時を超えて、繋ぐ想い








プルルルッ









「お願いっ……早く出て……。」







七海さんの車まで戻り
五条先生に電話をかける。







横目で見ると
七海さんが呪霊を躱しながら
隙を見て攻撃を繰り出す様子が見える。



体を変異させて
自身のイメージしたものを作り出す。

腕を鋭利な刃状の物に変異させたり
相手をより的確に殺す為の形を具現化してる。







遠くで見ていてもわかる。


あの呪霊…
五条先生だったら大した事ないのかもだけど
一級呪術師の七海さんよりも強い。








「五条先生、早くっ……。」


「もしもしー?琉璃?」


「五条先生っ!」


「どうしたの、そんな焦って。」


「お願いっ、早く来て下さい!」


「落ち着きなよ、何があったんだい?」


「七海さんとっ、継ぎ接ぎの特級呪霊が戦ってますっ!」


「…何だって?」


「早くっ……七海さんが死んじゃうっ!」


「わかった、すぐ行く。」








五条先生は電話を切った。










結局、私は誰かに頼る事しか
助けを乞う事しか出来ないんだ。










私に力があれば
七海さん一人を戦わせる事なんてなかった。








七海さん
さっきより傷が増えてるし
肩で息している様に見える。









このままじゃ
本当に七海さんが死んじゃう……。










気付けば彼の元に向かって
走り出していた。
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