時を超えて、繋ぐ想い
七海さんと共に
任務地のA市の廃病院に移動。
何度来ても
こういう場所は慣れない。
建物内からは
夥しい程の穢れが溢れ出ていた。
呪霊まではまだ距離があるのに
それなのに……恐怖で足が動かない。
七海さんはもう先に進んでいる。
私も行かなくちゃいけないのに。
目を瞑る。
大丈夫、大丈夫だ。
どんなに弱くたって私も呪術師の端くれ。
動け、私の足。
「琉璃さん。」
「はっ………七海、さん?」
「大丈夫です。」
「え……?」
「貴方の事は私が死んでも守ります。」
「死んでも……嫌、そんなの嫌です。」
「……でしたら、足でまといにだけはならぬ様に下がっていて下さい。」
「……。」
「行きますよ。」
七海さんの足取りには迷いが無い。
当たり前だ。
七海さんは強いんだから。
自分の身位
自分で守れなくてどうする。