* season 1 *
今日の夕食も豪華だなぁ…。
でも
全然お腹減らないなぁ……。
「はぁ……。」
「美女がため息をつくため池……ぷっ。」
「ん?天音くん…?」
「どうしたんだい?大きなため息ついて。」
「魂でも抜けていきそうな感じだったぞ。」
「佐伯君、黒羽君…何でもないよ、大丈夫。」
うわ…
背が高いなー…。
座ってる時に立たれると
顔見るのに首折れそう。
「ここいいかな。」
「うん、どうぞ。今日も一日お疲れ様。」
「冴水さんもお疲れ様。あれだけ人数がいると色々大変だよね。」
「ううん、全然大丈夫だよ。私忙しく走り回ってるの嫌いじゃないし。」
「しかし、凄い働きっぷりだよな。」
「疲れてないのか?」
「ダビデお前、冴水は三年で先輩だぞ。敬語使えよ。」
「いいよ、敬語使われるの好きじゃないし。」
「悪いな、冴水。」
というか
何でダビデ?
ダビデ像からとったのかな?
確かに髪型とか顔立ちとかそれっぽいけど。
「何でダビデなのかって思っただろ。」
「あはは、バレてる。」
「俺、イケメンだから。なんちゃって。」
「うん、ダビデ像でしょ?」
「そうそう、ダビデは顔は良いんだけどダジャレばっかり言ってるから勿体ないんだよな。」
「先輩、不戦敗……ぷっ。」
く、くだらな過ぎる……。
くだらないけど……。
「ぷっ……あははっ!」
「あれ、初めて人を笑わせた。」
「冴水、お前優しいな。」
「だって、その顔でダジャレってっ…あはははっ!」
「あはは、良かったなダビデ。」
「……三人共、ありがとう。」
「え?」
「何かちょっとだけ元気でた、ありがとう。」
「そうか、それならもっと……。」
「ダビデ、調子に乗るな。」
この子達に救われたな。
私がため息ばかりついてたら
皆に気を使わせちゃうよね。
何の為にここいるか
忘れちゃだめよ、花菜。
跡部君に婚約者がいても
あの子が誰だとしても
私には関係ないんだから。
私はこの世界の人間じゃない。