2人の秘密
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美穂side
1年生が入って早くも1ヶ月半が過ぎて私の予想通りあすにも大量のファンがついた。
「あすー、周りどうにかしてよ」
部活やるにも大勢の人に見られていて全く集中できない。
「そんな事言われても…笑」
いいから行けとファンの方に押しだしたら安定のたらしぶりを発動させてた。
「あのさ、こんなに沢山見られると気が散っちゃうな笑みんなの為に頑張るから試合の時まで秘密!本番でびっくりさせるから、ね?」
「「はい!!!」」
誰一人傷つけることなく、いや、全員をメロメロにして帰らせた。
「あすやる~笑」
「ちょっと!鈴花先輩はいつもいつm「はいはい笑ほんとに可愛いなぁ笑」
頭ぐしゃぐしゃにされて口では嫌がってるけど顔は嬉しそう。
「犬みたいやなぁ笑」
「犬か笑菜緒が飼い主になったらきっと従順なペットになると思うよ」
冗談で言ったつもりなのに何故か本気で反論してきて菜緒の心の内がだだ漏れ。
「あすのこと最近気になってるでしょ~笑」
「な、///気になっとらんよ」
「…そっか笑」
これ以上深掘りするともっと怒られる気がするから黙っとこう。
んー、これは部内での三角関係が発覚しそうだが、
まぁ、その時はそのとき。
「…最後に、再来週から始まるインハイ予選のメンバーを発表する。」
1年生から名前を呼ばれたのは日向中の5人。まぁ、ベンチメンバーとしてだけど。
それでも、1年生から5人も呼ばれるなんて例年よりもはるかに多い。私たちの代なんて1人も入らなかったから笑
「あす、今日3人で夜ご飯食べて帰らない?」
「えっ!いいですか??」
嬉しそうにお母さんに電話をかけてる姿は小さい子供みたい笑
「OKです!お姉ちゃん達から変なことされないようにねって伝言付きで笑」
私どれだけあの二人から信用ないのさ。
「うわぁ、先輩とご飯食べに行ったの美穂先輩と菜緒先輩が初めてです!」
「それは嬉しい笑」
「なぁ、なんで菜緒も呼んだん?」
「だって菜緒2人で行ったら怒るかなぁって笑」
「は?なんでそうなるんよ」
私たちの言い合いの意味に全く気づいてないみたいで仲良しですねなんて笑っている。
「もう、あす、美穂が奢ってくれるらしいで好きなの頼んでええよ笑」
「やった~!」
何勝手に言ってるの!
菜緒の方を見ればいたずらっ子みたいな顔をしている。やられた、
「あすどう?メンバー入って」
「良かったです笑自分で言うのもあれなんですけどいつもこんなに1年生いないですよね?」
「うん笑でも優勝メンバー5人いたらそりゃあ入るよ笑」
「がんばりますね!この高校入るって確信したの去年のインターハイの決勝なんです」
インハイ決勝で欅坂学園に負けた私たちは準優勝という結果になった。
「去年の3年生に憧れてたので」
確かに去年の先輩方は黄金世代みたいなものだった。居なくなった穴を埋めるかのように入ってきたあす達。
目の前で美味しそうにハンバーグを食べているあすはインハイ絶対優勝するなんて意気込んでます笑
「久しぶりに去年の先輩方に会いたいです」
「全国大会に出たらきっと来て下さるよ笑」
あすから憧れられてる先輩と一緒にバスケをしていたって思うとほんとに凄い事だったんだとしみじみ思った。
あすside
「ごちそうさまでした!」
ほんとに美穂先輩が奢ってくれた。
帰る時にいつも3人で話すのが本当に楽しくて、でも菜緒先輩と美穂先輩の仲がちょっぴり羨ましく思ったりもする。
あれから2人と別れて近くの公園に寄った。
「七瀬さんに会いたいな、…」
私がもう1つこの高校に入る理由になったきっかけの人。
代わりに果たさないといけないんだ。
日向中の5人しか知らない加藤の秘密。
プルルル
「…もしもし?」
「あす、まだ帰らないの?」
「ごめん、ちょっと1人になりたくて公園寄ってた。今から帰るね」
お母さんから心配の電話が来て時計を確認したら結構時間が経っていた。
立ち上がって帰ろうとしたら見慣れた服を着た人が。思わず声を掛けそうになったけど息を飲んだ。
「鈴、好きだよ」
「私も陽菜のこと好き」
チュッ
えっ、2人付き合ってるの?鈴花先輩と陽菜ちゃんが一緒にいるのをあんまり見なくてびっくりした。
陽菜ちゃんこそお母さんが心配するはずだけど、
2人にバレないように急いで家に帰った。
「おかえり」
「ただいま、陽菜ちゃんは?」
「コンビニでなんか買ってくるって言ってさっき出ていったよ?」
「そっかぁ、」
そんな口実作って鈴花先輩にあってキスしてたなんてこれは付き合ってるのが確定しているようなもん。
「あす考え事してたの?顔色あんまり良くないよ」
「大丈夫、お風呂行ってくるね」
部活終わった後のお風呂はいつも気持ちがいいのに今日は心のモヤモヤが溜まっていて汚れを流せてない感じ。
ドライヤーをしていたら陽菜ちゃんが後ろから抱きついてきた。
「私の事探してた?」
「ううん。靴なかったからどっか行ったのかなって思って」
「そっか笑あすの分のアイスもあるから冷凍庫に入れとくね」
「ありがとう」
さっきの出来事が頭から離れなすぎて素っ気ない態度をとってしまった。
髪を乾かし終わってリビングに行くとお姉ちゃんとお母さんの4人でアイスを頬張っている。
「あっ、あすもアイス食べなよ!」
「ごめん、疲れてるから寝るね」
史帆side
「あす、帰ってきた時からあんなテンションだったのよねぇ」
体調が悪いわけではないらしいけど何か悩んでることでもあるのかなぁ。
「後で3人で部屋行ってみようか?」
「そうだね」
その前に美穂に確認。変なことしてないか。
「美穂、あすに変なことしてないよね?」
「なんですかいきなり!そんなことしませんよ。あすとはインハイのこと話してただけです笑」
インハイメンバーの発表があってあすも選ばれたらしい。それが不安なのかなぁ。
コンコンコン
ドアをノックしても返事がなくて開けたら誰かと電話をしていた。
「何言ってんのもう笑うん、明日8:00ね。おやすみ~」
待ち合わせっぽかったしひなのかなぁ。
「あす、」
「…どうしたの?」
「いや、お母さんが元気なかったから心配してたよ?なんか悩んでることあるなら聞こうか」
「大丈夫だよ。ありがとう」
こんな素っ気ない対応されたの初めてなんだけど。反抗期だなんて言われたらほんとにショックだからね。
「でも、「史帆、とりあえず部屋でよう」」
彩に手を引かれて3人で陽菜の部屋へ。
「とりあえず明日の朝様子見てみよう」
「そうだね」
なんか今日は1人で寝る気分じゃなくて陽菜のベッドに潜り込んだ。
「史帆お姉ちゃんどうしたの笑」
「一緒に寝ようよ~」
抱きついたらぴとってくっついてくれて本当に可愛い妹だよ笑
陽菜side
次の日のあすもなんだか様子が変で会話も少ない。
鈴に聞いてみようかな、部活で何かあったかもしれないし。
「ねぇ、最近あすって何もないよね?」
「うん。部活も絶好調だよ笑」
部活関係じゃないならやっぱり反抗期かなぁ。
そんなことを思いながら帰宅したら珍しくお姉ちゃんが2人いた。
「今日は部活ないの?」
「あっおかえり。今日は全部活ないよ!会議あるんだってさ」
帰ってきたら話でも聞こう。
「ただいま」
リビングで携帯をいじっていると小さな声が聞こえてた。
「あす!」
抱きしめてそのまま連行。お姉ちゃん達にバレないように陽菜の部屋に入った。
あすside
1番話したくなかった陽菜ちゃんに捕まってしまいどうしようなく逃げだしたい。
「あす、陽菜何かしたかな?」
「…してないよ、陽菜ちゃんはいつも通りだった」
別に怒っているわけではないのだ。
ただちょっと寂しくなったというか、ショックだった。
「何か隠してるよ、あすは。何となく分かる」
なんでこういう時だけ鋭いかなぁ。
いつも鈍感な癖に。
「言っても怒らない?」
「ん?怒らないよ」
「…昨日帰る時さ、たまたま公園よったの」
「あっ、もしかして見ちゃった?」
「うん、…お姉ちゃん達3人とも彼女いるんだなって思ったら悲しくなっちゃた…」
自分でもどんな発言をしてるか分かってるけど、こればっかりは本当にしょうがない。
「えへへ、可愛いなぁあすは。あすのこと大好きだからね」
「うん、お姉ちゃん達に秘密にするよ」
お姉ちゃん達が知ったら予想はつくけど面倒くさそうだし、3人で盛り上がるの見たくないし。
「あす、ありがとう」
陽菜ちゃんのその優しい顔に胸が打たれて涙が出てきた。
「うん」
行き場がなくなって泣きながら陽菜ちゃんの部屋を後にした。
彩side
「陽菜とあす喧嘩でもしたのかな?」
「そうなの?!」
ほんとにあなたも鈍感だよね、どう見ても陽菜の時だけぎこちなかったじゃん。
史帆に呆れながらも携帯をさわっていたらあすの泣き声が聞こえてきてだんだん近づいてくる。
「おねぇぢゃん、グスッ」
顔をぐちゃぐちゃにして泣き腫らしたあすが私たちの間に座った。
「どうしたの?陽菜と喧嘩した?」
「してない、陽菜ちゃんは何も悪くないよグスッ」
じゃあなんで泣いてるのよ、
こんなに泣いてるの久しぶりに見たんだけど。
困り果ててた私たちのところに救世主が登場した。
「あすごめんね?」
「陽菜どういうこと?」
「えっと、それは」
目を泳がせて明らかに内容を吐きたくなさそうにしている。
「陽菜ちゃんと加藤の秘密だから聞いちゃダメ、」
泣きながらそう言われたら私たちもこれ以上詮索することはできなくて陽菜にはお願いって託された。
「グスッ、寂しいよ」
ごめんとか寂しいとか秘密って意味がわからない単語ばっかりで話の筋が見えない。
「あす、泣いていいよ」
史帆の上に移動したあすは大粒の涙を滝のように流していたけどいつの間にか泣き疲れて寝てしまった。
「大丈夫かな?、」
「色々重なったのかもしれないね」
まぁ、あすが泣いてまで秘密にしたいことがあるのだからここは我慢しよう。
起きたら一緒にコンビニでアイスでも買いに行こうかな。
1年生が入って早くも1ヶ月半が過ぎて私の予想通りあすにも大量のファンがついた。
「あすー、周りどうにかしてよ」
部活やるにも大勢の人に見られていて全く集中できない。
「そんな事言われても…笑」
いいから行けとファンの方に押しだしたら安定のたらしぶりを発動させてた。
「あのさ、こんなに沢山見られると気が散っちゃうな笑みんなの為に頑張るから試合の時まで秘密!本番でびっくりさせるから、ね?」
「「はい!!!」」
誰一人傷つけることなく、いや、全員をメロメロにして帰らせた。
「あすやる~笑」
「ちょっと!鈴花先輩はいつもいつm「はいはい笑ほんとに可愛いなぁ笑」
頭ぐしゃぐしゃにされて口では嫌がってるけど顔は嬉しそう。
「犬みたいやなぁ笑」
「犬か笑菜緒が飼い主になったらきっと従順なペットになると思うよ」
冗談で言ったつもりなのに何故か本気で反論してきて菜緒の心の内がだだ漏れ。
「あすのこと最近気になってるでしょ~笑」
「な、///気になっとらんよ」
「…そっか笑」
これ以上深掘りするともっと怒られる気がするから黙っとこう。
んー、これは部内での三角関係が発覚しそうだが、
まぁ、その時はそのとき。
「…最後に、再来週から始まるインハイ予選のメンバーを発表する。」
1年生から名前を呼ばれたのは日向中の5人。まぁ、ベンチメンバーとしてだけど。
それでも、1年生から5人も呼ばれるなんて例年よりもはるかに多い。私たちの代なんて1人も入らなかったから笑
「あす、今日3人で夜ご飯食べて帰らない?」
「えっ!いいですか??」
嬉しそうにお母さんに電話をかけてる姿は小さい子供みたい笑
「OKです!お姉ちゃん達から変なことされないようにねって伝言付きで笑」
私どれだけあの二人から信用ないのさ。
「うわぁ、先輩とご飯食べに行ったの美穂先輩と菜緒先輩が初めてです!」
「それは嬉しい笑」
「なぁ、なんで菜緒も呼んだん?」
「だって菜緒2人で行ったら怒るかなぁって笑」
「は?なんでそうなるんよ」
私たちの言い合いの意味に全く気づいてないみたいで仲良しですねなんて笑っている。
「もう、あす、美穂が奢ってくれるらしいで好きなの頼んでええよ笑」
「やった~!」
何勝手に言ってるの!
菜緒の方を見ればいたずらっ子みたいな顔をしている。やられた、
「あすどう?メンバー入って」
「良かったです笑自分で言うのもあれなんですけどいつもこんなに1年生いないですよね?」
「うん笑でも優勝メンバー5人いたらそりゃあ入るよ笑」
「がんばりますね!この高校入るって確信したの去年のインターハイの決勝なんです」
インハイ決勝で欅坂学園に負けた私たちは準優勝という結果になった。
「去年の3年生に憧れてたので」
確かに去年の先輩方は黄金世代みたいなものだった。居なくなった穴を埋めるかのように入ってきたあす達。
目の前で美味しそうにハンバーグを食べているあすはインハイ絶対優勝するなんて意気込んでます笑
「久しぶりに去年の先輩方に会いたいです」
「全国大会に出たらきっと来て下さるよ笑」
あすから憧れられてる先輩と一緒にバスケをしていたって思うとほんとに凄い事だったんだとしみじみ思った。
あすside
「ごちそうさまでした!」
ほんとに美穂先輩が奢ってくれた。
帰る時にいつも3人で話すのが本当に楽しくて、でも菜緒先輩と美穂先輩の仲がちょっぴり羨ましく思ったりもする。
あれから2人と別れて近くの公園に寄った。
「七瀬さんに会いたいな、…」
私がもう1つこの高校に入る理由になったきっかけの人。
代わりに果たさないといけないんだ。
日向中の5人しか知らない加藤の秘密。
プルルル
「…もしもし?」
「あす、まだ帰らないの?」
「ごめん、ちょっと1人になりたくて公園寄ってた。今から帰るね」
お母さんから心配の電話が来て時計を確認したら結構時間が経っていた。
立ち上がって帰ろうとしたら見慣れた服を着た人が。思わず声を掛けそうになったけど息を飲んだ。
「鈴、好きだよ」
「私も陽菜のこと好き」
チュッ
えっ、2人付き合ってるの?鈴花先輩と陽菜ちゃんが一緒にいるのをあんまり見なくてびっくりした。
陽菜ちゃんこそお母さんが心配するはずだけど、
2人にバレないように急いで家に帰った。
「おかえり」
「ただいま、陽菜ちゃんは?」
「コンビニでなんか買ってくるって言ってさっき出ていったよ?」
「そっかぁ、」
そんな口実作って鈴花先輩にあってキスしてたなんてこれは付き合ってるのが確定しているようなもん。
「あす考え事してたの?顔色あんまり良くないよ」
「大丈夫、お風呂行ってくるね」
部活終わった後のお風呂はいつも気持ちがいいのに今日は心のモヤモヤが溜まっていて汚れを流せてない感じ。
ドライヤーをしていたら陽菜ちゃんが後ろから抱きついてきた。
「私の事探してた?」
「ううん。靴なかったからどっか行ったのかなって思って」
「そっか笑あすの分のアイスもあるから冷凍庫に入れとくね」
「ありがとう」
さっきの出来事が頭から離れなすぎて素っ気ない態度をとってしまった。
髪を乾かし終わってリビングに行くとお姉ちゃんとお母さんの4人でアイスを頬張っている。
「あっ、あすもアイス食べなよ!」
「ごめん、疲れてるから寝るね」
史帆side
「あす、帰ってきた時からあんなテンションだったのよねぇ」
体調が悪いわけではないらしいけど何か悩んでることでもあるのかなぁ。
「後で3人で部屋行ってみようか?」
「そうだね」
その前に美穂に確認。変なことしてないか。
「美穂、あすに変なことしてないよね?」
「なんですかいきなり!そんなことしませんよ。あすとはインハイのこと話してただけです笑」
インハイメンバーの発表があってあすも選ばれたらしい。それが不安なのかなぁ。
コンコンコン
ドアをノックしても返事がなくて開けたら誰かと電話をしていた。
「何言ってんのもう笑うん、明日8:00ね。おやすみ~」
待ち合わせっぽかったしひなのかなぁ。
「あす、」
「…どうしたの?」
「いや、お母さんが元気なかったから心配してたよ?なんか悩んでることあるなら聞こうか」
「大丈夫だよ。ありがとう」
こんな素っ気ない対応されたの初めてなんだけど。反抗期だなんて言われたらほんとにショックだからね。
「でも、「史帆、とりあえず部屋でよう」」
彩に手を引かれて3人で陽菜の部屋へ。
「とりあえず明日の朝様子見てみよう」
「そうだね」
なんか今日は1人で寝る気分じゃなくて陽菜のベッドに潜り込んだ。
「史帆お姉ちゃんどうしたの笑」
「一緒に寝ようよ~」
抱きついたらぴとってくっついてくれて本当に可愛い妹だよ笑
陽菜side
次の日のあすもなんだか様子が変で会話も少ない。
鈴に聞いてみようかな、部活で何かあったかもしれないし。
「ねぇ、最近あすって何もないよね?」
「うん。部活も絶好調だよ笑」
部活関係じゃないならやっぱり反抗期かなぁ。
そんなことを思いながら帰宅したら珍しくお姉ちゃんが2人いた。
「今日は部活ないの?」
「あっおかえり。今日は全部活ないよ!会議あるんだってさ」
帰ってきたら話でも聞こう。
「ただいま」
リビングで携帯をいじっていると小さな声が聞こえてた。
「あす!」
抱きしめてそのまま連行。お姉ちゃん達にバレないように陽菜の部屋に入った。
あすside
1番話したくなかった陽菜ちゃんに捕まってしまいどうしようなく逃げだしたい。
「あす、陽菜何かしたかな?」
「…してないよ、陽菜ちゃんはいつも通りだった」
別に怒っているわけではないのだ。
ただちょっと寂しくなったというか、ショックだった。
「何か隠してるよ、あすは。何となく分かる」
なんでこういう時だけ鋭いかなぁ。
いつも鈍感な癖に。
「言っても怒らない?」
「ん?怒らないよ」
「…昨日帰る時さ、たまたま公園よったの」
「あっ、もしかして見ちゃった?」
「うん、…お姉ちゃん達3人とも彼女いるんだなって思ったら悲しくなっちゃた…」
自分でもどんな発言をしてるか分かってるけど、こればっかりは本当にしょうがない。
「えへへ、可愛いなぁあすは。あすのこと大好きだからね」
「うん、お姉ちゃん達に秘密にするよ」
お姉ちゃん達が知ったら予想はつくけど面倒くさそうだし、3人で盛り上がるの見たくないし。
「あす、ありがとう」
陽菜ちゃんのその優しい顔に胸が打たれて涙が出てきた。
「うん」
行き場がなくなって泣きながら陽菜ちゃんの部屋を後にした。
彩side
「陽菜とあす喧嘩でもしたのかな?」
「そうなの?!」
ほんとにあなたも鈍感だよね、どう見ても陽菜の時だけぎこちなかったじゃん。
史帆に呆れながらも携帯をさわっていたらあすの泣き声が聞こえてきてだんだん近づいてくる。
「おねぇぢゃん、グスッ」
顔をぐちゃぐちゃにして泣き腫らしたあすが私たちの間に座った。
「どうしたの?陽菜と喧嘩した?」
「してない、陽菜ちゃんは何も悪くないよグスッ」
じゃあなんで泣いてるのよ、
こんなに泣いてるの久しぶりに見たんだけど。
困り果ててた私たちのところに救世主が登場した。
「あすごめんね?」
「陽菜どういうこと?」
「えっと、それは」
目を泳がせて明らかに内容を吐きたくなさそうにしている。
「陽菜ちゃんと加藤の秘密だから聞いちゃダメ、」
泣きながらそう言われたら私たちもこれ以上詮索することはできなくて陽菜にはお願いって託された。
「グスッ、寂しいよ」
ごめんとか寂しいとか秘密って意味がわからない単語ばっかりで話の筋が見えない。
「あす、泣いていいよ」
史帆の上に移動したあすは大粒の涙を滝のように流していたけどいつの間にか泣き疲れて寝てしまった。
「大丈夫かな?、」
「色々重なったのかもしれないね」
まぁ、あすが泣いてまで秘密にしたいことがあるのだからここは我慢しよう。
起きたら一緒にコンビニでアイスでも買いに行こうかな。