時を超えて、繋ぐ想い
「琉璃!?」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「ど、どうしたんだよ!!」
「やだっ!いやぁぁっ!」
「落ち着け!琉璃!!」
「嫌だっ……そんなのっ……。」
ダダッ
「あっ、琉璃!」
「ここは私が、皆さんは任務に向かって下さい。」
「あっ、ナナミン!………行っちゃった。」
「先生、琉璃に何が…。」
「んー……どうしたんだろうね。」
「つか…何でナナミンばっかりなんだよ!ちきしょー!!」
「そこかよ、釘崎…。」
七海さんが殺されるイメージが
頭の中に流れ込んだ後も
色々な映像が映し出さた。
その出来事は後に
”渋谷事変”
そう呼ばれる事になる。
これは
未来に起こる出来事。
千歳家は元来
”神子”の力で繁栄して来た家系。
神子に選ばれるのは女子で
男子は家を出て呪術師になるのが仕来りだった。
それ程、女子は大切に扱われて来た。
神子の能力の最大の特徴は
”千里眼”を使える事。
千里眼は未来に起こりうる事象や
人の心の奥底を見透す能力。
その力によって
人々から崇められ繁栄を続けて来た。
だけどその力は決して
綺麗で、美しいものなどでは無い。
何故ならば
視えた事象を口に出した時
その代償として力量分の反動が
神子自身に返ってくるからだ。
視えた事象が
深刻である程にその反動は強いものになる。
ある意味、呪言師に似ているのかもしれない。
今、視えたものは
神子の力が視せた予知夢。
私に、神子の力が開花した。
それがどういう事を意味するか。
今視えた事象を皆に伝えれば
これから起こりうる最悪を回避出来る。
但し、その代償として私は間違いなく死ぬ。
私が視てしまったものは
それ程までに深刻な事象だったからだ。