* season 1 *
「はぁっ…撒いたかな?」
真田さん
顔怖かったぁ…。
老け顔なの気にしてたのかな?
悪気はないけど、失礼だったよね。
「あとで謝っておこう。」
「ちょっと、離してよ!」
「いーじゃねぇか!一緒に遊ぼうぜー!」
「嫌だって言ってるでしょ!?」
あー
ナンパかー。
助けてあげたいけど
今の私じゃ返り討ちだしなー。
「冴水ー!どこに行った!」
「……あ、良い事思いついちゃった。」
「あんまり手間かけさせんなよー?」
「ふざけないでっ!いい加減にして!」
「そこのお兄さん達。」
「あー?お、君可愛いじゃん?」
「ありがと。ちょっと私の腕掴んでくれる?」
「ちょっと、あなた…。」
「大丈夫、任せて?」
「俺達と遊びたいの?」
「ふふっ……真田さーーーーーん!」
「え?」
「冴水!そこか!?」
「助けてーーーー!!!」
「っ!?てめぇっ!」
「冴水!貴様ら、一人に大の大人が寄ってたかって…たわけがー!!」
「な、何だこいつ!」
「顔が怖すぎる!逃げるぞっ!」
ふっ…。
見たか。
必殺、真田の顔面凶器。
大人の男だったところで
恐るるに足らぬわ。
「冴水、全て口から漏れているぞ。」
「はっ!?」
「お前と言う奴は…。」
「あ、あの!」
「え?あ、大丈夫だった?怪我はない?」
「はい、助けて頂いてありがとうございました。」
「冴水、彼女は?」
「さっきあの人達に絡まれてたんです。」
「む?お前が絡まれていたのでは無いのか?」
「彼女が私が絡まれていたのを助けてくれて、あなたを呼んでくれたんです。」
「……冴水、お前俺を利用したな?」
「な、何の事だか…。」
「目が泳いでいるぞ。」
「あの、私人を探してて……お二人共、今合宿で来ているテニス部の方達ですよね?」
「そうだけど、テニス部に知り合いがいるの?」
「跡部景吾って名前なんですけど…。」
「跡部?跡部なら合宿に参加しているぞ。」
「本当に!?やっと会えるっ……。」
凄く可愛い子…。
跡部君のファンとか?
でも、そんな風には見えないけど。
「あのホテルに泊まってるんですよね?」
「うん、そうだよ。あなたは跡部君の友達?」
「えっ……一応、婚約者です。」
「…………………………………は?」
「なっ……。」
「私、白井杏奈(しらい あんな)って言います!景吾に伝えて頂いても良いですか?」
「………………。」
「わかった、君が探していたと伝えておこう。」
「ありがとうございます!それじゃ!」
「跡部の婚約者か……ん?冴水?」
「………。」
跡部君の婚約者……。
そんな大事な子がいるのに
私にキスしたり、手を出したわけ?
馬鹿にされたものね。
「おい、冴水?」
「真田さん…。」
「何だ。」
「助けてくれて、ありがとうございました。」
「いや、気にするな。」
やばいなー……。
一人だったら泣いてた。
何やってんだか…。