とある本丸の日常会話 [完結]
小話その12「本丸の住人と少し不思議な話」
ー大阪城地下ー
博多「あったあった、これはすごかね~!大判小判がざっくざくば~い♪」
桑名「わぁ、本当だ。こんな所にも隠してあるなんて…薄暗い中よく見付けられるよ。君はすごいんだね」
博多「金のことなら俺、博多藤四郎にまかせんしゃい!ここの金はすべてネコババしてやるけんね」
桑名「それは頼もしいなぁ」
博多「これで本丸も黒字ばい。うっへっへ~・・・」
桑名「あはは。ちょっと怖いかも」
赤羽「博多。桑名。見つけた」
博多「あ、主人!地下50階の調査終了したんちゃけどこのまま99階まで目指すと?」
赤羽「うん。99階まで行くつもり」
博多「よっし!張り切るけん」
桑名「・・・え」
赤羽「?」
桑名「あ・・・その。僕達の体は大地の恵みで育まれた野菜達の命で繋がっているから、その土地の地質調査は大事なんだけどね」
赤羽「うん」
桑名「でもそれだけじゃなくて水と太陽、あと綺麗な空気があって生物は健全に生きられる。このどれを切らしてもいけない。だから、今僕達に必要なのは地上の…空気なんじゃないかなって僕は思うんだけど」
赤羽「・・・」
桑名「あ、主は・・・どう思うかな?」
赤羽「うん。一旦外に出よう」
博多「・・・や、回りくどか!本丸に戻りたいならそう言いんしゃい!」
ー本丸・執務室ー
小狐丸「ぬし様、お帰りなさいませ。此度も務めを果たされたとお聞きしましたが、まずはぬし様の無事の帰還をお喜び申し上げます」
赤羽「ありがとう。でも、まだ下まで行く」
小狐丸「左様でございますか」
赤羽「博多の調子がいいみたい」
小狐丸「それでは、編成の変更はない・・・?」
赤羽「ううん。博多以外は変える」
小狐丸「左様で・・・」
赤羽「小狐丸」
小狐丸「はい」
赤羽「何かあった?何が気になる?」
小狐丸「・・・!」
赤羽「言いたいことがあるなら聞く」
小狐丸「・・・は、その、確かに申し上げたいことはあるのですが・・・いやはや、こうも早く切り出されるとは思いもしませんでした・・・」
赤羽「小狐丸は用もなくこの部屋に来ない。来るときは大事な話がある時だけ。…それで、どうして編成のことが気になるの?」
小狐丸「そこまでお気付きでしたか。流石はぬし様。・・・実は、新しく来た刀剣男士のことなのですが」
赤羽「桑名江?」
小狐丸「此度の任務中に何かおかしな様子はありませんでしたか」
赤羽「おかしな・・・」
小狐丸「どのようなことでも良いのです。ぬし様の目から見て気になる言動はありましたか?」
赤羽「・・・おかしな動きはしてなかった。ただ」
小狐丸「ただ?」
赤羽「桑名は豊臣の刀に好かれていないと思って、気にしていた。それを知らずに私は大阪城へ連れ出してしまった。そのことで何か思うところはあったかもしれないね」
小狐丸「・・・そうでしたか。地下に埋まる豊臣の遺物調査はあの者にとっては地雷でもあるわけですね」
赤羽「でもそれ以上に畑のことが気掛かりだったみたい。畑へ走って行ったよ」
小狐丸「遺恨は二の次!?」
赤羽「遺恨より大根」
小狐丸「!!…ぬぬぬぬし様がダジャレを」
赤羽「桑名に恨み言はないよ。今のところ豊臣の刀からもそんな声は聞こえない。今も一緒に畑やってる」
小狐丸「・・・そう言われたら、そのようですね」
赤羽「疑念は晴れた?」
小狐丸「・・・。・・・いいえ。逆に何もなく普通に過ごされるほど疑念は増えるばかりなのです。あの者はゆるゆるとしているようで博識であり、また嘘偽りを語るような者でもない。だからこそ顕現したばかりの発言が気にかかって仕方ないのです」
赤羽「・・・」
小狐丸「ぬし様も聞いておられたでしょう。あの者はこのようなことを口にしておりました」
桑名『うーん。こんなに人数が多いと覚えるまでに苦労するだろうなぁ。蜻蛉切様は勿論、豊前と籠手切は覚えたけど・・・まあ、追々覚えていけばいいか。ところで、ようやく会えるようになったから話をしてみたい人がいるのだけど』
小狐丸「『藤代はどこにいるのかな』・・・と」
赤羽「・・・」
小狐丸「顕現したばかりのあの者に何故その名を知っているのか問いかけても『夢で会った』とはぐらかすばかり・・・藤代が戻るまでもう半月もありません。誠実そうに見えても腹に何を抱えているか分からぬものです。真意を吐かせるなら今の内かと」
赤羽「・・・ううん。まだ様子を見る」
小狐丸「ぬし様・・・」
赤羽「それに、本丸に来る前から本丸のことを知っている男士は他にもいる。特命調査の長義、肥前、南海は事前に担当の本丸のことを知らされていた。桑名も政府の審神者が用意した刀剣男士。どこかでしーちゃんの話を聞いたのかもしれない。可能性は低いけど」
小狐丸「話し声から夢想した、と?」
赤羽「私には分からない。君達は刀剣の付喪神。人間の理解の範疇を越えた現象を起こしても不思議はない。だから成り行きに任せる」
小狐丸「それで、様子を見ると仰るわけですか」
赤羽「桑名は頑張ってる。自分なりに本丸に馴染もうとしてる。今は見守るほうがいい」
小狐丸「そこは人間のように扱うのですね。・・・えぇ、まぁ、ぬし様のお考えは分かりました。では私も今しばらくはあの者を見守ることと致しましょう」
赤羽「うん。よろしくね。・・・」
一一一一一一一
「夢で会った」=小話その1です。
あの時の桑名が来たようです。
ー大阪城地下ー
博多「あったあった、これはすごかね~!大判小判がざっくざくば~い♪」
桑名「わぁ、本当だ。こんな所にも隠してあるなんて…薄暗い中よく見付けられるよ。君はすごいんだね」
博多「金のことなら俺、博多藤四郎にまかせんしゃい!ここの金はすべてネコババしてやるけんね」
桑名「それは頼もしいなぁ」
博多「これで本丸も黒字ばい。うっへっへ~・・・」
桑名「あはは。ちょっと怖いかも」
赤羽「博多。桑名。見つけた」
博多「あ、主人!地下50階の調査終了したんちゃけどこのまま99階まで目指すと?」
赤羽「うん。99階まで行くつもり」
博多「よっし!張り切るけん」
桑名「・・・え」
赤羽「?」
桑名「あ・・・その。僕達の体は大地の恵みで育まれた野菜達の命で繋がっているから、その土地の地質調査は大事なんだけどね」
赤羽「うん」
桑名「でもそれだけじゃなくて水と太陽、あと綺麗な空気があって生物は健全に生きられる。このどれを切らしてもいけない。だから、今僕達に必要なのは地上の…空気なんじゃないかなって僕は思うんだけど」
赤羽「・・・」
桑名「あ、主は・・・どう思うかな?」
赤羽「うん。一旦外に出よう」
博多「・・・や、回りくどか!本丸に戻りたいならそう言いんしゃい!」
ー本丸・執務室ー
小狐丸「ぬし様、お帰りなさいませ。此度も務めを果たされたとお聞きしましたが、まずはぬし様の無事の帰還をお喜び申し上げます」
赤羽「ありがとう。でも、まだ下まで行く」
小狐丸「左様でございますか」
赤羽「博多の調子がいいみたい」
小狐丸「それでは、編成の変更はない・・・?」
赤羽「ううん。博多以外は変える」
小狐丸「左様で・・・」
赤羽「小狐丸」
小狐丸「はい」
赤羽「何かあった?何が気になる?」
小狐丸「・・・!」
赤羽「言いたいことがあるなら聞く」
小狐丸「・・・は、その、確かに申し上げたいことはあるのですが・・・いやはや、こうも早く切り出されるとは思いもしませんでした・・・」
赤羽「小狐丸は用もなくこの部屋に来ない。来るときは大事な話がある時だけ。…それで、どうして編成のことが気になるの?」
小狐丸「そこまでお気付きでしたか。流石はぬし様。・・・実は、新しく来た刀剣男士のことなのですが」
赤羽「桑名江?」
小狐丸「此度の任務中に何かおかしな様子はありませんでしたか」
赤羽「おかしな・・・」
小狐丸「どのようなことでも良いのです。ぬし様の目から見て気になる言動はありましたか?」
赤羽「・・・おかしな動きはしてなかった。ただ」
小狐丸「ただ?」
赤羽「桑名は豊臣の刀に好かれていないと思って、気にしていた。それを知らずに私は大阪城へ連れ出してしまった。そのことで何か思うところはあったかもしれないね」
小狐丸「・・・そうでしたか。地下に埋まる豊臣の遺物調査はあの者にとっては地雷でもあるわけですね」
赤羽「でもそれ以上に畑のことが気掛かりだったみたい。畑へ走って行ったよ」
小狐丸「遺恨は二の次!?」
赤羽「遺恨より大根」
小狐丸「!!…ぬぬぬぬし様がダジャレを」
赤羽「桑名に恨み言はないよ。今のところ豊臣の刀からもそんな声は聞こえない。今も一緒に畑やってる」
小狐丸「・・・そう言われたら、そのようですね」
赤羽「疑念は晴れた?」
小狐丸「・・・。・・・いいえ。逆に何もなく普通に過ごされるほど疑念は増えるばかりなのです。あの者はゆるゆるとしているようで博識であり、また嘘偽りを語るような者でもない。だからこそ顕現したばかりの発言が気にかかって仕方ないのです」
赤羽「・・・」
小狐丸「ぬし様も聞いておられたでしょう。あの者はこのようなことを口にしておりました」
桑名『うーん。こんなに人数が多いと覚えるまでに苦労するだろうなぁ。蜻蛉切様は勿論、豊前と籠手切は覚えたけど・・・まあ、追々覚えていけばいいか。ところで、ようやく会えるようになったから話をしてみたい人がいるのだけど』
小狐丸「『藤代はどこにいるのかな』・・・と」
赤羽「・・・」
小狐丸「顕現したばかりのあの者に何故その名を知っているのか問いかけても『夢で会った』とはぐらかすばかり・・・藤代が戻るまでもう半月もありません。誠実そうに見えても腹に何を抱えているか分からぬものです。真意を吐かせるなら今の内かと」
赤羽「・・・ううん。まだ様子を見る」
小狐丸「ぬし様・・・」
赤羽「それに、本丸に来る前から本丸のことを知っている男士は他にもいる。特命調査の長義、肥前、南海は事前に担当の本丸のことを知らされていた。桑名も政府の審神者が用意した刀剣男士。どこかでしーちゃんの話を聞いたのかもしれない。可能性は低いけど」
小狐丸「話し声から夢想した、と?」
赤羽「私には分からない。君達は刀剣の付喪神。人間の理解の範疇を越えた現象を起こしても不思議はない。だから成り行きに任せる」
小狐丸「それで、様子を見ると仰るわけですか」
赤羽「桑名は頑張ってる。自分なりに本丸に馴染もうとしてる。今は見守るほうがいい」
小狐丸「そこは人間のように扱うのですね。・・・えぇ、まぁ、ぬし様のお考えは分かりました。では私も今しばらくはあの者を見守ることと致しましょう」
赤羽「うん。よろしくね。・・・」
一一一一一一一
「夢で会った」=小話その1です。
あの時の桑名が来たようです。
