「頂きます！」


「どうぞ。」


「……美味しー！フルーツが新鮮で美味しいし、下のタルトもサクサクで美味しい！」


「良かった。」


「んー、美味し！」


「本当に幸せそうな顔をして食べるね。」




はっ！？


私、今食べる事に夢中で
だらしない顔してなかった！？


うわー…恥ずかし過ぎる…。




「ご、ごめなさい…みっともないですよね。」


「いや、可愛いよ。」


「またまた、お上手ですね。」


「本心なのに…心外だな。」




ﾍﾟﾛｯ




「……え？」


「ん、美味い。丸井が言ってたのは本当だったんだ。」


「あ、あの……。」


「ごめん、つい美味しそうで。」




彼は私の口元に付いていた
カスタードクリームを舐めた。



心臓止まるかと思った……。



名前も知らない人なのに
何故か嫌悪感は無かった。
イケメン恐るべし…。



「ふふっ、顔真っ赤だね。」


「も、もうからかわないで下さいっ……。」


「ごめん、怒らないで。」


「タルトくれたから許してあげます。」


「ありがとう。」


「ご馳走様でした！本当にありがとうございました！」


「こちらこそ、楽しかったよ。」


「もし、また会えたら何かお礼させて下さい！」


「じゃあ…俺とデートしてくれる？」


「デート？そんなので良いんですか？」


「十分すぎるよ。」


「わかりました！また、会えたら必ず！」


「きっと、また会えるよ。」




その後
名前も知らない彼と別れた。



”きっと、また会えるよ”

何故か私も
そんな予感がしてしまった。



素敵な人だったな。