* season 1 *
「ねぇっ…どこ行くのっ?」
「ここだ。」
「ここって…テニスコート…?」
はっ!
これはもしかして
トリップ漫画とかでよくある
部活のマネージャーになれって流れ!?
いや、まさかね…
でも…フラグでしかない気が……。
「ねぇ、まさか…マネージャーになれとか…。」
「アーン?随分察しが良いな。」
「ふざけないでっ!今日初対面なのに、そんな人間をマネージャーにするなんてっ!」
「そんなの関係ねぇんだよ。」
「なっ…私、絶対やらないかっ…。」
「あー!朝空から降ってきた子だCー!」
「!」
「先輩だったんですね、タメ口聞いてすいませんでした。」
「こ、こちらこそご迷惑おかけしました…。」
「あ、花菜ちゃーん!来たんやなー。」
来たというか
無理矢理連れてこられたんだけど……。
ていうか
氷帝のレギュラーメンバーって
こんなにいるんだっけ……?
跡部景吾
忍足侑士
鳳長太郎
芥川…
宍戸……
樺地……
日吉……
……このおカッパ君誰だっけ?
人数多すぎて
もはや苗字しか分からない子もいる…。
こんな事ならテニプリもっと読んでおけば良かった。
「部長、彼女を何故ここに?」
「日吉、よく聞いた。冴水は氷帝学園男子テニス部のマネージャーについてもらう。」
「えぇ!?」
「部長!女子をマネージャーにするなんて…。」
「日吉、俺の判断に何か文句があるのか。」
「そ、それは…。」
「俺は全然賛成だCー!」
「ちょっと待って!私やるなんて一言もっ……!」
「…いや、ですか?」
「樺地君…嫌というか……。」
超絶嫌なんですけど……。
別にマネージャー業くらい苦じゃない。
嫌なのは
それを取り巻く人間関係。
面倒な事になるのはもう嫌なの。
「堪忍な、花菜ちゃん。跡部は言い出したら聞かんのや。」
「……。」
「何がそんなに嫌なんだよ。」
「はぁ……頑固な子……。」
「アーン?」
「…条件付きなら、考えても良い。」
「条件?」
「私の事を氷帝で公にマネージャーって言わない事。それと、学校では必要以上に関わらないで。」
「……。」
「それが守れるなら、引き受ける。」
「お前、そこまでして何を怖がってやがる。」
「……条件、飲むの?飲まないの?」
「わかった、それで良い。」
「おー!花菜ちゃん、よろしゅうな!」
「花菜先輩、よろしくお願いします!」
「花菜ちゃん、よろしくだCー!」
「…。」
「よろしく、お願いします。」
「…こちらこそ。」
普通あんな事言ったら
お前何様だってなるでしょ。
跡部も忍足君も皆も…
何で受け入れるかな……。
はぁ…。
年下の子達に
気を使わせて何やってんだか…。