* season 2 * fin
放課後
私は男子テニス部のコートに
親友の紗奈と一緒に見学に来た。
この子だけには
私が若君の事を好きだって伝えてある。
「美羽、日吉君頑張ってるね!」
「うん、そうだね。」
「やっぱり人気だよね、男子テニス部。」
「可愛い子沢山いるし、若君はその内こういう可愛い子と付き合うようになるんだろうな…。」
「何言ってんの、美羽は幼馴染で家が隣で一番有利でしょ!」
「それだけしかないじゃん……。」
「あんたねぇ、顔は良いんだから少しは努力しなさいよ。」
「努力って?」
「髪型オシャレにしたり、ネイルしたり、メイクしたり、やる事は沢山あるでしょ?」
「むー……。」
私がメイク?ネイル?
それこそ若君に
”何やってんだ、お前”って
言われて終わりだよ。
「日吉君、かっこいいね!」
「ね!」
「あの子、可愛いね。」
「あの子は隣のクラスの東條奈々(とうじょう なな)。あの子日吉君の事狙ってるんだって。」
「え!?」
あんな可愛い子に告白されたら
いくら若君だって…。
だからって
私が敵う相手じゃない…。
「美羽!」
「え?」
「あんたのその諦め癖なおしなよ。」
「な、何でわかるの!?」
「あんたの顔に、私には敵わないって書いてある。」
「紗奈、恐るべし……。」
「美羽は十分可愛いんだから、自信持って?」
「紗奈っ…私、紗奈と付き合う!」
「あはははっ!何言ってんの!」
紗奈は私の事
本当によく分かってるな。
そういう紗奈も
鳳君の事が好きなんだよね。