全てを知ったところで2
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ひなのside
4人でバスケをしようと公園に行ったとき、あんなに暗いオーラに包まれている子を初めて見た。その子はブランコの座ってただ泣いていた。
「…泣いてるの?」
顔を上げた子はこの世の終わりとでも言いたげな顔で、手を差し伸べないと消えてしまうんじゃないとさえ思えた。
その子の手を握って立ち上がらせた。
「辛いことは全部吐き出すといいんだって!」
4人でぎゅうぎゅうにくっついてその子が泣き止むまでそのままだった。
「もう、大丈夫だよ、ありがと」
「よかった笑ねぇ、なんで泣いていたの?」
2ヶ月前に親友が目の前で自殺して助けることができなかった罪悪感と怒りのやり場が分からない、
「その子は夢叶えてねって言ったのに諦めちゃダメなんじゃない?」
「え、」
「だから、その子の分まで夢を叶えないと!私たちであなたの夢のお手伝いするよ!名前は?」
「… あす」
「あすちゃん!私たちとバスケで頂点取ろう?」
あすside
この差し出された手を握ってもいいの?あの人みたいだったら、どうする?
"あす、大丈夫だよ。見守ってるからね”
天ちゃんの声が聞こえてきて背中を押された気がした。
「うん、ありがと天ちゃん」
5年生になると同時に未来虹ちゃん達の学校に転校してその小学校のバスケチームに入った。洗脳も無くなって楽しむバスケ、前天ちゃんとやっていたバスケが返ってきたのが嬉しくて打ち込んだ。
6年生になってすぐ、5人で日向中に声をかけられて進学を決めた。
1年生になったばかりの大会で、友梨奈さんと再開を果たした。
「友梨奈さん!」
「あすよかった、バスケ続けていたんだね」
「はい、友梨奈さんはもう大丈夫ですか?」
「うん、何とかね笑」
準決勝、友梨奈さん達の中学校に負けて3位の結果に終わった。
「あす、来年こそ優勝しようね!」
そう5人で約束してからより一層練習に力を入れてる時に七瀬と出会って、その次の年の大会で優勝した。
「天ちゃん、優勝したよグスッ」
加藤、まだ頑張るよ、
「ひなの、皆、ありがとう」
「当たり前!あの日の約束はもういつの間にか私たちの目標みたいなものだったもん!」
天ちゃん、あの時背中を押してくれてありがとう。
彩side
あすが飛び出していってその後を追いかけると誰かが倒れていて、あすの泣き声が聞こえていた。
すぐに来た救急車にあすと倒れていた子のお母さんらしき人が乗り込んで病院へ行ってしまった。
すぐ車で病院に行くと痛々しく泣きじゃくるあすとそれを泣きながら宥めている女の人。
あすを引き取った車は泣き声でいっぱいだった。
死んでしまった子はあすの親友だったらしく、原因はあの監督だと。あすはバスケを辞めるとお葬式が終わったあとにお母さんに言った。学校にも行かなくなって陽菜の時みたいにずっと泣いてばっかり。
あすの姿を見なくなって3ヶ月、ドアをノックした。
コンコンコン
「あす入るよ」
ドアを開けると布団の中で縮こまりながら携帯を弄っている。
「…彩お姉ちゃん」
悲しそうで見つめてきてこっちも悲しくなるじゃん。
「そっち行っていい?」
「…うん」
ベッドに腰を下ろしてあすの顔を久しぶりにまじまじと見た。
「ご飯、ちゃんと食べてる?」
「喉に通らない、」
見るからにやせ細っていて死んじゃいそう。
「… あすごめん、ずっと苦しかったよね」
「彩お姉ちゃんは、怒らないの?」
「怒らないよ、気づけなかった私達が悪かった。陽菜のことも天ちゃんのことも1人で辛かったね」
「グスッ、加藤は生きていていいの?天ちゃんを助けられなかった、目の前で飛び降りたの、」
「天ちゃんの分まであすが生きようよ。天ちゃんだってそれを望んでいると思う」
「うん、あのね昨日あすの話を聞いてくれた子達がいてね、約束を果たそうって言ってくれた。だから、またバスケ続けようと思う、いいかな?」
あすの目に微かな光を感じる。今度あったらその子たちにお礼言わないとな。
「うん!バスケ楽しそうにやってたあすが好きだよ」
陽菜に顔を見せたいと陽菜の部屋に2人で向かった。
「陽菜ちゃん、」
「あす!辛かったね、1人で頑張りました笑」
「陽菜ちゃん、グスッ」
そういえば、あすって陽菜ちゃんなんて呼んでたっけ?
「ふふ、それはあすと陽菜の秘密だもんね?」
「うん!」
私も彩ちゃんって呼んでって言われたら丁重にお断りさせられました。
「あすどうしたの?史帆のとこいくんでしょ?」
「…史帆お姉ちゃん怒ってるもん、」
陽菜の事件以来あすは史帆がトラウマだってお母さんが言ってたっけ。
「大丈夫だよ。史帆は怒ってない、怖いことあったら私のとこ来ていいからね?」
「うん、行ってくるね」
史帆side
トントントン
「はーい」
返事をすると答えもなくドアが開いた。
「…」
「あす?」
こっちに歩いてきてそのまま懐に抱きつかれてびっくり。
「史帆お姉ちゃんグスッ、ごめんなさい」
「史帆もあの時叩いてごめんね?」
「あれは、あすが悪いから。史帆お姉ちゃんもう怒ってない…?」
「怒ってないよ笑久しぶりに顔見れてよかった笑」
あすと仲直りして部屋から出ていくのと入れ違いで彩が入ってきた。
あすのことを色々聞いて、少し安心した。
「良かったね、元に戻ってくれて」
悪夢のような時間がやっと終わったと思うと涙が溢れてくる。
「何泣いてんの笑」
「だって、長かったなって」
彩も泣いていて元通りの日常に幸せを感じた日だった。
陽菜side
ガンッ、
お姉ちゃんたちの話で頭に衝撃が走って全部を思い出した。
「グスッ、」
話が終わった頃には全員泣いていて試合に勝った人達の雰囲気じゃない。
「加藤は、親友が目の前でいなくなって、家族も恋人も失いかけた。だからもうこれ以上嫌な思いはしたくない。友梨奈さんを助けないと、グスッ」
「あす、全部思い出したよ。落ちる寸前、あすの顔は涙でぐしゃぐしゃで気づけなくてごめんって思った。あすのこと嫌いになったりしないよ、ずっと大好きな妹」
「お姉ちゃん、ありがとう」
久しぶりにあすからお姉ちゃんって言われたけど今は陽菜ちゃんの方がしっくりくるな笑
それよりも恋人ってどういうことかな笑
「ねぇ、あす?恋人なんて聞いてないよ?」
彩お姉ちゃんと史帆お姉ちゃんがなんか怖い笑
「史帆と彩花はやっぱ妹のことになるとめんどくさいな笑」
飛鳥先輩が笑ってるけどあすは震えてるよ笑
「七瀬と付き合ってる、言わなくてごめん」
「はぁ、まぁいいよ笑去年の夏は七瀬先輩のことだったんだね?」
「うん、」
「家帰ったら覚えときなよ?笑」
「え、笑」
お姉ちゃん達のシスコンぶりに先輩方も後輩も呆れてます。
「それよりも!あすどうするの?あの監督に変なこと言って」
ひなのちゃん言葉で元の針路に戻る。
「あすなんて言ったん?」
「欅坂学園が優勝すれば加藤は欅坂学園に編入してあいつの兵隊に成り下がる。日向高が優勝すれば監督をやめてバスケ界に手を出さないこと」
「それはお姉ちゃんとして賛成できない」
「ななも史帆ちゃんの意見に1票や」
「でも、そうするしかない。これ以上失う訳にはいかないの。それにひなの達との約束と七瀬の代わりに果たすと決めたことの通過点にしか過ぎないじゃん」
「そうやけど、もし負けたらどうなるか分かってるん?」
「七瀬、あすを信じて?本気だしてもコントロールするから」
「っ、わかった…」
医務室から全員で出ると欅坂学園の試合が終わったらしい。
「加藤くん、3日後にな」
「友梨奈さん、決勝でちゃんと"本気"だしますよ」
「ふふ、楽しみにしてる」
あす自身を差し出した壮大な賭けが3日後に始まろうとしていた。
4人でバスケをしようと公園に行ったとき、あんなに暗いオーラに包まれている子を初めて見た。その子はブランコの座ってただ泣いていた。
「…泣いてるの?」
顔を上げた子はこの世の終わりとでも言いたげな顔で、手を差し伸べないと消えてしまうんじゃないとさえ思えた。
その子の手を握って立ち上がらせた。
「辛いことは全部吐き出すといいんだって!」
4人でぎゅうぎゅうにくっついてその子が泣き止むまでそのままだった。
「もう、大丈夫だよ、ありがと」
「よかった笑ねぇ、なんで泣いていたの?」
2ヶ月前に親友が目の前で自殺して助けることができなかった罪悪感と怒りのやり場が分からない、
「その子は夢叶えてねって言ったのに諦めちゃダメなんじゃない?」
「え、」
「だから、その子の分まで夢を叶えないと!私たちであなたの夢のお手伝いするよ!名前は?」
「… あす」
「あすちゃん!私たちとバスケで頂点取ろう?」
あすside
この差し出された手を握ってもいいの?あの人みたいだったら、どうする?
"あす、大丈夫だよ。見守ってるからね”
天ちゃんの声が聞こえてきて背中を押された気がした。
「うん、ありがと天ちゃん」
5年生になると同時に未来虹ちゃん達の学校に転校してその小学校のバスケチームに入った。洗脳も無くなって楽しむバスケ、前天ちゃんとやっていたバスケが返ってきたのが嬉しくて打ち込んだ。
6年生になってすぐ、5人で日向中に声をかけられて進学を決めた。
1年生になったばかりの大会で、友梨奈さんと再開を果たした。
「友梨奈さん!」
「あすよかった、バスケ続けていたんだね」
「はい、友梨奈さんはもう大丈夫ですか?」
「うん、何とかね笑」
準決勝、友梨奈さん達の中学校に負けて3位の結果に終わった。
「あす、来年こそ優勝しようね!」
そう5人で約束してからより一層練習に力を入れてる時に七瀬と出会って、その次の年の大会で優勝した。
「天ちゃん、優勝したよグスッ」
加藤、まだ頑張るよ、
「ひなの、皆、ありがとう」
「当たり前!あの日の約束はもういつの間にか私たちの目標みたいなものだったもん!」
天ちゃん、あの時背中を押してくれてありがとう。
彩side
あすが飛び出していってその後を追いかけると誰かが倒れていて、あすの泣き声が聞こえていた。
すぐに来た救急車にあすと倒れていた子のお母さんらしき人が乗り込んで病院へ行ってしまった。
すぐ車で病院に行くと痛々しく泣きじゃくるあすとそれを泣きながら宥めている女の人。
あすを引き取った車は泣き声でいっぱいだった。
死んでしまった子はあすの親友だったらしく、原因はあの監督だと。あすはバスケを辞めるとお葬式が終わったあとにお母さんに言った。学校にも行かなくなって陽菜の時みたいにずっと泣いてばっかり。
あすの姿を見なくなって3ヶ月、ドアをノックした。
コンコンコン
「あす入るよ」
ドアを開けると布団の中で縮こまりながら携帯を弄っている。
「…彩お姉ちゃん」
悲しそうで見つめてきてこっちも悲しくなるじゃん。
「そっち行っていい?」
「…うん」
ベッドに腰を下ろしてあすの顔を久しぶりにまじまじと見た。
「ご飯、ちゃんと食べてる?」
「喉に通らない、」
見るからにやせ細っていて死んじゃいそう。
「… あすごめん、ずっと苦しかったよね」
「彩お姉ちゃんは、怒らないの?」
「怒らないよ、気づけなかった私達が悪かった。陽菜のことも天ちゃんのことも1人で辛かったね」
「グスッ、加藤は生きていていいの?天ちゃんを助けられなかった、目の前で飛び降りたの、」
「天ちゃんの分まであすが生きようよ。天ちゃんだってそれを望んでいると思う」
「うん、あのね昨日あすの話を聞いてくれた子達がいてね、約束を果たそうって言ってくれた。だから、またバスケ続けようと思う、いいかな?」
あすの目に微かな光を感じる。今度あったらその子たちにお礼言わないとな。
「うん!バスケ楽しそうにやってたあすが好きだよ」
陽菜に顔を見せたいと陽菜の部屋に2人で向かった。
「陽菜ちゃん、」
「あす!辛かったね、1人で頑張りました笑」
「陽菜ちゃん、グスッ」
そういえば、あすって陽菜ちゃんなんて呼んでたっけ?
「ふふ、それはあすと陽菜の秘密だもんね?」
「うん!」
私も彩ちゃんって呼んでって言われたら丁重にお断りさせられました。
「あすどうしたの?史帆のとこいくんでしょ?」
「…史帆お姉ちゃん怒ってるもん、」
陽菜の事件以来あすは史帆がトラウマだってお母さんが言ってたっけ。
「大丈夫だよ。史帆は怒ってない、怖いことあったら私のとこ来ていいからね?」
「うん、行ってくるね」
史帆side
トントントン
「はーい」
返事をすると答えもなくドアが開いた。
「…」
「あす?」
こっちに歩いてきてそのまま懐に抱きつかれてびっくり。
「史帆お姉ちゃんグスッ、ごめんなさい」
「史帆もあの時叩いてごめんね?」
「あれは、あすが悪いから。史帆お姉ちゃんもう怒ってない…?」
「怒ってないよ笑久しぶりに顔見れてよかった笑」
あすと仲直りして部屋から出ていくのと入れ違いで彩が入ってきた。
あすのことを色々聞いて、少し安心した。
「良かったね、元に戻ってくれて」
悪夢のような時間がやっと終わったと思うと涙が溢れてくる。
「何泣いてんの笑」
「だって、長かったなって」
彩も泣いていて元通りの日常に幸せを感じた日だった。
陽菜side
ガンッ、
お姉ちゃんたちの話で頭に衝撃が走って全部を思い出した。
「グスッ、」
話が終わった頃には全員泣いていて試合に勝った人達の雰囲気じゃない。
「加藤は、親友が目の前でいなくなって、家族も恋人も失いかけた。だからもうこれ以上嫌な思いはしたくない。友梨奈さんを助けないと、グスッ」
「あす、全部思い出したよ。落ちる寸前、あすの顔は涙でぐしゃぐしゃで気づけなくてごめんって思った。あすのこと嫌いになったりしないよ、ずっと大好きな妹」
「お姉ちゃん、ありがとう」
久しぶりにあすからお姉ちゃんって言われたけど今は陽菜ちゃんの方がしっくりくるな笑
それよりも恋人ってどういうことかな笑
「ねぇ、あす?恋人なんて聞いてないよ?」
彩お姉ちゃんと史帆お姉ちゃんがなんか怖い笑
「史帆と彩花はやっぱ妹のことになるとめんどくさいな笑」
飛鳥先輩が笑ってるけどあすは震えてるよ笑
「七瀬と付き合ってる、言わなくてごめん」
「はぁ、まぁいいよ笑去年の夏は七瀬先輩のことだったんだね?」
「うん、」
「家帰ったら覚えときなよ?笑」
「え、笑」
お姉ちゃん達のシスコンぶりに先輩方も後輩も呆れてます。
「それよりも!あすどうするの?あの監督に変なこと言って」
ひなのちゃん言葉で元の針路に戻る。
「あすなんて言ったん?」
「欅坂学園が優勝すれば加藤は欅坂学園に編入してあいつの兵隊に成り下がる。日向高が優勝すれば監督をやめてバスケ界に手を出さないこと」
「それはお姉ちゃんとして賛成できない」
「ななも史帆ちゃんの意見に1票や」
「でも、そうするしかない。これ以上失う訳にはいかないの。それにひなの達との約束と七瀬の代わりに果たすと決めたことの通過点にしか過ぎないじゃん」
「そうやけど、もし負けたらどうなるか分かってるん?」
「七瀬、あすを信じて?本気だしてもコントロールするから」
「っ、わかった…」
医務室から全員で出ると欅坂学園の試合が終わったらしい。
「加藤くん、3日後にな」
「友梨奈さん、決勝でちゃんと"本気"だしますよ」
「ふふ、楽しみにしてる」
あす自身を差し出した壮大な賭けが3日後に始まろうとしていた。
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