* season 2 * fin


「…。」


「行かないで……。」


「…頬、傷が出来てる。」


「っ……。」




若君は私の頬を撫でた。


びっくりした…
急に頬を触るから…。



若君は
心配そうに私の顔を見る。




「若君…?」


「誰にやられた。」


「え…それは…。」


「言えないのか?」


「何か、告げ口みたいで…でも…。」


「でも?」


「その子はね、若君の事が大好きなんだって。」


「え?」


「若君の事が好きだから、私がそばに居るのが気に入らなかったみたい。」


「…。」


「それで、色々話してたら…叩かれちゃって。」


「俺のせいで、怪我したのか…。」


「違うよ、若君は何も関係ないんだから。」




若君は優しいから
きっと自分を責める。

だから言いたくなかったんだけど
私が誤魔化した時、凄く寂しそうな顔したから…。




「…。」


「若君。」


「なんだ。」


「いつも私を守ってくれてありがとう。」


「別に、俺は…。」


「私、若君が大好きだよ。」


「っ!」


「今も昔も、これからもずっと…。」


「お前っ…よくそんな恥ずかしい事を…。」


「え?……はっ!わ、私っ!」




私サラッと告白した!?

流れで口走っちゃった!!
ど、どうしようっ……。


急に恥ずかしくなってきたっ…。




「あ、あのねっ…今のはそのっ…。」





ギュッ





「きゃっ……若君…?」


「俺も、お前が好きだ。」


「えっ……?」


「だから、お前の事が好きだって言ったんだ。」


「っ…本当にっ……?」


「こんな恥ずかしい事、冗談で言うかよ。」


「嬉しいっ……。」


「泣くなよ…。」


「若君っ、大好き…。」





若君が私を…?

信じられないっ…。
いつも迷惑かけてばっかりだったのに。
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