~想い~


「あのね……。」


「ん?」




そういえば

私……

兄者さんとキス

しちゃったんだ…





「お祭りから帰る時に…。」


「……はっきり言って?」


「あの…兄者さんが追いかけてきてくれて。」


「それで?」


「それで…あの…。」






兄者さんの気持ち…

私振り回してる



傷ついてる姿見せて

慰めてもらって……



被害者ぶって

色々な人を傷ついてるのは

私の方だ………






「………。」


「奏…?」


「キス……したの……。」


「え…?」


「1人で帰った時、兄者さんが追いかけてきてくれて…。」


「……。」


「私…寂しくて…もうどうでもよくなって……。」


「……んでだよ。」


「え……?」





おついちさんの拳

小刻みに震えてる……





「おついちさっんっ……んんっ……ふぅっ……。」


「奏はっ…誰にも…渡さないっ…。」


「おついちさっ……。」







貪るような

とても乱暴なキス……



だけど

縋るような

切なさが伝わってくる






「だめっ……こんなとこでっ……。」


「………兄者の事、好きなのか?」


「えっ……。」


「……。」


「おついちさん……。」


「俺は…もう、大切な人を失いたくない。」









私だって

失いたくないよ



あなたを失いたくない……
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