* season 2 * fin


「お前、こんな時間に何やってるんだ。」


「わ、若君…えーと……。」


「日吉、お前の幼馴染の子だろ?」


「そうですけど……。」


「なら、一緒に帰ってやれよ。」


「む、向日さん!何言ってんですか!」


「何慌ててんだCー。」


「家隣なんやろ?」


「そうですけど……。」





あ、若君…
面倒くさそうな顔してる。


あの顔は本当に嫌な時の顔だ。





若君は私に付きまとわれて
本当は迷惑なんだろうな。




私が紗奈や東條さんみたいな
可愛い子だったら若君も
もっと優しかったのかな。





「……いえ、私は紗奈の付き添いでいただけなので
。」


「そやかて、こんな暗い中女の子一人じゃ…。」


「大丈夫です、私は寄って行く所あるので。皆さん、さようなら。」


「あ、おい!」





別に寄って行く所なんかない。


だけど
私はあの雰囲気に耐えられなかった。





別に今更だよね。

私は人に必要とされない。
だからお父さんもお母さんも出ていった。





私の両親ね
私の小さい頃にいなくなったんだ。
私を置いて出ていったの。


それからは
若君の両親が私の面倒を見てくれたの。
ただ隣に住んでただけなのに
私を本当の家族みたいに受け入れてくれた。




若君とはその頃からの付き合い。




中学に入って
流石に申し訳なくなったて
自分の家に戻ったんだよね。
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