* season 2 * fin




その後、通報して
男は警察官に連れられて行った。


事情聴取を受けたけど
怖くて上手く喋れなかった私を
若君がサポートしてくれた。



「若君…。」


「何だよ。」


「迷惑かけて、ごめんね。」


「まったくだ。」


「………。」


「……手、貸せよ。」


「え……?」


「まだ、震えてるだろ。」





さっきの余韻が抜けなくて
震えていた私を気遣って手を差し伸べてくれた。



小さい頃も
泣いてる私の手を引いて
歩いてくれたよね。


若君はいつだって
私のヒーローだ。





「うんっ……。」


「もう泣くなよ、俺がいるだろ。」


「ありがとうっ……。」


「お前は昔から泣き虫だな。」


「若君がいじめるからでしょっ……。」


「フン、お前はいじめがいがあるからな。」


「性格悪い……。」


「今更だろ。」





若君は家に着くまで
私の手を握っていてくれた。



ぶっきらぼうだけど優しくて
昔から私を守ってくれた手。






やっぱり若君が大好きだ。
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