長い夏休み
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あすside
「グスッ、七瀬さん、」
会えなくても毎日LINEや電話をしていたのに今はそんなことすらできない。
コンコン
「あす?」
「…ごめん」
今は誰にも会いたくない。
バスケ部の仲間から心配のLINEが来ていた。
携帯をベッドに放り投げて自分もそのままベッドに沈んだ。
未来虹side
「あすどうしたんだろう、」
決勝が終わってから連絡が付かなくて4人で集まった。
「あすの家行こうか?」
ピンポーン
ドアを開けたのはあすのお姉さん。
「あっ、あすだよね?私達も部屋に入れなくて、よかったら話し聞いてくれない?」
あすの家に入ると改めてその大きさに驚く。
「今私達2人とあすしかいなくて、一様異変ないんだけど。あすのこと何か知ってる?」
「いえ、決勝終わってから連絡取れなくて」
「そっか。そういえば決勝の1日前か2日前にあすが大泣きして帰ってきたってお母さんが言ってた」
大泣き?何処となく繋がらなくて私達はモヤモヤしたままあすの家をでた。
「このままバスケ辞めたりしないよね?」
「うん、私高校のこと一旦保留にする」
「私も」
欅坂学園への入学を8割ほど決めていたけど、なんだかその判断が間違っている気がして、何よりあすが心配だ。
史帆side
バスケ部の子達がきてくれてから一週間が過ぎて、家の雰囲気も相変わらずだった。
「お母さん、あす生きてる?」
「うん、最近は史帆達が寝た後とか起きる前にご飯食べにくるよ」
「何があったのかな、」
彩や陽菜だって浮かない顔してあすがこんなんだと私達も元気なくなるんだね。
時の流れが遅く感じ、いっそのこと早く夏休みなんて終わって仕舞えばいいのに。
ドン ドン ドン
「何この音、あす?」
2階にいるのはあすしかいないわけであすの部屋へダッシュで向かった。
「あす‼」
部屋を開けると色々なものが散らばっている。
「あす辞めなって」
手当たり次第物を投げようとするあすを捕まえた。
「あす!」
力を強めたら抵抗することをやめて泣き出した。
「うあーんグスッ」
遅れてやってきたらしい3人はあすの部屋の光景を見て唖然としている。
「あす、どうしてこんなになるまで」
史帆の問いかけに答えてくれなくてただただ泣くあす。
「お母さん達あすの部屋片付けといて」
「えっ、史帆何処行くの?」
「史帆の部屋」
ほんとにご飯を食べていたのか疑いたくなるほど軽くなっていた。
しばらく泣き続けているあすの背中を無言でさすっていたら体力を使い果たしたみたいでそのまま寝てしまった。
史帆のベッドに寝かせてそのまま隣で目を閉じると冷房の音だけが聞こえて来る。
「…せ…さ…い」
意識を手放す前に聞こえてきたのはあすの寝言だった。
彩side
あすの部屋の片付けを終わらせて史帆の部屋を開けた。
「史帆?」
ベッドを見ると2人で寝ていた。
今は史帆に任せよう。そのまま静かにドアを閉めて下に降りた。
あすside
「んっ、」
目を覚ますと冷たいものが乗っていた。
それを取って天井を見ると史帆お姉ちゃんの部屋。
体がしっかり拘束されているかのように抱きしめられて離してくれなさそう。
「… あす起きた?」
史帆お姉ちゃんの寝起きって相変わらず綺麗だな。
「もう泣かなくて大丈夫?」
「…うん」
「よかった笑」
2人でベットに腰掛けて無言の時間が続く。
「何があったか大まかでいいから教えてくれないかな?」
言えるところまでで良いっていうのが史帆お姉ちゃんの優しさを感じる。
「…憧れで大切な人があすのせいで居なくなっちゃった。」
七瀬さんのあの優しく笑う顔がもう一度みたい。
そう思ったらさっき出切ったはずの涙がまた溢れてきた。
「あすおいで」
「話してくれてありがと、もう聞かないから。辛くなったら誰でもいいから話してね」
「お姉ちゃん、グスッ」
史帆side
あすの本音を聞いた。
憧れで大切な人が居なくなったと、
それは引越しでお別れになったから?それとも、病気かなにかで既にこの世にはいないのか。
気になってしょうがないその言葉。
もう聞かないと言った以上、約束を破るつもりはないからあすを見守る事が史帆が唯一できること。
「史帆お姉ちゃん、一緒に寝たい」
「いいよ笑先ベッドいってて?」
「うん、」
今日は彩も陽菜も羨ましいなんて言わずにおやすみって声をかけるだけ。
上に行ったあすの足音を確認して今日聞いた話を皆にした。
「そっか、お母さん全然気づかなかったな」
「私も。もっと早く聞いてあげれば良かったのにね」
「…あのさ、あすの言っていた大切な人のことなんだけど1回だけ聞いたことある。バスケをよく教えて貰ってたらしいよ、上手なんだって」
少しずつあすを元気にさせようってことで、暗い雰囲気にはならずに明るくっていう風にまとまった。
「あす~」
「ん?」
寝てると思ってたからまだ起きてることにびっくりする。
「あのさ、あすの大切な人バスケ上手だったんだね」
「陽菜ちゃんから聞いた?」
「うん、さっき」
「今のあすがあるのはその人のおかげなんだ。勝つために必要なことを教えてくれた、バスケの全てを」
「…いつかまた会えるといいね」
「…うん、」
話の終わり方が分からなくて確証のないことを言ってしまった。
ベッドに入ったら珍しく抱きついてきて、久しぶりの甘えに嬉しさと心配を感じた。
あすside
七瀬さんの事件から3週間後、夏休みも残り2週間もないくらいとなった。
「あす、久しぶりに外の空気吸ってきな?」
リビングでテレビを見ていたらお母さんにそう言われた。
「なんで?」
「家の中に籠ってるだけじゃ見えないものもあるんだよ」
半ば強制で外にでた加藤は七瀬さんとの思い出の公園に向かった。
「七瀬さん、もうバスケはできないよ」
あの日以来バスケのボールに触れるのすら怖い。自分だけバスケをやっていいのかが分からなかった。だから高校は公立にいって勉強を頑張ろうと。
喉が乾いて自販機でジュースを選んでいたら声をかけられた。
「あら、あすちゃんやない?」
振り返ると七瀬さんと同じオーラを放っている人がいた。
「七瀬さんの、お母さん…」
日陰に2人で座って七瀬さんのお母さんの方を見た。
「あの、加藤の不注意のせいで七瀬さんをあんな目に合わせてしまい、本当にごめんなさい、」
「…あなたのせいじゃないわ、それは私が保証する。七瀬ってね、昔から内気な性格で麻衣ちゃんにいつも守ってもらってたの。でもね、ある日すっごくにこにこした顔で帰ってきて面白い子と仲良くなれたって」
「あすちゃんと出会ってからどんどん明るくなっていく七瀬を見て私も嬉しかった。七瀬が咄嗟に体が動くほど守りたい人にあえたことに感謝しているの」
「でも、加藤のせいで七瀬さんは決勝にでれなかったし。いつ目を覚ますかも分からないグスッ」
「あすちゃん、私からのお願い。バスケを辞めないで」
「えっ?、」
「七瀬もきっとそれを望んでる。あすちゃんが七瀬の代わりに3連覇してくれるかしら?」
左目から落ちた涙が加藤の決意を固めた。
「もちろんです、」
七瀬さんのお母さんと話し終えて加藤の心の雲がなくなった。
「七瀬さん、強くなります」
未来虹side
ピコン
(みんな、今日の夕方会えるかな?)
5人のグループLINEに来た送り主はまさかのあす。
思わずベッドから飛び降りた。
夕方になるまでの時間、ずっとそわそわしていていつの間にか集合場所に足を運んでいた。
「あれ、みんないるじゃん」
「だって、あすからのLINE久しぶりで嬉しかったし笑」
なんだ、みんな考えてること一緒じゃん。
約束の時間になってあすが来た。肌の白さがずっと家にいたことを表している。それに何処と無く痩せたような気もするし、
「みんな、夏休みの間はごめん。色々あって」
「ほんとだよ!心配したんだから笑」
「バスケ辞めるとか言い出したらどうしようって不安だったんだから」
「ほんとはさ、辞めるつもりだったんだけどバスケを続ける理由ができた。」
あすからちょっとだけ聞いた。日向高の西野さんからバスケを教えて貰っていたということ。
秘密の特訓はきっとこのことで思い返せばプレースタイルが似てたな、
「日向高が準優勝になった理由はみんな知ってるよね?」
「西野さん交通事故で意識不明になって決勝でれなかったから」
これは誰もがそう答えるだろう。
記事にそう書いてあったし、ニュースでも取り上げられていた。
「あの時七瀬さんと一緒にいたの、あすに突っ込んでくるトラックに七瀬さんが身代わりになった。…だから加藤のせいで日向高は準優勝になったし、七瀬さんの人生も奪った、」
いくらなんでもそれは不可抗力というか、あすの意志でそうなったんじゃないから不幸が重なったとしかいいようがない。
「あすは悪くないよ、」
茉莉の一言は今私たちが思っていること。
「…、だから日向高に入って本来できるはずだった3連覇を代わりに成し遂げたい。助けてくれた七瀬さんにできる唯一のことだからグスッ 、そのために皆の力が必要なの。自分勝手なのも分かってるけど、5人で日向高に入って全国3連覇したい」
お願いしますってあすが土下座をした。
突然のことに私たちはびっくりして、一瞬時が止まったようだった。
「私、あすとまだバスケしたいから着いていくよ笑」
「私も笑キャプテンからそんなこと言われたら断れないしね」
「確かに笑5人でまた全国優勝したい、あすと息あわせられるの私たち4人だけだからね!」
「あす、ほんとは私欅坂学園に行こうと思ってた。だけどあすがそこまで言うなら日向高にするよ。だけど絶対3連覇することが条件」
「へへ、当たり前。5人いれば怖いものなんてないよ」
久しぶりのこの雰囲気に嬉しさを感じた。
「グスッ、七瀬さん、」
会えなくても毎日LINEや電話をしていたのに今はそんなことすらできない。
コンコン
「あす?」
「…ごめん」
今は誰にも会いたくない。
バスケ部の仲間から心配のLINEが来ていた。
携帯をベッドに放り投げて自分もそのままベッドに沈んだ。
未来虹side
「あすどうしたんだろう、」
決勝が終わってから連絡が付かなくて4人で集まった。
「あすの家行こうか?」
ピンポーン
ドアを開けたのはあすのお姉さん。
「あっ、あすだよね?私達も部屋に入れなくて、よかったら話し聞いてくれない?」
あすの家に入ると改めてその大きさに驚く。
「今私達2人とあすしかいなくて、一様異変ないんだけど。あすのこと何か知ってる?」
「いえ、決勝終わってから連絡取れなくて」
「そっか。そういえば決勝の1日前か2日前にあすが大泣きして帰ってきたってお母さんが言ってた」
大泣き?何処となく繋がらなくて私達はモヤモヤしたままあすの家をでた。
「このままバスケ辞めたりしないよね?」
「うん、私高校のこと一旦保留にする」
「私も」
欅坂学園への入学を8割ほど決めていたけど、なんだかその判断が間違っている気がして、何よりあすが心配だ。
史帆side
バスケ部の子達がきてくれてから一週間が過ぎて、家の雰囲気も相変わらずだった。
「お母さん、あす生きてる?」
「うん、最近は史帆達が寝た後とか起きる前にご飯食べにくるよ」
「何があったのかな、」
彩や陽菜だって浮かない顔してあすがこんなんだと私達も元気なくなるんだね。
時の流れが遅く感じ、いっそのこと早く夏休みなんて終わって仕舞えばいいのに。
ドン ドン ドン
「何この音、あす?」
2階にいるのはあすしかいないわけであすの部屋へダッシュで向かった。
「あす‼」
部屋を開けると色々なものが散らばっている。
「あす辞めなって」
手当たり次第物を投げようとするあすを捕まえた。
「あす!」
力を強めたら抵抗することをやめて泣き出した。
「うあーんグスッ」
遅れてやってきたらしい3人はあすの部屋の光景を見て唖然としている。
「あす、どうしてこんなになるまで」
史帆の問いかけに答えてくれなくてただただ泣くあす。
「お母さん達あすの部屋片付けといて」
「えっ、史帆何処行くの?」
「史帆の部屋」
ほんとにご飯を食べていたのか疑いたくなるほど軽くなっていた。
しばらく泣き続けているあすの背中を無言でさすっていたら体力を使い果たしたみたいでそのまま寝てしまった。
史帆のベッドに寝かせてそのまま隣で目を閉じると冷房の音だけが聞こえて来る。
「…せ…さ…い」
意識を手放す前に聞こえてきたのはあすの寝言だった。
彩side
あすの部屋の片付けを終わらせて史帆の部屋を開けた。
「史帆?」
ベッドを見ると2人で寝ていた。
今は史帆に任せよう。そのまま静かにドアを閉めて下に降りた。
あすside
「んっ、」
目を覚ますと冷たいものが乗っていた。
それを取って天井を見ると史帆お姉ちゃんの部屋。
体がしっかり拘束されているかのように抱きしめられて離してくれなさそう。
「… あす起きた?」
史帆お姉ちゃんの寝起きって相変わらず綺麗だな。
「もう泣かなくて大丈夫?」
「…うん」
「よかった笑」
2人でベットに腰掛けて無言の時間が続く。
「何があったか大まかでいいから教えてくれないかな?」
言えるところまでで良いっていうのが史帆お姉ちゃんの優しさを感じる。
「…憧れで大切な人があすのせいで居なくなっちゃった。」
七瀬さんのあの優しく笑う顔がもう一度みたい。
そう思ったらさっき出切ったはずの涙がまた溢れてきた。
「あすおいで」
「話してくれてありがと、もう聞かないから。辛くなったら誰でもいいから話してね」
「お姉ちゃん、グスッ」
史帆side
あすの本音を聞いた。
憧れで大切な人が居なくなったと、
それは引越しでお別れになったから?それとも、病気かなにかで既にこの世にはいないのか。
気になってしょうがないその言葉。
もう聞かないと言った以上、約束を破るつもりはないからあすを見守る事が史帆が唯一できること。
「史帆お姉ちゃん、一緒に寝たい」
「いいよ笑先ベッドいってて?」
「うん、」
今日は彩も陽菜も羨ましいなんて言わずにおやすみって声をかけるだけ。
上に行ったあすの足音を確認して今日聞いた話を皆にした。
「そっか、お母さん全然気づかなかったな」
「私も。もっと早く聞いてあげれば良かったのにね」
「…あのさ、あすの言っていた大切な人のことなんだけど1回だけ聞いたことある。バスケをよく教えて貰ってたらしいよ、上手なんだって」
少しずつあすを元気にさせようってことで、暗い雰囲気にはならずに明るくっていう風にまとまった。
「あす~」
「ん?」
寝てると思ってたからまだ起きてることにびっくりする。
「あのさ、あすの大切な人バスケ上手だったんだね」
「陽菜ちゃんから聞いた?」
「うん、さっき」
「今のあすがあるのはその人のおかげなんだ。勝つために必要なことを教えてくれた、バスケの全てを」
「…いつかまた会えるといいね」
「…うん、」
話の終わり方が分からなくて確証のないことを言ってしまった。
ベッドに入ったら珍しく抱きついてきて、久しぶりの甘えに嬉しさと心配を感じた。
あすside
七瀬さんの事件から3週間後、夏休みも残り2週間もないくらいとなった。
「あす、久しぶりに外の空気吸ってきな?」
リビングでテレビを見ていたらお母さんにそう言われた。
「なんで?」
「家の中に籠ってるだけじゃ見えないものもあるんだよ」
半ば強制で外にでた加藤は七瀬さんとの思い出の公園に向かった。
「七瀬さん、もうバスケはできないよ」
あの日以来バスケのボールに触れるのすら怖い。自分だけバスケをやっていいのかが分からなかった。だから高校は公立にいって勉強を頑張ろうと。
喉が乾いて自販機でジュースを選んでいたら声をかけられた。
「あら、あすちゃんやない?」
振り返ると七瀬さんと同じオーラを放っている人がいた。
「七瀬さんの、お母さん…」
日陰に2人で座って七瀬さんのお母さんの方を見た。
「あの、加藤の不注意のせいで七瀬さんをあんな目に合わせてしまい、本当にごめんなさい、」
「…あなたのせいじゃないわ、それは私が保証する。七瀬ってね、昔から内気な性格で麻衣ちゃんにいつも守ってもらってたの。でもね、ある日すっごくにこにこした顔で帰ってきて面白い子と仲良くなれたって」
「あすちゃんと出会ってからどんどん明るくなっていく七瀬を見て私も嬉しかった。七瀬が咄嗟に体が動くほど守りたい人にあえたことに感謝しているの」
「でも、加藤のせいで七瀬さんは決勝にでれなかったし。いつ目を覚ますかも分からないグスッ」
「あすちゃん、私からのお願い。バスケを辞めないで」
「えっ?、」
「七瀬もきっとそれを望んでる。あすちゃんが七瀬の代わりに3連覇してくれるかしら?」
左目から落ちた涙が加藤の決意を固めた。
「もちろんです、」
七瀬さんのお母さんと話し終えて加藤の心の雲がなくなった。
「七瀬さん、強くなります」
未来虹side
ピコン
(みんな、今日の夕方会えるかな?)
5人のグループLINEに来た送り主はまさかのあす。
思わずベッドから飛び降りた。
夕方になるまでの時間、ずっとそわそわしていていつの間にか集合場所に足を運んでいた。
「あれ、みんないるじゃん」
「だって、あすからのLINE久しぶりで嬉しかったし笑」
なんだ、みんな考えてること一緒じゃん。
約束の時間になってあすが来た。肌の白さがずっと家にいたことを表している。それに何処と無く痩せたような気もするし、
「みんな、夏休みの間はごめん。色々あって」
「ほんとだよ!心配したんだから笑」
「バスケ辞めるとか言い出したらどうしようって不安だったんだから」
「ほんとはさ、辞めるつもりだったんだけどバスケを続ける理由ができた。」
あすからちょっとだけ聞いた。日向高の西野さんからバスケを教えて貰っていたということ。
秘密の特訓はきっとこのことで思い返せばプレースタイルが似てたな、
「日向高が準優勝になった理由はみんな知ってるよね?」
「西野さん交通事故で意識不明になって決勝でれなかったから」
これは誰もがそう答えるだろう。
記事にそう書いてあったし、ニュースでも取り上げられていた。
「あの時七瀬さんと一緒にいたの、あすに突っ込んでくるトラックに七瀬さんが身代わりになった。…だから加藤のせいで日向高は準優勝になったし、七瀬さんの人生も奪った、」
いくらなんでもそれは不可抗力というか、あすの意志でそうなったんじゃないから不幸が重なったとしかいいようがない。
「あすは悪くないよ、」
茉莉の一言は今私たちが思っていること。
「…、だから日向高に入って本来できるはずだった3連覇を代わりに成し遂げたい。助けてくれた七瀬さんにできる唯一のことだからグスッ 、そのために皆の力が必要なの。自分勝手なのも分かってるけど、5人で日向高に入って全国3連覇したい」
お願いしますってあすが土下座をした。
突然のことに私たちはびっくりして、一瞬時が止まったようだった。
「私、あすとまだバスケしたいから着いていくよ笑」
「私も笑キャプテンからそんなこと言われたら断れないしね」
「確かに笑5人でまた全国優勝したい、あすと息あわせられるの私たち4人だけだからね!」
「あす、ほんとは私欅坂学園に行こうと思ってた。だけどあすがそこまで言うなら日向高にするよ。だけど絶対3連覇することが条件」
「へへ、当たり前。5人いれば怖いものなんてないよ」
久しぶりのこの雰囲気に嬉しさを感じた。