時を超えて、繋ぐ想い







その日の深夜
虎杖君達は目を覚ました。





涙が枯れる程泣いて
声が枯れる程謝った。




虎杖君は笑顔で、気にするなって。
伏黒君はいつも通りに、大した事ないって。
野薔薇ちゃんは盛大なデコピンで、ばーかって。











何で皆、そんなに優しいんだろう。

お前のせいでこんな事になったって
そう責めてくれた方がどんなに楽だったか。










皆の優しさが
自分の無力さを再確認させる。







「という訳で、三人共無事だった訳だから今日からまたバンバン頑張ろー!」


「五条さん、無事だったというのは少し語弊があります。」


「七海ー、細かい事気にしてるとモテないよー?」


「モテなくて結構です。」


「五条先生、もうその話はいいよ。俺達はこの通りピンピンしてるしさ。」


「うん、悠仁。俺も今そう言ったんだけど…。」


「すいません、でした…。」


「あー!もう!琉璃が落ち込んでんでしょ!?」


「七海さん、琉璃をもう責めないで下さい。」


「……ん?何故私が責められているんです。」


「ぶわぁはっはっは!七海可哀想!」


「五条さん、引っ叩きますよ。」





教室はいつもと同じ
三人の声と五条先生の笑い声。






七海さんは虎杖君達を気にかけて
様子を見に来たみたい。


七海さんは
いつだって冷静沈着、自分は大人だからと
命をかけて私達を守ってくれる。





他人を守る為に命をかける。

そんな呪術師はクソだって言うけど
本当は優しい人で、自己犠牲を払ってでも
誰かを守る彼の姿こそ真の呪術師だ。






「それで、今日の任務は?」


「あ、そうそう。今日は七海と琉璃に行って貰おうと思ってるんだよね。」


「……え?私?」


「任務内容は。」


「準一級呪霊を祓って貰うよ。」


「…え!?誰が!?瑠璃が!?」


「野薔薇、煩いよー。」


「私は兎も角、何故彼女を。」


「そうです、五条さん。瑠璃には荷が重すぎます。」


「大丈夫だって、七海がいるんだから。」


「わ、私は二級呪霊さえ祓う事が出来ないのにっ……。」





五条先生何考えて…。

今の私は
まともな戦力になんてならないのに
どうしてそんな無謀な事させるの。


それに私を守りながらでは
七海さんの動きは制限されて負担が増える。





「今回の任務は、瑠璃が成長する為に必要な戦いになると思うよ。」


「私が、成長……?」


「という事で、よろしく!七海!!」


「………はぁ。」







七海さんは深い溜息をついた。


この任務、七海さんだけなら簡単だけど
私がいるとなれば必ず死闘になる。







成長……。

この戦い、私には何が出来る。
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