* season 2 * fin
「この公式は…。」
数学苦手だなぁ……。
全然わからないなぁ………。
眠くなってきた………。
「……きやま。」
「んー……?」
「月山!」
「はっ!はい!」
「お前寝てたな?」
「いえ、寝てません。」
「ほぅ……では、この問題答えてみろ。」
「………………うぅっ、わかりませぇんっ!」
「俺の授業で寝るとは、いい度胸してんな?」
「あはははっ!美羽またやってる!」
「はぁ……お前、馬鹿だな。」
隣に座っていた日吉君に
冷たい目で見られる。
私ってダメだな…。
若君にいいとこ見せたいのに。
「若君、酷い……。」
「お前が悪いんだろ。」
「うぅっ…。」
「日吉君、ここって何になった?」
「ん?ここは……。」
「日吉君すごーい、わかりやすい!ありがとう!」
「いや…。」
「……他の女の子には、優しい癖に。」
若君は人あたりあんまり良くないけど
女子に人気あるんだよね。
やっぱり男子テニス部で
次期部長って言われてるし
若君イケメンだもんな……。
それに比べて私は…
特別可愛い訳じゃないし
何か取り柄がある訳じゃないし…。
「はぁっ……。」
「月山ぁ、デカい溜め息だなぁ?そんなに俺の授業がつまらないか?」
「はい、つまらないで……あっ!」
「月山ー!!!」
「ご、ごめんなさーい!!」
「逃げるなぁぁぁ!!」
「きゃー!」
「あはは、美羽バカすぎー!」
私は何をやってるんだんだろ…。