* season 1 *

―日吉side―





この人はどうして
いつも一人で背負うんだ。





俺の事をもっと…

もっと頼って欲しいのに。





自分の無力さが嫌になる。





「っ……。」


「……先輩、何があったんですか。」


「えっ……何も……。」


「どうして俺には言えないんですか。そんなに頼りになりませんか?」


「そ、そうじゃなくて……。」


「だったら、どうしてですか。」


「それはっ……。」





イラつく…。


何で俺じゃだめなんだよ。





先輩を抱く腕に力が入る。





俺ならそんな顔させない。
先輩を笑顔にしてみせる。





俺は……。





「俺は、先輩の事が好きです。」


「えっ……?」


「俺じゃ、ダメですか。」


「ひよっ…んっ……!?」










気づけば
俺は先輩にキスをしていた。




俺を押し返そうとする手さえ
愛おしくて、誰にも渡したくない。
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