ!?いつの間に??いつ戻ってきたんですか??」
白山「たった今です。太刀のお二人に挟まれているので、どう声をかけたらよいのか、思案していました」
藤代「そ、そうでしたか・・・いや、俺もこの強面の大男に囲まれて生きた心地がしていなくて、どう逃げ出そうかと考えていました」
鬼丸「おれ達のことを言っているのか?」
山鳥毛「雛鳥は思ったことがすぐに口に出るな」
藤代「隠し事が出来ないタチでして」
鬼丸「・・・そりゃ難儀な質だ」
藤代「そ、それで、まだそれほど時間も経ってませんが・・・どうして戻ってきたんですか?あちらで皆さんと好きに本を読んでいていいんですよ?」
白山「はい。藤代の言った通り、何を読んでいるのか訊ねたら、親切に教えてもらえました。まんが…という物らしいです。たくさんの人間が枠の中で表情豊かに生きていました。あのような絵画を見たのは初めてだったので、とてもおもしろい、と感じました」
山鳥毛「漫画か。子猫もよく読んでいるな」
鬼丸「吉光のところでも流行っているな」
藤代「面白いのなら・・・」
白山「描かれた絵を眺めるだけであるなら、新鮮さを感じました。けれど、人間達の会話や行動がわたくしには理解不能でした。皆さまにも「まだ早かった」と言われてしまいました」
藤代「・・・」
山鳥毛「・・・」
鬼丸「・・・」
白山「わたくしが人間の心を解するのは、まだ難しいようです」
山鳥毛「・・・雛鳥、私が思うにこれは、年齢であったり嗜好であったり…その、見る者を選ぶ類いの物だったのではないか?(小声)」
鬼丸「あやつらの物言いからして、そう解釈して良さそうだが…こりゃ吉光の剣は気付いてないな(小声)」
藤代「そうですね。というか何で読ませたんだよ(小声)」
白山「?・・・あの、なにを」
藤代「白さん。人には向き不向きがあるんです。だから、今は俺と一緒に園芸の本でも見ましょう。調べものも進んでいませんし」
山鳥毛「それがいい。私達もちょうど園芸の本を探していたのでな、物のついでというやつだ。共に調べてあげよう」
藤代「いや、それは遠慮します。こちらはこちらで調べるので、そちらはそちらで・・・」
山鳥毛「今度、子猫に初心者にも読みやすそうな漫画を聞いておこう。良いのがあるといいな」
鬼丸「それじゃあ、おれは吉光の短刀たちに聞いてみるか。秋田あたりは良い本を知っていそうだ」
藤代「ええー・・・人の話し聞かねーし・・・」
白山「皆さま、わたくしなどのために・・・・・・いえ、感謝します」
一一一一一一一一
白山が見たのは純粋に少女マンガです。
処分に困った里子から譲り受けたら男士がハマったようです。
続きます!
一書庫一
藤代「入りまーす(ガチャッ)」
白山「失礼します」
藤代「はぁ~・・・暑い。この猛暑、死ねる」
白山「ここは、冷房が効いています。とても、涼しい」
藤代「ですね。すぐ冷えますから、首まわりの汗だけでも拭いてください。風邪を引いてしまいます」
白山「はい。寒さを感じたら、狐で体温の調節を試みます」
藤代「あはは、それいいですね」
白山「・・・いくつかの生体反応を確認。書庫の利用者がいるようです。・・・娯楽関連の棚付近の密度が高い。皆さま、なにに関心を示されているのでしょう」
藤代「あー、たぶんコミッ・・・いや、気になるなら見に行ってきたらどうですか?「何読んでるんですか?」って聞けば皆さん喜んで教えてくれますよ」
白山「そう、ですか・・・」
藤代「そうですよ。思い立ったが吉日。気になるなら即行動!調べものは俺がやっておきますから、ほらほら行った行った」
白山「あ・・・はい。それでは、行ってきます」
藤代「はい。・・・。・・・。一一一よしよし、少しずつ他の男士にも関心を持ち始めてるみたいだ。良い兆候だな。赤羽様にも報告しないとー・・・」
山鳥毛「ほう。何を報告すると?」
藤代「ひっ!・・・いつからそこに」
山鳥毛「いやなに、調べものをするために書物を探していたら雛鳥と若鳥が入ってくるのが見えたものだからな、こっそりと観察していた」
藤代「なんで!?てか俺まだヒナ扱いっ?」
山鳥毛「ほう?私はどちらが雛鳥かまでは言っていないのだが・・・自覚しているじゃないか」
藤代「刀剣男士に雛鳥って言ったことないだろあんた・・・(ブツブツ)」
山鳥毛「そんなことより、あの小さな若鳥…白山吉光が心配のようだな?何かと世話を焼いているように見えたが・・・お前は面倒見がいいのだな」
藤代「・・・そう見えましたか?俺は監視されてるだけですよ。剣というのはどうにも人間のように振る舞うのが苦手だと言うので、僭越ながら人間らしさを教えていただけです。世話を焼くなどとんでもない」
山鳥毛「・・・監視だと?」
藤代「そんなことより、山鳥毛さんは今日も調べものですか」
山鳥毛「うん?・・・はは、頻繁に利用しているのがバレてしまっていたか。ここには様々な書物があるのでな、暇さえあればつい立ち寄ってしまう」
藤代「そうですか。実は俺も調べものがあるんです。白さんを待たせてしまうのも悪いので本を探しに行きます。では、ここで失礼します」
・・・・・・・・・・・・・
山鳥毛「ほう、園芸図鑑を探していたのか。奇遇だな。私達もだ」
藤代「・・・ホントーに。そして意外です」
鬼丸「・・・・・・」
藤代「鬼丸さんがいるなんて。しかも山鳥毛さんと一緒に調べものしてるなんて思いもしなかった」
鬼丸「どういう意味だ。おれが書物も読まない戦馬鹿だとでも言いたいのか」
藤代「まさかまさか!鬼を斬ることしか興味ないと思ってたから、書庫にいる姿が新鮮なだけです」
鬼丸「ふん。鬼を斬るにも情報がいる。おれの知っている鬼と現代の認識では差異があるからな。認知が変われば形も変わるのが鬼だ。そのために文献を紐解くのも鬼を斬るために必要なのさ」
藤代「なるほど。それで、植物と鬼の関連性とは?」
鬼丸「色々あるが有名なものでは桃だろうな。あれは邪気を払う」
藤代「意外に説明してくれるんだな・・・(小声)」
鬼丸「何か言ったか?」
藤代「・・・いえ、なにも!ただちょっと、一冊の本を三人で見るには場が窮屈と言うか、二人も覗き込む体勢では疲れるでしょうから、ここは個々に本を探してみるべきではないかなーっと・・・」
山鳥毛「なるほど。確かに顔を付き合わせていては狭苦しいな。空調が効いてるはずなのに暑くなるわけだ」
鬼丸「それは、あんたがかっちりと着すぎだからじゃないか?首くらい開けておけよ」
山鳥毛「これでも薄着なのだがね」
鬼丸「だから、首だよ。ボタン一つ外すだけでも変わるだろ。というかいつもの内番着はどうした」
山鳥毛「洗濯中だ。今日は天気がいいからよく乾くな」
鬼丸「ああ、確かに。天気が良すぎて猛暑だ。ここのように冷房のある部屋に逃げ込む輩も多いな」
藤代「そうですね。皆さんコミックコーナーでたむろってるようです。・・・白さん、打ち解けてるといいんで一一」
白山「・・・・・・」
藤代「って、いるーっ!?いつの間に??いつ戻ってきたんですか??」
白山「たった今です。太刀のお二人に挟まれているので、どう声をかけたらよいのか、思案していました」
藤代「そ、そうでしたか・・・いや、俺もこの強面の大男に囲まれて生きた心地がしていなくて、どう逃げ出そうかと考えていました」
鬼丸「おれ達のことを言っているのか?」
山鳥毛「雛鳥は思ったことがすぐに口に出るな」
藤代「隠し事が出来ないタチでして」
鬼丸「・・・そりゃ難儀な質だ」
藤代「そ、それで、まだそれほど時間も経ってませんが・・・どうして戻ってきたんですか?あちらで皆さんと好きに本を読んでいていいんですよ?」
白山「はい。藤代の言った通り、何を読んでいるのか訊ねたら、親切に教えてもらえました。まんが…という物らしいです。たくさんの人間が枠の中で表情豊かに生きていました。あのような絵画を見たのは初めてだったので、とてもおもしろい、と感じました」
山鳥毛「漫画か。子猫もよく読んでいるな」
鬼丸「吉光のところでも流行っているな」
藤代「面白いのなら・・・」
白山「描かれた絵を眺めるだけであるなら、新鮮さを感じました。けれど、人間達の会話や行動がわたくしには理解不能でした。皆さまにも「まだ早かった」と言われてしまいました」
藤代「・・・」
山鳥毛「・・・」
鬼丸「・・・」
白山「わたくしが人間の心を解するのは、まだ難しいようです」
山鳥毛「・・・雛鳥、私が思うにこれは、年齢であったり嗜好であったり…その、見る者を選ぶ類いの物だったのではないか?(小声)」
鬼丸「あやつらの物言いからして、そう解釈して良さそうだが…こりゃ吉光の剣は気付いてないな(小声)」
藤代「そうですね。というか何で読ませたんだよ(小声)」
白山「?・・・あの、なにを」
藤代「白さん。人には向き不向きがあるんです。だから、今は俺と一緒に園芸の本でも見ましょう。調べものも進んでいませんし」
山鳥毛「それがいい。私達もちょうど園芸の本を探していたのでな、物のついでというやつだ。共に調べてあげよう」
藤代「いや、それは遠慮します。こちらはこちらで調べるので、そちらはそちらで・・・」
山鳥毛「今度、子猫に初心者にも読みやすそうな漫画を聞いておこう。良いのがあるといいな」
鬼丸「それじゃあ、おれは吉光の短刀たちに聞いてみるか。秋田あたりは良い本を知っていそうだ」
藤代「ええー・・・人の話し聞かねーし・・・」
白山「皆さま、わたくしなどのために・・・・・・いえ、感謝します」
一一一一一一一一
白山が見たのは純粋に少女マンガです。
処分に困った里子から譲り受けたら男士がハマったようです。
続きます!
