* season 1 *






午後の練習開始。



私が言った通り
金ちゃんは樺地くんとやってるみたい。


越前君は不二さんとやってるのかな?





「行くぜ、侑士!」


「力みすぎはアカンで、岳人!」


「やってやるCー!」


「下克上、見せてあげますよ。」





氷帝の皆も頑張ってるな…。


私も何か手伝えるといいんだけど。





あっちは
跡部君と精市さんか。


な、何か凄い気迫…。





「花菜は渡さないよ、跡部。」


「アーン?寝言は寝て言え。」


「今は君がリードしてるかもしれないけど、俺は引くつもりはないから。」


「それはあいつが決める事だ。ま、俺の勝ちは決まってるがな。」


「おい、早く試合始めろよ。」




ぷっ…甲斐くんにツッコまれてる。


何の話か知らないけど
あの二人が怒られるの珍しいな。




「何だ、俺は一回休みか。」


「あれ、伊武君?」


「ん?あんた、氷帝の…冴水さんだっけ?」


「うん。ところで、どうしたの?」


「人数が奇数でやる相手いないから、一回休み。」


「あ、そうなんだ。」


「時間、もったいないよなぁ…。」


「………あのさ。」


「何?」


「私が、練習相手になろうか。」


「………え?」


「誰にも行ってなかったけど、私テニス経験者だから。少し位なら練習相手になると思うよ。」


「でも……女だし……。」







ふっふっふ…。


伊武深司君
あなたは私の地雷を
思いっきり踏んだわね?



私、女だからって言葉
大っ嫌いなの。


私は女だろうと
生きるために何だってやってきた。
そうじゃなきゃいられなかったから。



その ”女だから”って考え
私が叩き壊してあげるわ。






「伊武深司。」


「え……?」


「かかってきなさい。」


「なんかムカつく言い方…嫌だよなぁ…。」






言ってなかったけど
私高校三年の時に国体の
女子シングルスで優勝してます。

プラス
怪我で抜けたけど
オリンピックの強化指定選手にも
選ばれてたんだよね。





久しぶりに腕がなるわ。
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