~叶わない願い~



私達は皆と合流して

旅館に向かった。



美咲さんも同じ旅館だったらしく

とりあえず私達の部屋に集合する事になった。



そんな偶然てある?






だめ。

平常心を保たなくちゃ…。






「まさか、美咲さんも一緒の旅館だったとは!」


「本当に偶然よね。」


「奏ちゃん、疲れたでしょ?大丈夫か?」


「ありがとう、弟者さん。大丈夫だよ。」


「無理しちゃダメだよ?」


「ぺーさん、ありがとう。」


「……。」






おついちさんは

不機嫌そうな顔してる……。



そうだよね

私酷い事言ったし

踏み込んじゃいけないところに

土足で踏み込んだんだから。






「あー!」


「ドンさん、どうした?」


「今日お祭りあるみたいだよ!」


「本当だ、しかも旅館で浴衣貸してくれるって!」


「奏ちゃんと美咲さんの浴衣…ぐへっ!」


「なんか言ったか?」


「兄者…俺らの扱い酷い……。」


「奏ちゃん。」


「えっ……?」


「私美容師免許持ってるから髪結ってあげるね!」


「え…でも…。」


「いいからいいから!任せて?」


「……はい。」







優しくて明るくて

綺麗なお姉さんて感じ。








わがままばっか言って

子供だよね。





おついちさん達が優しいから

その優しさに甘えてどんどんわがままになった。







自分の事棚に上げて

おついちさんにあんな事言うなんて

本当に最低だ。
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