弟さん殺し【SCP-073】
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
気がつくと白悪は見覚えのある天井を眺めていた。ここは、滞在中に使っているアベルの寝室だ。彼がこの部屋を使うことはほとんどないため、今は特別に使わせてもらっている。
「白悪、起きたかい?」
すぐ近くで聞き覚えのある声がし目を横に向けると、そこにはいるはずのない人物がいた。
「......カイン?」
その人は微笑みながら大きく頷いた。
ぼー、とする頭でも彼がここにいることが異常であることはわかっていた。
「どうしてカインがここに?」
「君が倒れたと聞いて急いで来ました。」
「でも、アベルが..」
あたしは先ほどの凄惨な光景を思い出し、ハッとカインの顔を見る。
彼は「心配ない」と悲しそうに笑った。
「アベルは、死んだの?」
カインは静かに頷いた。
「....あなたを襲おうとしたため、起爆装置が作動したとのことです。」
思い出すだけで吐き気がする。
あんなに粉々に砕けた人間の頭部は初めてみたかもしれない。
そして、その状態でも一瞬彼は生きていた。
生きていた。
目にした事実が恐ろしく、自分の体にその意識を重ねた瞬間白悪はその場で嘔吐した。
カインが近くにあったガーグルベイスンを口元に当ててくれたが、間に合わずアベルの布団をいくらか汚した。
「まだ寝ていましょう。あなたにはあの光景はまだ早かった。」
背中をさすりながら、カインが白悪に声をかける。
「.....たった、あたし一人のために。...アベル、ごめん。」
「君だけじゃない。ここの職員全員を守るためだ。」
「でも!」
アベルはきっと凄く痛い思いをした。
いくら蘇ると言っても、どれだけの苦痛が彼を襲ったことだろうか。
「アベルはあたしを友達だと認めてくれたのに..。...確かに最後はあたしが余計なこと言って喧嘩になっちゃったけど、アベルは...」
「白悪」
あたしの頭に冷たいカインの手が置かれた。
彼の蒼い瞳にじっとみつめられ、目を離せない。
「彼は人間の心がわからない。彼とは....彼は人間とは分かり合えない。」
どことなく口調通りの冷たさを感じとれる。
その言葉にポロポロと涙を溢れさせるあたしにカインは優しく微笑む。
「だから、ここでは自分のことだけを考え、自分の安全だけを考えて欲しい。私はもう少しで君を失いかけた。」
そう言うと彼は立ち上がり、白悪に背を向けた。
つい、カインの冷たい金属の手を掴む。
振り返った彼は困ったように笑い優しく白悪の手をもう片方の手で包んだ。
「....白悪、口の中が気持ち悪いでしょう?口を濯げるものと着替えを持ってきますから」
「.....え、あぁ、そうだよね。ははは。」
急に恥ずかしくなり白悪は自分から手を引き剥がしにかかるが、包まれた手が解放されることはなかった。
「一人が怖いですか?」
妖しく笑う彼に顔が熱くなるのがわかった。
「ち、違う!早く持ってきて!口の中気持ち悪いの!!」
アベルの枕を振り回して叫ぶと、カインは珍しく声をあげて笑い部屋を後にした。
去り際にカインはまた振り返った。
「でも、有難うございます。」
なんのことかわからなかったが、彼にそれを聞くことはできなかった。
彼はそれだけ言うととっとと部屋を出て行ってしまったし、戻ってきたカインが着替えを手伝うと言いだしたため彼を殴って白悪がまた気絶してしまったからだ。
....なぜか、気絶している間に着替えが済んでいた。あとでどうにかしてカインを罰する方法を考えないといけない。
「白悪、起きたかい?」
すぐ近くで聞き覚えのある声がし目を横に向けると、そこにはいるはずのない人物がいた。
「......カイン?」
その人は微笑みながら大きく頷いた。
ぼー、とする頭でも彼がここにいることが異常であることはわかっていた。
「どうしてカインがここに?」
「君が倒れたと聞いて急いで来ました。」
「でも、アベルが..」
あたしは先ほどの凄惨な光景を思い出し、ハッとカインの顔を見る。
彼は「心配ない」と悲しそうに笑った。
「アベルは、死んだの?」
カインは静かに頷いた。
「....あなたを襲おうとしたため、起爆装置が作動したとのことです。」
思い出すだけで吐き気がする。
あんなに粉々に砕けた人間の頭部は初めてみたかもしれない。
そして、その状態でも一瞬彼は生きていた。
生きていた。
目にした事実が恐ろしく、自分の体にその意識を重ねた瞬間白悪はその場で嘔吐した。
カインが近くにあったガーグルベイスンを口元に当ててくれたが、間に合わずアベルの布団をいくらか汚した。
「まだ寝ていましょう。あなたにはあの光景はまだ早かった。」
背中をさすりながら、カインが白悪に声をかける。
「.....たった、あたし一人のために。...アベル、ごめん。」
「君だけじゃない。ここの職員全員を守るためだ。」
「でも!」
アベルはきっと凄く痛い思いをした。
いくら蘇ると言っても、どれだけの苦痛が彼を襲ったことだろうか。
「アベルはあたしを友達だと認めてくれたのに..。...確かに最後はあたしが余計なこと言って喧嘩になっちゃったけど、アベルは...」
「白悪」
あたしの頭に冷たいカインの手が置かれた。
彼の蒼い瞳にじっとみつめられ、目を離せない。
「彼は人間の心がわからない。彼とは....彼は人間とは分かり合えない。」
どことなく口調通りの冷たさを感じとれる。
その言葉にポロポロと涙を溢れさせるあたしにカインは優しく微笑む。
「だから、ここでは自分のことだけを考え、自分の安全だけを考えて欲しい。私はもう少しで君を失いかけた。」
そう言うと彼は立ち上がり、白悪に背を向けた。
つい、カインの冷たい金属の手を掴む。
振り返った彼は困ったように笑い優しく白悪の手をもう片方の手で包んだ。
「....白悪、口の中が気持ち悪いでしょう?口を濯げるものと着替えを持ってきますから」
「.....え、あぁ、そうだよね。ははは。」
急に恥ずかしくなり白悪は自分から手を引き剥がしにかかるが、包まれた手が解放されることはなかった。
「一人が怖いですか?」
妖しく笑う彼に顔が熱くなるのがわかった。
「ち、違う!早く持ってきて!口の中気持ち悪いの!!」
アベルの枕を振り回して叫ぶと、カインは珍しく声をあげて笑い部屋を後にした。
去り際にカインはまた振り返った。
「でも、有難うございます。」
なんのことかわからなかったが、彼にそれを聞くことはできなかった。
彼はそれだけ言うととっとと部屋を出て行ってしまったし、戻ってきたカインが着替えを手伝うと言いだしたため彼を殴って白悪がまた気絶してしまったからだ。
....なぜか、気絶している間に着替えが済んでいた。あとでどうにかしてカインを罰する方法を考えないといけない。
1/1ページ