~失いたくない~


「さぁぁて、どういう事か説明してもらおうか。」


「あ、兄者!目が怖いから!」


「その前に着替えよ、皆風邪引く。」




そう言うと

おついちさん達は

上着をバサッと脱いだ。



「ひゃっ……。」


「……奏?何やってんの?」


「な、何でも無いですっ!」


「…ははーん。」







隅っこに逃げていた私に

近づいてくる兄者さん。



引き締まってるけど

鍛えられた体。



兄者さんの顔は

意地悪そうな笑みを浮かべてる。


気づいた時には

壁際まで追い詰められていた。




「なーにそんなとこに逃げてんだよ。」


「あ、兄者さんっ…。」


「悪い子には、お仕置きしないとなぁ?」


「やっ、近いっ…。」




雨に濡れた兄者さんは

とてもイヤらしくて

でも、目が離せなくて…。




「はーい、そこまで。」


「おついちさん…。」


「ちっ、邪魔すんなよ。」


「そういう事して良いのは俺だけなの。」



そう言っておついちさんは

私を引き寄せる。


おついちさん

細いなと思ってたけど

男の人の体だ。




「奏、シャワー浴びてきな。」


「私1番でいいんですか?」


「奏、凄い体冷えてる。早く行って?」


「…はい、ありがとうございます。」




やっぱり皆

男の人なんだ。


そんな事考えてたら

何だかほっぺたが熱いよ…。
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