とある本丸の日常会話 [完結]
小話その25「本丸の住人が花と間違えられたようです」
一縁側一
秋田「・・・」
北谷「・・・」
宗三「何をしているんです?」
秋田「!・・・あ、宗三さん!今ですね、北谷菜切さんと雨の音を聞いていました」
宗三「雨…?今は止んでますよね」
北谷「屋根から落ちる音とか、どこかへ流れていく音とか・・・雨水はまだそこにあるんだな」
宗三「そうですか…確かにそれもまた、雨音ですか」
秋田「宗三さんも聞いていかれますか?」
宗三「いえ…僕は揚羽蝶の回収に来ただけですので」
秋田「アゲハチョウ?」
北谷「回収?」
宗三「少し、大人しくしてくださいね」
北谷「・・・え?おれ?なんだなんだ?」
秋田「あ!頭にチョウが止まっています。いつの間に」
北谷「えー!ホントか?気づかなかったんだなぁ」
宗三「二人とも目を閉じていましたからね。それに雨音に集中していたようでしたし…」
北谷「雨上がりは普段聴こえない音がして面白いんだな~」
秋田「鳥や虫の鳴き声も聞こえてきますよ。まるで雨が止んだことを喜んでいるようです」
宗三「ふふ…そうかもしれませんね。はい、ありがとうございます。もう動いて大丈夫ですよ」
北谷「そうか?いやー、なんでおれの頭に止まるかねぇ」
宗三「さあ…花と間違えたのかも、しれませんね」
北谷「花?」
宗三「何を思ってか…時々ふらっと飛んでしまうんです。まぁ…大概、主が近くにいる時が多いんですが」
北谷「おれを主と間違えたのか?ははっ、それはないかー」
宗三「主はこの本丸で唯一の女人ですからね…本丸の花、と言ったところでしょうか。蝶は花から花へと移るものですから」
北谷「おれは花じゃないんだけどなー」
宗三「花のように可愛らしく見えたのでしょうね。この小さな体が僕らのことをどう見ているのか…分かりませんが」
秋田「でも一番宗三さんのことが大好きなのは分かります。いつも離れずにいますよね」
北谷「そうだなー、浦島の亀みたいだ。宗三の友達か?」
宗三「さて、どうでしょうね・・・おや?また」
秋田「飛んでしまいました。追いかけないと」
宗三「大丈夫でしょう…おそらくは主が近くにいるのを察知したんですよ。少ししたらそこの角から主がやってきますよ」
秋田「花から花へ、ですか?」
宗三「蝶ですからね」
北谷「おれは花じゃないんだけどなー」
・・・・・・
赤羽「・・・宗三」
宗三「ああ。すみません…また僕の蝶がお邪魔しましたね」
秋田「本当に主君が来ました(小声)」
北谷「なー。本当に来たな(小声)」
赤羽「今日は、宗三がすぐに見つかって、良かった」
宗三「いつもすみません。けどわざわざ届けてくれなくても勝手に戻ってきますよ」
赤羽「そう…。だけど、あまり放置すると南泉が落ち着かなくなる。危ない」
宗三「猫の呪い、ですか」
赤羽「そう」
宗三「そうですか。呪い…」
赤羽「?」
宗三「ああ、いえ…僕とこの蝶の関係は何なのか、と先ほど二人に問われた答えがふと浮かんだような気がして一一一鳴狐のお供や浦島の亀のような友情よりも…そう言った方がしっくりきます」
赤羽「それが、呪い?」
宗三「はい」
北谷「いやー・・・それはどうかなぁ」
秋田「そんなことないと思います。さっきも言いましたがその蝶は宗三さんのことが大好きだと、僕にはそう見えます」
宗三「ふふ、ありがとうございます。しかしこの蝶がいる限り、僕は主の元へ帰ってくることが出来る。例え主が遠くへ行ってもきっとこの蝶は主の元へと導いてくれる。これは呪いのようではないですか?」
北谷「あー・・・そーいう。そーだとしたら、主と宗三を繋ぐいい呪いだな。それか帰巣本能みたいなものか?」
秋田「蝶に帰巣本能があるかわかりませんが・・・あ、それとも宗三さんの帰巣本能が具現化したのがその蝶とか・・・?うーん・・・ともかく悪いものでないようなら良かったです!」
宗三「いや、帰巣本能の具現化とか発想が斬新すぎる…と言うかなんだか恥ずかしくなりますね。この話しはやめにしましょう」
北谷「そーだな。間違えておれのとこ来てしまったうっかりさんだからな。でもまた遠慮なく止まってくれていいからな」
宗三「・・・おや、そんなことを言っていいんですか?本当に遠慮しないかもしれませんよ」
北谷「そーなったら蝶の友達が出来たみたいで嬉しいよ」
秋田「わぁ、そうですね!蝶の友達なんてステキです。僕も友達になりたいです」
宗三「そうですか…ではその時は仲良くしてあげてくださいね」
北谷「りょーかいだな」
秋田「もちろんです!」
・・・・・・
赤羽「珍しい取り合わせだった」
宗三「?・・・なんの話しです?」
赤羽「縁側で三人がいるのを見た時の感想」
宗三「ああ、あれはたまたまですよ…」
赤羽「花畑みたいだった」
宗三「・・・ふ。頭が、とか言いたいんですか?」
赤羽「言ってない」
宗三「冗談ですよ」
一一一一一一一
桃色トリオ。
宗三の蝶が実は飾りの一部だから動かない…とかだったらこの話しは怪奇ミステリーになってしまうなぁ(笑)
一縁側一
秋田「・・・」
北谷「・・・」
宗三「何をしているんです?」
秋田「!・・・あ、宗三さん!今ですね、北谷菜切さんと雨の音を聞いていました」
宗三「雨…?今は止んでますよね」
北谷「屋根から落ちる音とか、どこかへ流れていく音とか・・・雨水はまだそこにあるんだな」
宗三「そうですか…確かにそれもまた、雨音ですか」
秋田「宗三さんも聞いていかれますか?」
宗三「いえ…僕は揚羽蝶の回収に来ただけですので」
秋田「アゲハチョウ?」
北谷「回収?」
宗三「少し、大人しくしてくださいね」
北谷「・・・え?おれ?なんだなんだ?」
秋田「あ!頭にチョウが止まっています。いつの間に」
北谷「えー!ホントか?気づかなかったんだなぁ」
宗三「二人とも目を閉じていましたからね。それに雨音に集中していたようでしたし…」
北谷「雨上がりは普段聴こえない音がして面白いんだな~」
秋田「鳥や虫の鳴き声も聞こえてきますよ。まるで雨が止んだことを喜んでいるようです」
宗三「ふふ…そうかもしれませんね。はい、ありがとうございます。もう動いて大丈夫ですよ」
北谷「そうか?いやー、なんでおれの頭に止まるかねぇ」
宗三「さあ…花と間違えたのかも、しれませんね」
北谷「花?」
宗三「何を思ってか…時々ふらっと飛んでしまうんです。まぁ…大概、主が近くにいる時が多いんですが」
北谷「おれを主と間違えたのか?ははっ、それはないかー」
宗三「主はこの本丸で唯一の女人ですからね…本丸の花、と言ったところでしょうか。蝶は花から花へと移るものですから」
北谷「おれは花じゃないんだけどなー」
宗三「花のように可愛らしく見えたのでしょうね。この小さな体が僕らのことをどう見ているのか…分かりませんが」
秋田「でも一番宗三さんのことが大好きなのは分かります。いつも離れずにいますよね」
北谷「そうだなー、浦島の亀みたいだ。宗三の友達か?」
宗三「さて、どうでしょうね・・・おや?また」
秋田「飛んでしまいました。追いかけないと」
宗三「大丈夫でしょう…おそらくは主が近くにいるのを察知したんですよ。少ししたらそこの角から主がやってきますよ」
秋田「花から花へ、ですか?」
宗三「蝶ですからね」
北谷「おれは花じゃないんだけどなー」
・・・・・・
赤羽「・・・宗三」
宗三「ああ。すみません…また僕の蝶がお邪魔しましたね」
秋田「本当に主君が来ました(小声)」
北谷「なー。本当に来たな(小声)」
赤羽「今日は、宗三がすぐに見つかって、良かった」
宗三「いつもすみません。けどわざわざ届けてくれなくても勝手に戻ってきますよ」
赤羽「そう…。だけど、あまり放置すると南泉が落ち着かなくなる。危ない」
宗三「猫の呪い、ですか」
赤羽「そう」
宗三「そうですか。呪い…」
赤羽「?」
宗三「ああ、いえ…僕とこの蝶の関係は何なのか、と先ほど二人に問われた答えがふと浮かんだような気がして一一一鳴狐のお供や浦島の亀のような友情よりも…そう言った方がしっくりきます」
赤羽「それが、呪い?」
宗三「はい」
北谷「いやー・・・それはどうかなぁ」
秋田「そんなことないと思います。さっきも言いましたがその蝶は宗三さんのことが大好きだと、僕にはそう見えます」
宗三「ふふ、ありがとうございます。しかしこの蝶がいる限り、僕は主の元へ帰ってくることが出来る。例え主が遠くへ行ってもきっとこの蝶は主の元へと導いてくれる。これは呪いのようではないですか?」
北谷「あー・・・そーいう。そーだとしたら、主と宗三を繋ぐいい呪いだな。それか帰巣本能みたいなものか?」
秋田「蝶に帰巣本能があるかわかりませんが・・・あ、それとも宗三さんの帰巣本能が具現化したのがその蝶とか・・・?うーん・・・ともかく悪いものでないようなら良かったです!」
宗三「いや、帰巣本能の具現化とか発想が斬新すぎる…と言うかなんだか恥ずかしくなりますね。この話しはやめにしましょう」
北谷「そーだな。間違えておれのとこ来てしまったうっかりさんだからな。でもまた遠慮なく止まってくれていいからな」
宗三「・・・おや、そんなことを言っていいんですか?本当に遠慮しないかもしれませんよ」
北谷「そーなったら蝶の友達が出来たみたいで嬉しいよ」
秋田「わぁ、そうですね!蝶の友達なんてステキです。僕も友達になりたいです」
宗三「そうですか…ではその時は仲良くしてあげてくださいね」
北谷「りょーかいだな」
秋田「もちろんです!」
・・・・・・
赤羽「珍しい取り合わせだった」
宗三「?・・・なんの話しです?」
赤羽「縁側で三人がいるのを見た時の感想」
宗三「ああ、あれはたまたまですよ…」
赤羽「花畑みたいだった」
宗三「・・・ふ。頭が、とか言いたいんですか?」
赤羽「言ってない」
宗三「冗談ですよ」
一一一一一一一
桃色トリオ。
宗三の蝶が実は飾りの一部だから動かない…とかだったらこの話しは怪奇ミステリーになってしまうなぁ(笑)
