* season 1 *


「はぁ〜、今日も終わったで。」


「お疲れ様です、タオルどうぞ。」


「花菜ちゃん、サンキューな。」


「冴水!さっきはありがとな!」


「宍戸君、今日はお風呂にゆっくり使って体を温めてね。」


「おう!」


「花菜ちゃん、俺もマッサージして欲しいCー!」


「きゃっ…。」



芥川君はそう言って
私に抱きついてきた。



何か子犬みたいな子だな。

でも、日吉君が言ってたのは
こういう事だよね。



「こら、ジロー!女の子になんて事をっ!」


「羨ましいだろー、向日。」


「芥川君、離れて。」


「えー…。」


「皆、早く帰って。私は洗濯物だけ干して帰るから。」


「夜に女の子一人で帰す訳にはいかんわ。」


「大丈夫だよ、すぐ近くのアパートだから。」


「ダメですよ!花菜先輩!」


「必要以上に関わらないって、言ったよね?」


「馬鹿野郎!」


「っ……。」


「跡部、そんな大声出したら花菜ちゃん驚くよ。」


「向日黙ってろ。お前を送り届けるのは必要な事じゃねぇのか。」


「……。」


「お前に何かあった時、俺達がどんな気持ちになるかはどうでもいいのか。」





私、何で中学生に説教されてるの…。


でも、跡部君の言う通りだね。
私が同じ立場なら絶対同じ事する。





「……ごめんなさい。」


「わかればいい。」


「花菜ちゃん、俺らは君の事知りたい。だけど、君が嫌な事はせーへん。」


「忍足君…。」


「だから、安心…して欲しいです。」


「樺地君……うん、ごめんね。」





別に皆の事が嫌いな訳じゃない。



ただ

またあんな想いをするのが
嫌なだけ。

一人ぼっちになるのが
怖いだけなの…。
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