* season 1 *






朝食を終えて
二日目の練習が始まった。


今日の午前中は
主に体力トレーニングをするらしい。


走り込み
筋力トレーニングなど
基礎体力向上のメニューみたい。





「うぉぉぉぉ!」


「負けるかー!」


「フシュー!」


「あと少し!皆頑張って!」




青学の海堂君
持久力がずば抜けてる。


各学校の三年生達にも
全然引けを取らない。




「海堂君、終わりだよ。」


「ハァハァっ…。」


「ドリンクどうぞ?」


「どうも…。」


「海堂君、凄いスタミナだね。」


「…いつも、手塚部長にしごかれてるんで。」


「手塚さんに…。」


「海堂!この程度でへばっていてどうする!」


「す、すいません…。」


「お前は更に五周、追加で走って来い。」


「なっ……。」


「手塚さん、今は水分補給が先です。」


「む…そうだな。」





手塚さん
海堂君の事育てたいんだ。


一見
ただ厳しくしてる様に見えるけど
期待してなきゃこんな事いわないもの。





「海堂君、手塚さんに期待されてるんだね。」


「え…違います、俺の事が気に入らないんですよ。」


「ふふっ…本人は気づかずか。」


「え?」


「厳しいけど、手塚さんを信じてね?いつかそれがわかる時が来るから。」


「……行ってきます。」




タタッ




「頑張れ、海堂君。」


「すまないな。」


「手塚さん?」


「海堂は俺があいつを気に入らなくて、厳しくしていると思っていてな…。」


「…大丈夫だよ、海堂君は手塚さんの想いにいつか気付くから。」


「何故そう思う。」


「だって……。」




海堂君のあの性格だったら
信用してない人の言う事に素直に従う訳ないもの。


嫌でもやるのは
手塚さんの事、心では信じてる証拠。




「……手塚さんも、わかってるでしょ?」


「ふっ、お前にはわかるんだな。」


「お互いにね。」





この人
本当に中学生…?


何か先生と話してるみたい。



人の気持ちも見透かしそうな
鋭い瞳だ。
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