* season 1 *


「とはいえ……。」





私の苺タルトぉ……。

やっと食べれると思ったのに
私の馬鹿馬鹿っ!



でも、間違ってないよね。

あの子の笑顔は
それ以上の価値があったから。





「お嬢さん。」


「苺タルト…。」


「そこのお嬢さん。」


「…………ん?私?」


「あはは。そう、君だよ。」





うわ…
凄いイケメン。
というか美形。


あれ?
どこかで見た事あるよーな…。





「あの、私に何か御用ですか?」


「いや、さっき男の子にケーキを譲ってあげてるのを見てね。」


「あはは、恥ずかしい所をお見せしてすいません。」


「恥ずかしくなんかない、君はとても優しいんだね
。」


「いえ、あのケーキはあの子が食べた方がきっと幸せでしたから。」


「…良かったら、これ一緒に食べない?」


「これは……フルーツタルト!あのお店の!」


「俺もたまたま買いに来てたんだ。」




このフルーツタルト
苺タルトよりもレアで
たまにしか店頭に並ばないのに!

私がお店に入った時は
もう売り切れだったのに四つもある!



でも、私も中身は大人だ。
とりあえず一回は遠慮しよう。




「でも、悪いですよ…。」


「俺が君と食べたいんだ、だめかな。」


「喜んで!」


「あはは、素直でいいね。」




私達は公園のベンチに移動して
一緒に食べる事になった。




わーい!
やっぱり神様は見ててくれるんだな。
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