時を超えて、繋ぐ想い
―七海side―
「今日で三日目か…。」
「硝子、琉璃の様子はどう。」
「五条と七海、それにお前達も……。」
「だって、琉璃が心配でっ…。」
「わかってるよ、野薔薇。」
「家入さん、彼女に変化は。」
「んー…体には何の問題も無いんだが、莫大な量の呪力を短時間で消費したせいか思いのほか副作用が大きい。」
彼女は私を助ける為に
あの術を使った。
あの様な無茶な術を使わせてしまったのは
間違いなく私の責任だ。
私が彼女を守らなくては行けなかった。
私は大人で、彼女は子供だ。
何としても彼女を逃がすべきだった。
彼女が私に好意を抱いている事は
何となく気付いていた。
五条さんが担任でありながら
私を探し回っては稽古をつけてくれと言う。
断っても擦り寄ってくる彼女に根負けして
仕方なく請け負うと、満面の笑みを浮かべた。
休憩時間になっては私の所にやって来て
任務でこうだった、ああだったと
喜怒哀楽の感情を剥き出しで話しに来る。
そして
嫌いだった筈の自分の名前を
”七海さんが褒めてくれたから、好きになれた”
私の手を握り、彼女はそう言った。
呪術師として
様々な人と出会い、感謝された。
だが、それ以上に
私を頼って会いに来る彼女を…
琉璃さんの笑顔を嬉しく思った。
しかし
彼女を拒まずに来た結果がこれだ。
彼女は私を思うあまり
自分の限界を超えた危険な術を行使した。
恐らくあれは
彼女自身の生命力と引替えに
呪力を捻出する術式。
時間が経つにつれて
彼女が弱っていったのは明らかだった。
あの時、五条さんが来なかったら
間違いなく私も彼女も死んでいた。
「………。」
「琉璃……家入さん、琉璃は目を覚ますんですか。」
「恵、それは私にもわからん。すぐ目覚めるかも知れないし、最悪は目を覚まさないかも知れん。」
「そんなっ……。」
「悠仁、瑠璃は大丈夫だよ。」
「五条先生…。」
「琉璃はそんな弱い子じゃないよ。」
弱いさ。
こんなか細くて
華奢な体であの様な強い術を……。
やはり私は
彼女の傍にいるべきでは無い。
君を失うかもしれないという恐怖…
こんな想いは、もう二度と味わいたくない。
「今日で三日目か…。」
「硝子、琉璃の様子はどう。」
「五条と七海、それにお前達も……。」
「だって、琉璃が心配でっ…。」
「わかってるよ、野薔薇。」
「家入さん、彼女に変化は。」
「んー…体には何の問題も無いんだが、莫大な量の呪力を短時間で消費したせいか思いのほか副作用が大きい。」
彼女は私を助ける為に
あの術を使った。
あの様な無茶な術を使わせてしまったのは
間違いなく私の責任だ。
私が彼女を守らなくては行けなかった。
私は大人で、彼女は子供だ。
何としても彼女を逃がすべきだった。
彼女が私に好意を抱いている事は
何となく気付いていた。
五条さんが担任でありながら
私を探し回っては稽古をつけてくれと言う。
断っても擦り寄ってくる彼女に根負けして
仕方なく請け負うと、満面の笑みを浮かべた。
休憩時間になっては私の所にやって来て
任務でこうだった、ああだったと
喜怒哀楽の感情を剥き出しで話しに来る。
そして
嫌いだった筈の自分の名前を
”七海さんが褒めてくれたから、好きになれた”
私の手を握り、彼女はそう言った。
呪術師として
様々な人と出会い、感謝された。
だが、それ以上に
私を頼って会いに来る彼女を…
琉璃さんの笑顔を嬉しく思った。
しかし
彼女を拒まずに来た結果がこれだ。
彼女は私を思うあまり
自分の限界を超えた危険な術を行使した。
恐らくあれは
彼女自身の生命力と引替えに
呪力を捻出する術式。
時間が経つにつれて
彼女が弱っていったのは明らかだった。
あの時、五条さんが来なかったら
間違いなく私も彼女も死んでいた。
「………。」
「琉璃……家入さん、琉璃は目を覚ますんですか。」
「恵、それは私にもわからん。すぐ目覚めるかも知れないし、最悪は目を覚まさないかも知れん。」
「そんなっ……。」
「悠仁、瑠璃は大丈夫だよ。」
「五条先生…。」
「琉璃はそんな弱い子じゃないよ。」
弱いさ。
こんなか細くて
華奢な体であの様な強い術を……。
やはり私は
彼女の傍にいるべきでは無い。
君を失うかもしれないという恐怖…
こんな想いは、もう二度と味わいたくない。