* season 1 *
「幸村さんっ…な、何でっ……。」
「精市、またキスするよ?」
「せ、精市さんっ…。」
「顔真っ赤、可愛い。」
「も、もうっ……きゃっ!」
後ろから凄い勢いで
腕を引かれる。
そこにいたのは
眉間にシワを寄せて
怒りの表情に満ちた跡部君。
まさか…
見られた……?
「幸村、どういうつもりだ。」
「何の事だい。」
「とぼけんじゃねぇ!」
「跡部君っ、そんな大きな声出さないでっ…。」
「お前は黙ってろ。」
「っ…。」
「やめなよ、花菜が怖がってる。」
「てめぇ……。」
跡部君、今にも
掴みかかりそう……。
ど、どうしようっ……。
「やめないか!」
「あっ……手塚さん……。」
「幸村、跡部、お前達は何の為にここにいるのだ。」
「手塚さん…。」
「私情を挟むのならコートから出ていけ。」
「…悪かったね、手塚。」
「…ッチ。悪かったな。」
「謝るのは俺では無い、冴水にだろう。」
「いっ、いえっ…私は……。」
「ごめんね、花菜。泣かないで。」
「悪かった……。」
「……私、ドリンクの補充してきます。」
その雰囲気に耐えられなくなった私は
理由を見つけて逃げ出した。
だめだ…。
私のせいで練習に
支障が出てる………。