* season 2 * fin
「若君が言ってました。」
「ん?」
「宍戸先輩は最後まで諦めない、努力の人だって。」
「若が?」
「はい。若君て人にも自分にも厳しい人だから、先輩にも生意気な事言っちゃうけど…宍戸先輩の事尊敬してると思います。」
「…あいつ、素直じゃねぇし生意気だよな。」
「ふふっ、本当ですね!」
ガラッ
「きゃっ……わ、若君?」
「はぁはぁっ…。」
「若、お前どうしたんだ?」
凄い勢いで入って来たのは
汗だくの若君だった。
いったいどうしたのかな…。
どこか具合悪いのかな。
「し、宍戸さん…何でここに。」
「いや、お前こそ汗だくでどうした。」
「俺は…お前が、連れて行かれたって…。」
「あ、紗枝から…?」
「…何だよ、随分楽しそうにしてるじゃないか。」
「若、誤解すんなよ。説明するのめんどくせーからしねぇけど。」
「宍戸先輩、色々ありがとうございました。」
「おう、またな。」
そう言って宍戸先輩は
保健室を出て行った。
今度何かお礼しなくちゃ…。
私人に助けられてばっかりだな。
「宍戸さんと、何してた。」
「え、あ…宍戸先輩に助けて貰って…。」
「助けてもらった?」
「う、うん…。」
「何があった。」
「それは…。」
若君に迷惑かけちゃうし
言わない方が良いよね…。
こんな事で
余計な心配かけたくないし。
「大した事じゃないから、心配しないで?」
「……俺には言えないのかよ。」
「え…。」
「宍戸さんには言えて、俺には言えないんだな。」
「ち、違う!そうじゃなくてっ…。」
「…もういい、勝手にしろ。」
「若君っ、待って!」
気付くと
私は若君に抱きついていた。
誤解して欲しくなかった。
本当は話を聞いて欲しい。
大丈夫だっていってほしい。
だけど……。