とある本丸の日常会話 [完結]

小話その11「他本丸の住人が遊びに来たようです」

ー本丸・庭ー
緑里「あか姉~疲れた~甘えさせて~」

赤羽「いいよ。おいで」

緑里「わーい。あか姉の膝枕♪失礼しま~す」

薬研「お、おい!こら大将!行儀悪ぃだろ。いきなり人んちの主に不躾なことすんなって」

緑里「あか姉の許可は取ったもんね!」

薬研「もんね、じゃなくてだなぁ・・・」

赤羽「薬研藤四郎、構わないよ」

薬研「・・・はぁ。悪いな、赤の大将。手土産もなしに突然押しかけた上にうちの大将がこうで・・・頭も上がらねぇ」

赤羽「気にしないで。それに礼儀がないのは私の方。里子ちゃんにはスイカのお礼も出来てない」

緑里「あ、あか姉!あれはいいよ。お礼なんていいよ。むしろ貰ってくれてこっちが助かったんだから!」

赤羽「でも、たくさん貰った」

緑里「たくさん出来すぎちゃったんだよ~!しかも微妙に時期外して涼しくなっちゃったからうちの方でもだんだん食べる人いなくなるし。スイカ食べたいって育て始めた本人達が責任取らないから困ってたの!だからホントーに貰ってくれて助かったんだよ」

赤羽「・・・・・・」

薬研「まあ、そういうことだ。気にしないでほしい」

緑里「ちなみにスイカ食べたいって言って怪しげな薬作って大量に実らせた犯人の一人がこちらの薬研くんです」

薬研「肥料だ、肥料。人聞きが悪い」

緑里「その効果がバツグンすぎたよね」

薬研「そんなことはねぇよ。兄弟達が手塩にかけて育てたから立派なスイカが出来たんだ。あと単純に植えすぎが原因」

緑里「それな」

赤羽「・・・そういえば、うちの畑の神が出来映えに感動していたよ。多分、育て方を知りたいと思ってる。後で教えてあげてほしい」

薬研「それはいいが、畑の神?ここにはそんな神がいるのか?それとも桑名・・・はまだいねぇよな」

赤羽「?・・・桑名江は、畑の付喪神?」

緑里「あはは、ちがうんだけどねー。畑に詳しいみたいだから勝手に畑の神って呼んでるだけなの」

赤羽「そう。それは、仲良くなれるかな?」

宗近「そうだなぁ。なれるといいなぁ」

緑&薬「「いつからいたの(んだ)!!?? 」」

宗近「ついさっきだ。呼ばれた気がしてな」

薬研「いや、呼んでは・・・・・・まさか」

赤羽「これが畑の神」

緑里「え!三日月さんが?!」

宗近「俺のことは「宗近」と呼んでくれ。その辺りが厳しくてな。もう一人の俺が目くじらを立てるんだ」

緑里「もう一人?」

宗近「色々あってなぁ…ここには俺が二人いる。それ自体はそう珍しいことではないようだが、向こうはそれが気に食わないらしい。戦場に出ない俺は畑仕事を押しつけられ、その内にいつの頃からか俺は畑の神と呼ばれるようになっていたわけだな。はっはっはっ」

緑里「おおらか・・・」

薬研「ああ。それであんたのバンダナには三日月の模様がないんだな」

宗近「おお、よく気付いたな!描くことも禁じられているのだ。刀より鍬を持つ俺に刀紋は相応しくない、とな」

緑里「もう一人に?」

宗近「そうだ」

緑里「厳しいねー」

宗近「そうだな。だが、アレは俺だ。自分に厳しくなる気持ちは、分からないでもない。・・・ところで」

緑里「?」

宗近「何故そちらの審神者がこちらの審神者の膝で寛いでいるのだ?」

赤羽「・・・」

緑里「・・・テヘッ」

薬研「はっ!そうだった。こらっ!いい加減体を起こせ大将!人んちで寛ぎすぎなんだよ」

緑里「いーやーだー。わたしは今、粉骨砕身した我が身を癒しているのだ!」

薬研「粉骨砕身したのは俺っちらで、あんたは里に行ってねぇだろ!すまねぇ、赤大将。うちの大将を剥がしてやってくれ」

赤羽「青大将みたいに言わないでほしい」

薬研「ぼぉっとしてるようで妙なところにこだわりがあんのな!大将、起きろ!」

緑里「やだっ」

宗近「青大将と言えば畑にもよく出るなぁ。すぐに逃げてくれるから放っているが、毒はないんだろうか」

薬研「ああ。あれは毒はないから安心していいぞ。ネズミやモグラなんかを食ってくれるいい奴だ」

宗近「そうか。いい奴か」

薬研「ただ、臆病で大人しいほうだが怒らせれば勿論噛み付いてくる。短刀…特に秋田には注意しておいてくれ。興味本位で追いかけてしまうからな」

宗近「あい分かった」

薬研「ただしマムシには気をつけてくれ。あれには毒があるからな。畑をやる時には長靴を履いたほうがいいぜ」

宗近「なるほど。気を付けよう」

薬研「とは言え、あれはいい薬になるからな・・・皮を剥ぐか、脱け殻を・・・身もまた滋養にいい・・・見付けたら積極的に捕まえたい・・・(ブツブツ)」

宗近「分かった。薬研にも注意するとしよう」

緑里「もー!畑の話しも薬の話しも今は聞きたくなーいー。話すんならあっち行って。わたしはホントーに疲れてるの。あか姉に癒されに来たの」

赤羽「よしよし」

緑里「うふふ。撫でられちゃった」

薬研「・・・あの、気を遣ってくれんのはありがたいんだが、うちの大将を甘やかすのはちょっと、控えてほしいんだが・・・」

赤羽「でも疲れてるのはきっと本当。何かあった?」

緑里「里だよ里~。江の里~」

薬研「秘宝の里な。里の調査を強行軍で完遂してきたんだ。なんでも任務報告を一気に終わらせたいとかそんな理由で・・・おかげで俺たちはヘトヘトだ」

緑里「だって・・・ドキっちがいないからさ、記録とか報告とか自分でやらないといけないんだもん。毎日毎日続けられないよ!めんどくさいっ」

薬研「記録役がいないところはそれを毎日自分でやってんだぞ?ひと月くらい我慢してくれよ」

緑里「それにドキっちがいないと寂しいしー。あか姉もそう思うよね!しーちゃんいないと大変だし、寂しいよね!」

赤羽「・・・そうだね。でもしーちゃんや土岐ちゃん達のほうが大変。それに寂しいと思う。だから心配」

緑里「・・・」

赤羽「無事に帰ってきてくれるといいね」

緑里「・・・もぉ~!あか姉は大人だなぁ!」

薬研「大将も大人になってくれ」

緑里「薬研くん。うるさい」

宗近「そういえば、調査を完遂したと言っていたな。ということは桑名江はすでにそちらにはいるということになるのか?」

薬研「ああ、いるぜ。畑仕事が好きなようだから宗近さんとは馬が合うんじゃねぇかな。それに薬草知識も齧ってるようだから俺っちとしても興味がある御仁だ」

宗近「それは興味深い。詳しく教え」

緑里「だーかーらっ!畑と薬の話しは聞きたくないって言ったでしょー!話すんならあっち行けーっ!」


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緑里の本丸は近くにあるため頻繁に遊びに来ます。
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