時を超えて、繋ぐ想い


「あはははっ!もう限界みたいだね!」


「クソっ……。」


「七海さんっ!!」


「琉璃さんっ…逃げろと言った筈です!」


「七海さんを置いて逃げる位なら、私は貴方と一緒に死にますっ!」


「何を馬鹿な事をっ!」








腕を負傷したのか
大量の血液が滴っている。
次の一撃を食らったら、もうもたない。











お婆ちゃんにずっと
使っちゃいけないって言われてた。
これを使ったら私は命を落とすかもしれないと。








虎杖君達の事は守れなかった。

だからこそ、今使わなかったらいつ使う。
大切な人を守れない力なんか要らない。








私の術式は防御に特化している。

呪力を増幅させて防壁を作り出し
たとえ特級呪霊が相手だとしても
この防壁を破る事は容易では無い。



その中でもこの呪法は、私の命と直結していて
防壁に注がれる呪力を膨大な量に増長させる代わりに
私の体力と精神力は徐々に削られていく。








「へぇ……君、こいつに惚れてるの?」


「貴方には関係ない。」


「妬けるなぁ……まぁ、いいや!そいつ殺して君を連れていくから。」


「琉璃さんっ……逃げて下さいっ!」


「硬壁呪法……金剛不壊っ!」







ゴォォォォッ







「これは、呪力の注がれた防壁……凄まじい呪力だ。」


「琉璃さん、貴方は……。」


「七海さんは私が守ります、この命をかけて。」


「なっ………。」


「五条先生には連絡しました。先生が来るまで私が耐えます。」


「何故、ここまでするんです。」


「……七海さんは、私の名前を素敵だと褒めてくれました。」


「え?」


「その時からずっと、七海さんの事が好きです。」


「琉璃さん……。」


「だから私は、貴方を失いたくない。」


「ますます君に興味が湧いたよぉ!こんなに濃くて量の多い呪力初めてだっ!」















どこまでもつかは私にも分からない。


だけど
この命尽き果てるまで
絶対にこの壁は壊させない。
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