時を超えて、繋ぐ想い







その日
任務を終えた私達は
パンダ先輩達とたこ焼きパーティをしていた。



野薔薇ちゃん達は
昼間の事を何も聞かずにいてくれた。

本当にこの三人は
私の事をよく理解してくれている。
私には勿体ないくらい出来た人達だ。





「ぶっちゃけさー、琉璃はナナミンの事好きなの?」


「の、野薔薇ちゃん!?」


「何それ、おもしれーじゃん。」


「しゃけしゃけ!」


「真希さん、聞いて下さいよ!」


「真希先輩!聞かなくていいですっ!」


「顔真っ赤だなー、琉璃。」


「パンダ先輩までっ……。」


「ツナマヨ!おかか!めんたいこ!」


「棘先輩……何て?」


「その話、詳しく聞かせろ!だってさ。」





もー……。


野薔薇ちゃんが余計な事言うから
棘先輩が変なテンションで食い気味に……。









だけど、もうこうやって
虎杖君達や先輩達と馬鹿話する事もなくなる。





今まで当たり前だと思ってたものが
いとも容易く崩れ去ってしまう。





「でも、ナナミンて格好良いよなー。」


「何だよ、悠仁もほの字か。」


「ち、ちげーよ!そうじゃなくて、ナナミンていつだって俺達の事を優先してくれてさ。」


「……。」


「自分が危ない時でも、言い訳せずにそれを受け入れてさ。冷静な癖に、すげー優しい人だよな。」


「そうだね…。」







私が視た渋谷事変の七海さんは
一人で全てを背負った様な目をしていた。
命を落とすのも覚悟している様だった。







”後は、頼みます”






切なそうな彼の顔が
今でも脳裏に焼き付いている。






「お、たこ焼き出来た!」


「うまそー!!」


「すじこ!いくら!めんたいこ!!」


「棘先輩??」


「結局、琉璃は七海さんの事が好きなのか!だってよ。」


「棘、琉璃の事取られるのが許せないんだろうな。」


「えー!?狗巻先輩も琉璃の事狙ってんの!?」


「たかなー!!ツナマヨ!!」


「こら、パンダ!バラすな!だって。」


「狗巻こらぁぁ!!琉璃に手ぇ出したらタダじゃおかねーからなぁ!?」


「く、釘崎落ち着け!!」


「しゃけー!!」


「……たこ焼き、食うか。」


「そうだね、伏黒君。」






野薔薇ちゃん達が騒いでいる間
伏黒君と私は出来たてのたこ焼きを頬張った。


あつあつのたこ焼きは
何だか心まで解してくれるような気がした。








皆とこうして過ごすのも
あと何回出来るのかわからない。
















やだな。

そんな事ばっかり考えてる。
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