* season 2 * fin
「宍戸先輩、うるさくしてすいませんでした…。」
「いや、ただ昼寝してただけだ。それより、頬赤くなってるぞ。」
「いえ、私は大丈夫です。」
「馬鹿、大丈夫なはずねーだろ。保健室行って冷やすぞ。」
「で、でも…。」
「いーから、早く行くぞ。」
宍戸先輩に連れられて
保健室に向かった。
宍戸先輩って
ちょっと近寄り難いイメージだったけど
凄く優しい人なんだ。
話してみないと
わからないものだよね。
「少しは赤み引いたか?」
「はい、ありがとうございます。」
「しかし、お前も災難だったな。」
「え?」
「若の事で女連中に絡まれてたんだろ。」
「あはは…テニス部の皆さんは人気あるから、若君に限った事じゃないですよ。」
「ったく…アイドルじゃねーっての。」
「でも…何か一つの事を全力で頑張るって、凄くかっこいいですよね。」
「そ、そうか?」
私には
打ち込めるものがないから
若君達が凄く羨ましい。
そういえば
若君が言ってたな。
宍戸先輩は
派手さはないけど
着実に上に上がっていく人だって。
「先輩、顔に傷が…。」
「俺はいつも傷だらけだからな、気にするな…!」
「お礼に、手当させて下さい。」
「っお前…。」
「先輩、顔が赤いですよ?」
「お前が、急に顔触るからだろっ…。」
「あ、ごめんなさい!馴れ馴れしかったですね。」
「ったく……折角だし、頼む。」
「はい!」
宍戸先輩って
何だか可愛いな…。
本人に言ったら怒られそうだけど…。
クラスの男子以外で
初めてこんなに喋ったかも。