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とある道具【Dr.ブライト】

夢小説設定

この小説の夢小説設定
※鬱ネタ。ハッピーエンドではないです。異常性の内容も少し変態チックなのでなんでも許容してくれる方は博士に名前を教えてください。
名前
一人称

私は家族を恋しがっていた。
親父は家族を取り戻すために家族の形を壊した。
私はその壊されたものを自分で取り戻すためにこの場所にいた。
だが、その事さえもいつの間にか忘れて、親父よりも間抜けた道を辿った。

永遠に続く絶望の道程。

私“達”はジャック・ブライトがふざけて作った奴の精神のレプリカだ。

本物のジャックは随分前に死んだ。
しかし、私は忌々しい力で無理矢理生かされている。あのクソッタレな首飾りに。

まったく笑えない冗談であってほしいが、自分のことだ。当事者であっても腹を抱えて笑ってしまう。


話は変わるが、私はとあるサイトに来ている。
特別な許可を得て、ほぼ私のプライベートに管理をしている“家”だ。
そして、その一室で私はあるオブジェクトを飼っていた。

「もうやめて!もう嫌だ!」

私の言葉を代弁するかの様に叫ぶ若い人間。若くみえるのは人種的なものなのか、その異常性のせいかはわからない。

「逃げるんじゃ無いよ。君の仕事だ。」

そう呼び掛けてもどのくらい理解してくれているのだろうか。未だに言語的・文化的問題から意思疎通が図れていない。

---まぁ、そもそも私が日本語を使えばいいだけの話なのだが...

「ほら、おいで。」

「くるな!」

本当にいつまで経っても学習が進まない。
【削除済み】は日本支部より個人の権限を使い、呼び寄せたオブジェクトだ。

“それ”は外見的には女の生殖器を持つ普通の日本人で元の性別はわからないが、いつぞやから急に身体に変化を来たし二個ある卵巣のうちの一個が精巣という異常な生殖器(子宮)が形成されたという。そして本人にとっては苦痛を伴う定期的な単一生殖状態で妊娠出産を繰り返す不老の人型オブジェクトだ。
今はSCP-【削除済み】として収容されているが、O-5より無駄にCクラスや新人研究員を食い潰す“私”への供物にされている。オブジェクトクラスはおかげさまでにゅーとららいず
これが産む赤ん坊は、未熟児のように小柄であるにもかかわらず1ヶ月ほどで成熟し成人となる。
だが、可哀想なことにその殆どは身体の成長に追いつかず何かしらの骨格的・内臓機能的障害を持ち、数日で絶命してしまう。無事に育ったものは頑丈な身体能力を得ると同時に親に対し幼児的異常な執着を持ち、時には親自身に危害を加えることがわかっている。

薬物操作である程度の避妊・堕胎は可能であるが、現在それを“私”は許可していない。

「お願い、薬を、頂戴。」

半狂乱になりそれは私に掴みかかる。
身体能力的には平均的な女より力が強いと感じる。

「早くしないとまたできちゃう!産まれちゃうよ!」

なんとも唆る台詞を吐いてくれる。
ジャパニーズカルチャーに幾分か興味のある私からしたら、今まで読んできた【削除済み】【削除済み】【削除済み】の中のシーンに使われていそうな夢のある言葉だ。

だが、容赦なく私は【削除済み】の腕を振り払った。

「それは許せないと言っただろう。...全く物分かりの悪い。」

英語で言ったところでそれには通じない。
だが、【削除済み】は私が別のことに怒っていると感じたのだろうか。顔を俯かせてボソボソと話し出す。

「あの、傷つけてごめんなさい。もう逃げようとしないから。お願い。助けて。」

「ん?.....あー、これのことか。」

私は足元に転がる男の死体を足で突いた。

おそらくこの謝罪は、今先ほど入室した“私”を扉の陰に隠れて奇襲し殺したことだろう。日々の出産に耐えられず収容違反を試みたらしい。しかし、それを予備の“私”が抑えたというところだ。

殺したのを傷つけたで済ます辺り、これもかなり常識から外れてきてしまっているのだろう。

死体を突くだけで首を傾げる私をみてか【削除済み】は少し思案した後私に両手を広げてみせた。

「は?.....今度は何?」

「ほら、いい子だから。に...、”お母さん“に薬を頂戴。」

咄嗟に笑いを堪えることができた。
なるほど、こんな誘惑の方法が他にあるだろうか。時々この日本人は突飛な行動をとる。いくら私でも理解し難くて、正直面白い。

だが、先ほどそれが私を殺したというのにこの切り替えの速さは正直いけすかない。

「......この、子殺しめ。」

やっと自分に分かる言語で発された低音の言葉は、【削除済み】を恐怖に震わせた。

「ヒッ..」

後退るそれの髪を掴む。
痛みに耐える顔。恐れを含む瞳で私だけを一点に見つめる。
これを自分だけのものにしたいと思うのはこの身体の持ち主のせいなのだろうか。


「私は家族が欲しいんだよ、ママ。」

ギュッと手に力が篭ると同時に、【削除済み】は絶叫した。

必死に抵抗する手は【削除済み】自身が産んだ者の手によりいとも簡単に抑えられる。
ジタバタと暴れていたそれからやがて力が抜けるのが分かり、掴んでいた髪を離してはその体を支えた。

「今、回は....う、むから。痛いことしないで。」

にっこりと微笑み、頷く。

「それでいい。」

私は【削除済み】をその場に横たえ、乱れた髪を整えた。
既にその腹部は数分前より丸みを帯びていた。

あんたが産み続ける限り、あんたは私の親で、”家族“なんだ。

【削除済み】に似たその顔はその微笑みをひどく歪ませた。


ブライト博士 http://scp-jp.wikidot.com/dr-bright-s-personnel-file
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