~失いたくない~







トサッ







「おついちさん、ちゃんと横になって下さい。」


「うー……あっつい……。」





そう言って

おついちさんは上着を脱いだ。





「っ……。」


「あっつ……。」





上半身裸で

お酒のせいで火照った

おついちさんの体は

やけにいやらしく見えて

こっちまで熱がうったみたいに

頬が赤くなった。





「わ、私っ、片付けしてきまっ…きゃあ!」



何故か

私はベットに押し倒されていた。



「おついちさんっ?んんっ……。」




次の瞬間

私達は唇を重ねた。


体を離そうとしても

おついちさんの腕は

それを許さなかった。



何度も降り注ぐ

甘いキスに

酔ったみたいな感覚に襲われた。







「美咲……いなくならないで……。」


「えっ………?」


「すぅ……。」







”美咲……いなくならないで……”







おついちさんは

そう言って眠りについた。





誰かと私を間違えてた……?






なんでだろう…

涙が止まらない。





私、何か期待してた?





おついちさんは

私を助けてくれた恩人で

そんな図々しい事……。






なのに

なんでこんなに

胸が痛むのっ………。
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