~失いたくない~





俺達は

リビングに移動した。


すぐに異変に気付く。





「部屋、真っ暗じゃん。」


「あいつ、どこ行ったんだ?」





こんな時間まで

明かりを付けないなんて

普通じゃない。




「おついちさん…。」


「手分けして部屋探すぞ!」





何で

何かあったら必ず相談しろって

言ったのに。



どこ行ったの

奏………。





「兄者、おついちさん!どうだった!?」


「全部探したけどっ、どこにもいねぇっ…。」


「こっちもっ……奏っ……。」


「……携帯は?あいつの電話番号知らんの?」


「……兄者ナイス!」






そうだ。


何か会った時の為に

連絡先交換したんだった。



ふとスマホを見ると

大量の着信履歴。





«奏»






「え?」


「おついちさん、どうしたの?」


「奏から…電話来てた…。」


「早く掛け直して!」





頼むっ…


頼むから出てくれっ!





「お客様の電話番号は……。」


「ダメだ……繋がらない……。」


「とりあえず手分けして探すぞ!」





奏っ…


頼むから無事でいてくれっ!
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