* season 1 *
ていうか
ここ跡部財閥がやってる施設だから
お世話役の人がいるんだった…。
私はコートでドリンク作ったり
皆のサポートをしようかな。
「バァァァニィィインーーグ!」
「甘い!!」
「どこ見てんだよ!うぉぉぉ!」
知ってる知ってる。
テニプリって
もはやストリートファイターみたいな
格闘テニスアニメだって事。
炎に氷に変なキラキラに…。
テニスで人殺せそうだよね。
「っ痛ぇ……。」
「切原君、見せて。」
「わりぃ…。」
「消毒するね、ちょっと痛いけど我慢してね。」
「切原、だるんどるぞ!だからその様な陳腐な怪我をするのだ!」
「す、すいません…。」
「本気でやってるんだから、怪我だってするよね。」
「冴水さん…。」
「頑張ってね!何かあったら呼んでね。」
「はい!ありがとうございました!」
「冴水、手間をかけたな。」
「いえ、その為にいるんですから。」
「真田ー!こっちで試合だ!」
「今行く!冴水、また後でな。」
そう言うと
真田さんは隣のコートに走って行った。
あの人に限っては
もはやお父さんなんじゃ……。
なんて、失礼で言えないけど。
「本当、何でもありだな……。」
ギュッ
「きゃっ……ちょっと跡部君っ……何すっ……っ!?」
「会いたかったよ、花菜。」
私を後ろから抱きしめたのは
フルーツタルトをくれたあの人。
すごく優しい顔をして
私を見つめる。
「あっ……どうして、私の名前…。」
「跡部から聞いた、冴水花菜さん。花の様に可愛らしい君にぴったりな名前だ。」
「あ、ありがとう…あなたは…?」
「俺は幸村精市、あの時はお互いに名前も知らなかったね。」
「あっ、あの時はありがとうございました。」
「こちらこそ、君と過ごせて楽しかった。」
「私も幸村さんと…。」
チュッ
「え……。」
「精市って、呼んで?」
「あっ……あのっ……。」
今、私……
キス………された……?