とある本丸の日常会話 [完結]

小話その15「記録役達はヒマを持て余しているようです」

一仕事部屋一
藤代「あー、寒い。今日寒すぎる。もうコタツに立てこもる」

土岐「そうねぇ。寒波が来てるらしいからねぇ。あ、しーちゃん、ミカンなくなりそうよ。取ってきてほしいなぁ」

藤代「残念。俺はコタツから出られない」

土岐「そんなコタツにこもってばかりじゃコタツムリになるわよぉ?」

藤代「そんなミカンばかり食ってたら体が黄色くなるぞ」

土岐「・・・」

藤代「・・・」

土岐「ヒマねぇ」

藤代「ヒマだなぁ」

白山「記録役の生体反応を確認(襖スパーン)」

土岐「きゃ・・・っ!?」

藤代「ふお!?(ガタッ)イタッ!・・・いってぇ」

白山「入室の許可を、もとめます」

藤代「て、開けてから言うもんじゃなくない!?…ううっ!さむ!寒いっ!冷気入ってきてるから」

白山「よろしいですか?」

藤代「はい!どうぞ!」

白山「感謝します」

藤代「あああ…ご丁寧にお辞儀とかいいですからサッと入ってサッと閉めて」

白山「承知しました」

藤代「はああ…」

土岐「すごく…マイペースねぇ」

藤代「そうなんだよ。他の男士より空気が独特だろ?行動が読めなくて時々理解が出来ないところが・・・あ、ここ入りますか?」

土岐「それを本人を前にして言えるしーちゃんもしーちゃんよねぇ」

藤代「言わなきゃ伝わらない」

土岐「あなたもマイペースだわぁ」

白山「・・・あたたかい」

藤代「随分冷えてますね。今日はいつもより冷え込んでますから、ほら肩までコタツ布団かけて・・・あれ、狐は?」

白山「狐は、こたつの中にいます」

藤代「わあ、本当だ。どこかの剣と違って動きが素早い」

土岐「まあ~可愛い!キツネもコタツで丸くなるのねぇ」

白山「・・・外気温の」

藤代「?」

白山「低下にともない肉体の温度、感度および運動機能のいちじるしい低下が認められました。わたくしの反応速度が鈍るのも、仕方のないことと思います」

藤代「暖まったらいきなり饒舌ですね」

土岐「しーちゃんがからかうからムッとしてるのよぉ」

藤代「あっははー。それは申し訳ない」

白山「?・・・むっと、とは?」

土岐「からかわれて面白くないような、ちょっと不満になるような感じかしらねぇ?」

白山「・・・。・・・理解しました。わたくしは藤代にむっとしています」

藤代「えー、やだー、お茶とミカンあげるので機嫌直してください」

白山「一一一和解成立、です」

土岐「ふ、ふふふふ…!ヤダ、しーちゃん。白山くんとすごく仲良しじゃない?理解してあげてるじゃない。ふふふふふ…お腹いたい…っふふふ」

白山「腹痛を訴えながら、わらっています。これは・・・」

藤代「あ、放っておいていいです。笑いのツボが人と違うから変なところで笑いだすんだよな、こいつ」

白山「笑いの、つぼ…壺?」

土岐「ふふふ…」

白山「突っ伏してしまいました」

藤代「・・・ところで?白さんがここに来た理由は…まあ、いつものことなので察しはつきますが」

白山「政府の監視の目である記録役は、あるじさまにとっての要注意人物。わたくしは、いつでも記録役をみています」

藤代「記録役に同情しちゃうなぁ・・・」

白山「加えて、所在不明の生体の感あり。様子を見にきました」

藤代「ああ、土岐とは初対面でしたっけ?」

白山「はい。ですが状況からみて、藤代と親しい者と判断しました。敵ではない。・・・こちらは、今あるじさまと同席されている審神者の、記録役ですか?」

藤代「親しいかどうかは別として、里子さんの記録役なのは合っています」

土岐「ちょっとお、冷たいわねぇ。小さい頃からの仲じゃないの~?」

藤代「あ、復活したな。・・・この通り、変な奴だけど面白いから見ていて飽きないと思いますよ」

白山「・・・そう、ですか」

土岐「ふふ、見ていて面白いのはわたしの方よぉ。審神者以外の人間を警戒しない刀剣男士なんてなかなか見られないのよねぇ。里子ちゃんの刀剣男士にすら未だ警戒されてるのにねぇ。悲しいわぁ。どういった環境に置いたらそうなるのかしら~。観察したいわ~」

白山「・・・」

藤代「おい、土岐。観察するな。ここは俺の持ち場だ」

土岐「少しくらいいいじゃない?後学のためよぉ」

藤代「後学って。そもそもお前が警戒されんのは一一」

白山「・・・です」

藤代「ん?」

白山「心外です。・・・わたくしは、あなた方をみています。これからも、警戒を怠るつもりはありません」

土岐「あらぁ・・・気に触ったのならごめんなさいねぇ(でもミカン食べながら言われても説得力ないのよねぇ)」

藤代「ミカン食べながら言われても説得力ないんですけど」

土岐「それ、言っちゃうのねぇ」

白山「最近は、瓜以外に果実にも、目がないのです」

土岐「好きなものが増えるのはいいことよねぇ」

藤代「あ、そうだ。いい加減言わないとなーと思っていたんですけど・・・俺の監視のために、毎日のように、わざわざ、来てくれてますけどね?そろそろ俺に赤羽様を疑う気持ちがまっっったくないことを察してくれませんか?あの方だけは尊敬しかないですから。あの方の素晴らしさを誰よりも知っているのは俺だと思ってるくらいですから。だから」

白山「その申し出を拒否します」

藤代「なんでだよっ!」

白山「あなたの記録帳から異常性が感知されています。あるじさまへの尊敬の念が強すぎるあまり、正確な記録が出来ていない懸念あり。それが直らないかぎり、わたくしは藤代の監視を継続します」

藤代「・・・それ監視じゃなくて監査じゃん・・・あんたは俺の上司かよぉ・・・」

白山「あるじさまの為に、正確な記録をとってください」

藤代「・・・。・・・。・・・はい」

土岐「っく!ふふふふふっ」

白山「?・・・また、ですか」

藤代「あ!お前それ。そういうところ!そっちの男士に警戒されてんのって、そのいきなり笑いだす癖のせいだからな。直したほうがいいぞ」

土岐「そ…ふふ…そうだったのねぇ。でも、こればかりは感情の制御が難しいのよぉ。ん、ふふ…こうね、男の子同士が仲良くしてる姿を見ると、なんだか嬉しくなるようなくすぐったいような…青春劇を見ているような…ふふふふ…尊い」

藤代「何度聞いても笑いのツボがよく分からない」

白山「・・・」

藤代「どうかしましたか?後ろを向いて・・・」

白山「こちらへ接近する刀剣男士の感あり。これは」

骨喰「藤代。いるか?(襖スパーン)」

白山「兄弟、です」

藤代「・・・ああ、粟田口は、人の部屋に入る時は声を掛けずに襖を勢いよく開けましょう、と教えられているんですね・・・長兄の顔が見てみたい」

骨喰「ん?なんの話しだ?・・・主殿の会議が終わったから知らせに来た」

藤代「!分かりました。すぐに向かいます」

骨喰「そこの主も帰られるようだ。支度をしてくれ」

土岐「あらあらぁ、わざわざありがとね」

藤代「先行くぞ、土岐」

土岐「あぁもう。しーちゃん、待って・・・」



骨喰「・・・」

白山「・・・」

骨喰「白山は・・・行かないのか?」

白山「わたくしは、片付けを優先します」

骨喰「そうか」

白山「・・・それと、狐が」

骨喰「キツネ?」

白山「とても、こたつを気に入っているようです」

骨喰「そうか」

白山「はい。・・・」

骨喰「いち兄が心配していた」

白山「一期一振が・・・わたくしを?」

骨喰「兄弟が一人でいることを気にしていた」

白山「それは・・・」

骨喰「だけど、今は安心しているようだ。理由は何であれ一人でいることが、なくなったようだからな」

白山「・・・一一はい。ここはとても、温かいです」



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政府の目=記録役・・・と思われている藤代は要注意人物として監視されているようです。
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