現在、そして違う過去
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美玲side
初めて聞いたあすが日向高に入った本当の理由。なんで日向中の5人が揃ったのかも納得がいった。
未来虹ちゃんは欅坂学園に行くものだと思ってたからね。
「…去年の大会は本当にごめんなさい」
「じゃあ、その分今年は絶対優勝してね笑」
「はい!あの、この話美玲さんと2人だけの秘密でいいですか?」
「あったりまえよ笑」
あすと七瀬先輩が付き合ってるって知ってるのみーぱんだけだなんて嬉しいな笑
史帆達に言ったらどんな反応するんだろう。
「お姉ちゃん達には言わないでくださいよ」
3人への警戒心はちゃんとあるみたいです笑
でも、信頼して全部はなしてくれたんだろうし秘密は守らないとな。
「あす、準決勝絶対勝つよ!」
「はい!」
七瀬side
あすと別れてまいやん達のいるホテルに到着した。
コンコン
「あっ、なぁちゃんやっと帰ってきた笑」
「七瀬とあすの関係を教えてくださいな」
玲香はなんでそんな変な聞き方やねん笑
「なな達は恋人同士笑」
皆びっくりしとる、まぁそうだよな笑
「ねぇ、馴れ初め教えてよ!」
珍しく飛鳥が興味深々で聞いてくるから可愛い笑
「んー、そうやなあすと会ったのはなな達が高2のときやからあすは中2かな」
あの日のことは今でも鮮明に覚えていた。
ミーンミンミンミーン
部活終わりに、近道の公園を横切ろうとしたら中学生だろうけどその割には身長の低い子がシュートを打っていた。
そのフォームと決めた時の笑顔に心が躍って思わず声をかけた
「加藤あすです」
その名前には聞き覚えがあった。私たちの中でも再来年欲しいと声があがっていた子。
1on1をして欲しいと言われてどのくらいの強さか単純に興味を持ったななは二つ返事で勝負を受け入れた。
うまい、本気出さんと勝てんな笑
中学2年生とは思えないほどの技術の高さ。
「まだ、もう1回…ハァハァ」
疲れ果てたのかあすちゃんはそのまま座り込んでしまった。
「西野さんからもっと色々教えて貰いたいです!」
そんな目を輝かせて言われたら断れんやん笑
たった1日なのにぐっと距離が縮まってるんるんで家に帰った。
「七瀬、そんな嬉しそうにしてなんかあった?笑」
お母さんにあすちゃんの事を話せば人見知りの七瀬が珍しいねだって。あの時なんでななは声を掛けれたんだろうな、
あすが「七瀬さん」って呼んでくれるのが嬉しくてドキドキする、
「七瀬さん!」
「えっ?!」
「いや、ボッーとしてたから笑」
無邪気に笑うあすにまた胸が締め付けられた。
「なぁちゃん、それは恋だよ笑」
親友のかずみんに話せばそう言われた。
「そうなんかなぁ、」
「うん!あすちゃん見てみたいなぁ、」
「めっちゃ可愛いで笑1年生の双子ちゃんおるやん」
「うん、確か史帆ちゃんと彩花ちゃんだよね?」
「そうそう笑その子たちの妹なんやって」
かずみんがますます会いたいって興奮してておもしろい。
「告白しなよ!」
「無理やって、笑」
「むりじゃない!」
しまいには可愛いんだったら中学生の子たちが黙ってないでしょと脅しをかけてきた。かずみんってほんま恋愛話好きやなぁ笑
なな達の準決が終わってホテルに戻ると電話が来た。
「七瀬さん!優勝しました!」
「おめでとう!ほんま凄い」
後から配信をみてあすの成長具合に驚いていた。
優勝したらお願いごと聞いて欲しいと伝えれば分かりましたって楽しみだと言わんばかりの声。
決勝のコートに立つとたくさんの人。
あすおるかなって探したら最前列にいて可愛い。
あす見てるんやから絶対優勝せんとな笑
「なぁちゃん、めっちゃ調子いいね笑」
「そう?」
4クォータが始まる前にななみんからそう言われたけど好きな人が目の前にいたら誰だってそうなるやろ?
ななみんやって飛鳥と一緒やから頑張れるって前言っとたしな。
「七瀬さーん!遅くなってごめんなさい!」
集合の10分前にあすがやってきた。全然遅くないのにななが早く来すぎたんよ笑
「あすのことずっと好きやから付き合って欲しい」
人生で初めての告白は以外にもすらすらと言葉が出てきて、あすも好きだったとうなづいてくれた。
「あす、好き」
「えへへ、七瀬さん可愛い笑加藤も七瀬さん大好き」
ななよりも小さいのに抱きしめてくれた体に安心感を抱いた。
あすとはお祭りに行ったり、デートに行ったりで好きは深まっていくばかり。
そんなななをみてかずみんが幸せオーラむんむんだねと何故か嬉しそうだった。
「かずみんが押してくれたから言えたのもあるんやで?」
「じゃあ私恩人じゃん!笑」
「そうやな、ありがとう笑」
あすと付き合って3か月が過ぎた頃、部活終わりにあすと会う約束をしていた。
「あ、七瀬待って!」
まいやんが後ろから走ってきて立ち止まった。
「どうしたん?」
「あのさ、話がしたくて」
あすにちょっと遅れるとLINEを入れて腰が下ろせるところに移動した。
「私さ、七瀬のことが好き…だから付き合って欲しいな、」
まいやんからの告白で一瞬息が止まった。ずっと小さい頃から一緒で家族のような存在だったまいやんがそんなこと思ってくれてたなんて。
「嬉しいけどごめんなさい…」
「えっ、」
「まいやんのこと家族のような存在だと思ってるし、大切だよ。だけど彼女がいる」
「…そっか、ごめんね?時間使っちゃって」
ベンチから立ち上がって走っていったまいやんをただ眺めることしかできなくて、涙が出てきた。
「グスッ、ごめんなまいやん。」
あすのとこに行こうと立ち上がって振り向くとあすがいた。
「七瀬さん、おいで」
手を広げるあすに構わず抱きついて泣いた。
「七瀬さん来るのが遅くて、心配になってうろうろしてたらたまたま白石さんといるの見つけて」
「…聞いとった?」
「うん、あすが振られたらどうしようって思ったけど断ってくれて嬉しかった笑」
背伸びして頭を撫でてくれてるのが愛おしくてしょうがない。
「あすと別れるなんてできないよ」
「じゃあ加藤もずっと七瀬さんといる笑幼なじみなのに辛かったよね?七瀬さんは頑張った!」
3つも下なのに今はあすの方がお姉さんみたい。
「ありがとう、」
涙を拭いてくれたあすにお礼を言うと唇にキスをされた。
チュッ
「…元気出た?」
不安そうに聞いてくるあすにもう1回唇を重ねた。
「んっ、元気でたよ笑」
「そっかぁ笑よかった」
あれ以来まいやんとは少し気まずくなってななみん達にも気づかれ始めた。
「ねぇ、最近しーちゃんと何かあった?」
告白されて断ったと言えば目を丸くしている。
「え、なぁちゃんはまいやんのこと好きでてっきり両想いだと思ってた」
「…なんかごめん、」
「ちょっと奈々未!ななのこと泣かせたら怒るよ?」
「泣かせようなんて思ってません!なぁちゃんは他に好きな人でもいるの?彼女とか」
頷けば2人は名前を教えろと言ってきたけど秘密だと返した。
「ななのケチ~、でもいつかは教えてよ?」
「うん笑」
2人が何とかしてくれてまいやんとは少しずつ前みたいな仲に戻ってきた頃、またこの季節がやってきた。
「七瀬さん、最後のインターハイですね」
「うん、あすと出会ってもう1年か。早いなぁ」
「七瀬さんと会ってなかったらこんなにバスケを楽しめてなかったです、」
「ななも笑あすのバスケは色んな人を魅了するんだよ笑」
なな達は史上初の3連覇を成し遂げるために、あす達も連覇するために2人で一生懸命練習をした。
あすは去年よりも力をつけていて圧倒的な力で優勝をした。
「今年の日向中やばいね笑」
「ななみんは誰か欲しい子おるの?」
「そりゃあ全員来て欲しいけどあすちゃん1人来てくれれば来年も安泰だね笑」
「そうやなぁ」
「あの子さ、なぁちゃんとプレースタイル似てる。リトル七瀬って感じ笑」
なんか嬉しいな、リトル七瀬か。一緒に練習してるから自然とそうなったんやろうけど。
決勝の2日前に会いたいと連絡をすればまだ疲れているはずなのに笑顔で迎えに来てくれた。
「七瀬さん、早く渡りましょ笑」
前を歩くあすにものすごいスピードでトラックが突っ込んでくる。
「危ない!」
咄嗟にあすの体を押したら吹き飛ばされて全身に痛みが走った。
「七瀬さん!!」
「あす、無事でよかった」
頭が朦朧としてきてそのまま目を閉じた。閉じる瞬間に見えたあすの顔は涙でぐしゃぐしゃだった。
「ここどこ?、」
目を開けると辺りは真っ暗で何も見えない。どこかも分からなくて我武者羅に走り続けた。
「七瀬さん、」
どこからともなく聞こえてきたあすの声。
「そのまま真っ直ぐ進んで」
あすの声を頼りに進むと光が見えてそのまま飛び込んだ。
ピッピッピッピッ
「あれ、」
さっきのはなんだったんだろう、夢かな?
「七瀬、七瀬!」
目線を動かすと目に涙を沢山溜めているお母さんがいた。あれからお医者さんが来て目を覚ましたのは奇跡だと。
約5ヶ月近く目を覚まさなかったらしく、あんなに暑かったのにいつの間にかクリスマスの時期になっていた。
「あすに会いたい、」
「あすちゃん日向高に入るみたいよ」
お母さんが夏にあすとたまたま会って話をしたらしい。ななの事故がショックだったのかバスケを辞めようとしてたって。今は続けてるみたいやから治ったら見に行けたらいいな。
携帯は壊れて連絡先は消えたらしく、新しい携帯を差し出された。
あすに連絡したいのに。生きてたよって言ったら泣いて喜んでくれるかな?
次の日、目を覚ましたと知ったまいやん達が病室に来た。
「ななぜ~、生きていてよかった、」
「はいはい笑そんな泣かんでもええやん笑」
みんなはななが目を覚まさなかった間のことを沢山話してくれた。インハイは準優勝だったことも、みんなの大学の進路先も。
「なぁちゃんが気にかけてた日向中の子達、5人全員うちに来るよ笑」
ななみんの発言にみんな驚いてる。
「なんでみんなも驚いてるん笑」
「だって、そんなの聞いてないよ!」
まいやんはともかく飛鳥も知らんかったんや、
「それになぁちゃんとプレースタイルが似てる子覚えてる?」
「うん、」
「あすちゃんが飛び級で高校生の日本代表に選ばれたよ。合宿にいて仲良くなれた笑」
日本代表か、ななが起きない間も頑張ってたんやな。
あすの高校バスケ早くみたい。
楽しみにしとるよ。
目が覚めてからは毎日リハビリ。歩き始めれる様になった頃、外は桜でピンクで染まっていた。
「あすも高校生か、大きくなったかなぁ」
トントン
「はーい」
「七瀬、そろそろ始まるわよ」
今日は日向高の準々決勝の日。
この試合からテレビ中継が行われる。
「あす、頑張ってや。」
1回戦目、日向高は全員1年生ででたらしいけど、今回も1年生5人。
「5人の試合生で見るの初めてやな、」
始まってすぐ、ななの目は釘付け。
1年でまた成長していた。
「あす、日向高3連覇も夢じゃないな」
第1クォーターが終わる前、あすがダンクシュートをして、それはななのやつ。
「七瀬、なんで泣いてるの笑」
お母さんに言われて頬を流れている涙に気づいた。
「…ありがとう」
いつの間に練習したんよ。
強くなったな、あす。
初めて聞いたあすが日向高に入った本当の理由。なんで日向中の5人が揃ったのかも納得がいった。
未来虹ちゃんは欅坂学園に行くものだと思ってたからね。
「…去年の大会は本当にごめんなさい」
「じゃあ、その分今年は絶対優勝してね笑」
「はい!あの、この話美玲さんと2人だけの秘密でいいですか?」
「あったりまえよ笑」
あすと七瀬先輩が付き合ってるって知ってるのみーぱんだけだなんて嬉しいな笑
史帆達に言ったらどんな反応するんだろう。
「お姉ちゃん達には言わないでくださいよ」
3人への警戒心はちゃんとあるみたいです笑
でも、信頼して全部はなしてくれたんだろうし秘密は守らないとな。
「あす、準決勝絶対勝つよ!」
「はい!」
七瀬side
あすと別れてまいやん達のいるホテルに到着した。
コンコン
「あっ、なぁちゃんやっと帰ってきた笑」
「七瀬とあすの関係を教えてくださいな」
玲香はなんでそんな変な聞き方やねん笑
「なな達は恋人同士笑」
皆びっくりしとる、まぁそうだよな笑
「ねぇ、馴れ初め教えてよ!」
珍しく飛鳥が興味深々で聞いてくるから可愛い笑
「んー、そうやなあすと会ったのはなな達が高2のときやからあすは中2かな」
あの日のことは今でも鮮明に覚えていた。
ミーンミンミンミーン
部活終わりに、近道の公園を横切ろうとしたら中学生だろうけどその割には身長の低い子がシュートを打っていた。
そのフォームと決めた時の笑顔に心が躍って思わず声をかけた
「加藤あすです」
その名前には聞き覚えがあった。私たちの中でも再来年欲しいと声があがっていた子。
1on1をして欲しいと言われてどのくらいの強さか単純に興味を持ったななは二つ返事で勝負を受け入れた。
うまい、本気出さんと勝てんな笑
中学2年生とは思えないほどの技術の高さ。
「まだ、もう1回…ハァハァ」
疲れ果てたのかあすちゃんはそのまま座り込んでしまった。
「西野さんからもっと色々教えて貰いたいです!」
そんな目を輝かせて言われたら断れんやん笑
たった1日なのにぐっと距離が縮まってるんるんで家に帰った。
「七瀬、そんな嬉しそうにしてなんかあった?笑」
お母さんにあすちゃんの事を話せば人見知りの七瀬が珍しいねだって。あの時なんでななは声を掛けれたんだろうな、
あすが「七瀬さん」って呼んでくれるのが嬉しくてドキドキする、
「七瀬さん!」
「えっ?!」
「いや、ボッーとしてたから笑」
無邪気に笑うあすにまた胸が締め付けられた。
「なぁちゃん、それは恋だよ笑」
親友のかずみんに話せばそう言われた。
「そうなんかなぁ、」
「うん!あすちゃん見てみたいなぁ、」
「めっちゃ可愛いで笑1年生の双子ちゃんおるやん」
「うん、確か史帆ちゃんと彩花ちゃんだよね?」
「そうそう笑その子たちの妹なんやって」
かずみんがますます会いたいって興奮してておもしろい。
「告白しなよ!」
「無理やって、笑」
「むりじゃない!」
しまいには可愛いんだったら中学生の子たちが黙ってないでしょと脅しをかけてきた。かずみんってほんま恋愛話好きやなぁ笑
なな達の準決が終わってホテルに戻ると電話が来た。
「七瀬さん!優勝しました!」
「おめでとう!ほんま凄い」
後から配信をみてあすの成長具合に驚いていた。
優勝したらお願いごと聞いて欲しいと伝えれば分かりましたって楽しみだと言わんばかりの声。
決勝のコートに立つとたくさんの人。
あすおるかなって探したら最前列にいて可愛い。
あす見てるんやから絶対優勝せんとな笑
「なぁちゃん、めっちゃ調子いいね笑」
「そう?」
4クォータが始まる前にななみんからそう言われたけど好きな人が目の前にいたら誰だってそうなるやろ?
ななみんやって飛鳥と一緒やから頑張れるって前言っとたしな。
「七瀬さーん!遅くなってごめんなさい!」
集合の10分前にあすがやってきた。全然遅くないのにななが早く来すぎたんよ笑
「あすのことずっと好きやから付き合って欲しい」
人生で初めての告白は以外にもすらすらと言葉が出てきて、あすも好きだったとうなづいてくれた。
「あす、好き」
「えへへ、七瀬さん可愛い笑加藤も七瀬さん大好き」
ななよりも小さいのに抱きしめてくれた体に安心感を抱いた。
あすとはお祭りに行ったり、デートに行ったりで好きは深まっていくばかり。
そんなななをみてかずみんが幸せオーラむんむんだねと何故か嬉しそうだった。
「かずみんが押してくれたから言えたのもあるんやで?」
「じゃあ私恩人じゃん!笑」
「そうやな、ありがとう笑」
あすと付き合って3か月が過ぎた頃、部活終わりにあすと会う約束をしていた。
「あ、七瀬待って!」
まいやんが後ろから走ってきて立ち止まった。
「どうしたん?」
「あのさ、話がしたくて」
あすにちょっと遅れるとLINEを入れて腰が下ろせるところに移動した。
「私さ、七瀬のことが好き…だから付き合って欲しいな、」
まいやんからの告白で一瞬息が止まった。ずっと小さい頃から一緒で家族のような存在だったまいやんがそんなこと思ってくれてたなんて。
「嬉しいけどごめんなさい…」
「えっ、」
「まいやんのこと家族のような存在だと思ってるし、大切だよ。だけど彼女がいる」
「…そっか、ごめんね?時間使っちゃって」
ベンチから立ち上がって走っていったまいやんをただ眺めることしかできなくて、涙が出てきた。
「グスッ、ごめんなまいやん。」
あすのとこに行こうと立ち上がって振り向くとあすがいた。
「七瀬さん、おいで」
手を広げるあすに構わず抱きついて泣いた。
「七瀬さん来るのが遅くて、心配になってうろうろしてたらたまたま白石さんといるの見つけて」
「…聞いとった?」
「うん、あすが振られたらどうしようって思ったけど断ってくれて嬉しかった笑」
背伸びして頭を撫でてくれてるのが愛おしくてしょうがない。
「あすと別れるなんてできないよ」
「じゃあ加藤もずっと七瀬さんといる笑幼なじみなのに辛かったよね?七瀬さんは頑張った!」
3つも下なのに今はあすの方がお姉さんみたい。
「ありがとう、」
涙を拭いてくれたあすにお礼を言うと唇にキスをされた。
チュッ
「…元気出た?」
不安そうに聞いてくるあすにもう1回唇を重ねた。
「んっ、元気でたよ笑」
「そっかぁ笑よかった」
あれ以来まいやんとは少し気まずくなってななみん達にも気づかれ始めた。
「ねぇ、最近しーちゃんと何かあった?」
告白されて断ったと言えば目を丸くしている。
「え、なぁちゃんはまいやんのこと好きでてっきり両想いだと思ってた」
「…なんかごめん、」
「ちょっと奈々未!ななのこと泣かせたら怒るよ?」
「泣かせようなんて思ってません!なぁちゃんは他に好きな人でもいるの?彼女とか」
頷けば2人は名前を教えろと言ってきたけど秘密だと返した。
「ななのケチ~、でもいつかは教えてよ?」
「うん笑」
2人が何とかしてくれてまいやんとは少しずつ前みたいな仲に戻ってきた頃、またこの季節がやってきた。
「七瀬さん、最後のインターハイですね」
「うん、あすと出会ってもう1年か。早いなぁ」
「七瀬さんと会ってなかったらこんなにバスケを楽しめてなかったです、」
「ななも笑あすのバスケは色んな人を魅了するんだよ笑」
なな達は史上初の3連覇を成し遂げるために、あす達も連覇するために2人で一生懸命練習をした。
あすは去年よりも力をつけていて圧倒的な力で優勝をした。
「今年の日向中やばいね笑」
「ななみんは誰か欲しい子おるの?」
「そりゃあ全員来て欲しいけどあすちゃん1人来てくれれば来年も安泰だね笑」
「そうやなぁ」
「あの子さ、なぁちゃんとプレースタイル似てる。リトル七瀬って感じ笑」
なんか嬉しいな、リトル七瀬か。一緒に練習してるから自然とそうなったんやろうけど。
決勝の2日前に会いたいと連絡をすればまだ疲れているはずなのに笑顔で迎えに来てくれた。
「七瀬さん、早く渡りましょ笑」
前を歩くあすにものすごいスピードでトラックが突っ込んでくる。
「危ない!」
咄嗟にあすの体を押したら吹き飛ばされて全身に痛みが走った。
「七瀬さん!!」
「あす、無事でよかった」
頭が朦朧としてきてそのまま目を閉じた。閉じる瞬間に見えたあすの顔は涙でぐしゃぐしゃだった。
「ここどこ?、」
目を開けると辺りは真っ暗で何も見えない。どこかも分からなくて我武者羅に走り続けた。
「七瀬さん、」
どこからともなく聞こえてきたあすの声。
「そのまま真っ直ぐ進んで」
あすの声を頼りに進むと光が見えてそのまま飛び込んだ。
ピッピッピッピッ
「あれ、」
さっきのはなんだったんだろう、夢かな?
「七瀬、七瀬!」
目線を動かすと目に涙を沢山溜めているお母さんがいた。あれからお医者さんが来て目を覚ましたのは奇跡だと。
約5ヶ月近く目を覚まさなかったらしく、あんなに暑かったのにいつの間にかクリスマスの時期になっていた。
「あすに会いたい、」
「あすちゃん日向高に入るみたいよ」
お母さんが夏にあすとたまたま会って話をしたらしい。ななの事故がショックだったのかバスケを辞めようとしてたって。今は続けてるみたいやから治ったら見に行けたらいいな。
携帯は壊れて連絡先は消えたらしく、新しい携帯を差し出された。
あすに連絡したいのに。生きてたよって言ったら泣いて喜んでくれるかな?
次の日、目を覚ましたと知ったまいやん達が病室に来た。
「ななぜ~、生きていてよかった、」
「はいはい笑そんな泣かんでもええやん笑」
みんなはななが目を覚まさなかった間のことを沢山話してくれた。インハイは準優勝だったことも、みんなの大学の進路先も。
「なぁちゃんが気にかけてた日向中の子達、5人全員うちに来るよ笑」
ななみんの発言にみんな驚いてる。
「なんでみんなも驚いてるん笑」
「だって、そんなの聞いてないよ!」
まいやんはともかく飛鳥も知らんかったんや、
「それになぁちゃんとプレースタイルが似てる子覚えてる?」
「うん、」
「あすちゃんが飛び級で高校生の日本代表に選ばれたよ。合宿にいて仲良くなれた笑」
日本代表か、ななが起きない間も頑張ってたんやな。
あすの高校バスケ早くみたい。
楽しみにしとるよ。
目が覚めてからは毎日リハビリ。歩き始めれる様になった頃、外は桜でピンクで染まっていた。
「あすも高校生か、大きくなったかなぁ」
トントン
「はーい」
「七瀬、そろそろ始まるわよ」
今日は日向高の準々決勝の日。
この試合からテレビ中継が行われる。
「あす、頑張ってや。」
1回戦目、日向高は全員1年生ででたらしいけど、今回も1年生5人。
「5人の試合生で見るの初めてやな、」
始まってすぐ、ななの目は釘付け。
1年でまた成長していた。
「あす、日向高3連覇も夢じゃないな」
第1クォーターが終わる前、あすがダンクシュートをして、それはななのやつ。
「七瀬、なんで泣いてるの笑」
お母さんに言われて頬を流れている涙に気づいた。
「…ありがとう」
いつの間に練習したんよ。
強くなったな、あす。