* season 1 *
―幸村side―
ある日
俺は丸井に頼まれて
ある店のケーキを買いに来た。
移動の疲労がたまらないように
東京に前乗りしたのに
これじゃ何の為に早く来たか分からないな。
見たところ
開店前から行列が出来ていて
人気店なのは間違いないみたいだ。
「これでよし。」
「えーんっ……僕苺食べたかったぁっ……。」
「仕方ないでしょ、もう売り切れちゃったんだから。」
「やだぁ!僕誕生日なのにっ!えーんっ!」
あの子供
苺のケーキが食べたかったのか。
誕生日なのに、可哀想だな。
俺のケーキをあげよう。
丸井には売り切れだったと言えばいい。
「えーんっ…。」
「君、誕生日なの?」
その時だった。
男の子の前にしゃがみこみ
話しかける女性。
サラサラなロングヘアに
可愛らしいくて、優しい笑顔。
俺は彼女に視線を奪われた。
「えっ…うん…お姉ちゃん…。」
「はい、これ。」
「えっ…?」
「誕生日おめでとう!僕!」
「いーの!?」
「いいよ、お姉さんからの誕生日プレゼント!」
「お姉ちゃん、ありがとう!わーい!」
「本当に、ありがとうございました!」
「いえ、素敵な誕生日を!」
彼女は男の子に笑顔で手を振る。
その姿を見て
俺も自然と笑顔になる。
可愛らしくて、優しくて
想いを行動に移せる。
俺は彼女の事が
どうしようもなく知りたくなった。
かと思うと
ふと、寂しげな顔をする。
彼女の瞳には
何が映っているのか…。
その意味を、知りたい。
ある日
俺は丸井に頼まれて
ある店のケーキを買いに来た。
移動の疲労がたまらないように
東京に前乗りしたのに
これじゃ何の為に早く来たか分からないな。
見たところ
開店前から行列が出来ていて
人気店なのは間違いないみたいだ。
「これでよし。」
「えーんっ……僕苺食べたかったぁっ……。」
「仕方ないでしょ、もう売り切れちゃったんだから。」
「やだぁ!僕誕生日なのにっ!えーんっ!」
あの子供
苺のケーキが食べたかったのか。
誕生日なのに、可哀想だな。
俺のケーキをあげよう。
丸井には売り切れだったと言えばいい。
「えーんっ…。」
「君、誕生日なの?」
その時だった。
男の子の前にしゃがみこみ
話しかける女性。
サラサラなロングヘアに
可愛らしいくて、優しい笑顔。
俺は彼女に視線を奪われた。
「えっ…うん…お姉ちゃん…。」
「はい、これ。」
「えっ…?」
「誕生日おめでとう!僕!」
「いーの!?」
「いいよ、お姉さんからの誕生日プレゼント!」
「お姉ちゃん、ありがとう!わーい!」
「本当に、ありがとうございました!」
「いえ、素敵な誕生日を!」
彼女は男の子に笑顔で手を振る。
その姿を見て
俺も自然と笑顔になる。
可愛らしくて、優しくて
想いを行動に移せる。
俺は彼女の事が
どうしようもなく知りたくなった。
かと思うと
ふと、寂しげな顔をする。
彼女の瞳には
何が映っているのか…。
その意味を、知りたい。