* season 1 *

―跡部side―





花菜は一人でこんなもんを
背負っていたのか?



最初はただの
いけすかねぇ奴だと思った。


しかも空から落ちてきやがった。
その時点で訳がわかんねぇ。


だが、どこか諦めた様な横顔は
このせいだったってのか……。





「これで、全部…です。」


「……。」


「花菜ちゃん…。」


「ご、ごめっ……私っ……皆にそんな顔させたかったわけじゃなくてっ……。」




もう、いい。


お前は一人じゃないだろ。
俺が、俺達がいる。



もう泣くんじゃねぇ。




「ごめんねっ!私帰っ…。」




ギュッ




「っ!」


「お前はお前だろ。」


「っ…。」


「過去は過去だ、それは変わらねぇ。」


「跡部、お前…。」


「だが…今のお前は、一人じゃねぇはずだ。」


「跡部君っ…。」


「俺達の事、もっと頼りやがれ。じゃねーと、つまんねーだろうが。」


「うっ…ふぇっ…。」




俺の腕の中で
花菜は涙を溜めて震えている。


自分に絶望して、自ら命を絶った。
まったく愚かだ。




だが……俺達の所に辿り着いて
本当に、良かった。




「ふぇっ…うっ……。」


「冴水先輩、あなたは一人じゃない。」


「そうだCー!俺達、花菜ちゃんの味方だぜ!」


「そうだぜ、花菜ちゃん!」


「日吉君っ…芥川く…向日君….。」


「せやで?花菜ちゃんには俺達がいるやろ?」


「ウス。」


「そうですよ、花菜先輩!」


「ウジウジしてんなよ、冴水。」


「っ…うんっ…ありがとうっ!」


「ばかやろっ……ぶほぉっ!」


「宍戸先輩!また鼻血っ!?」





なぁ、花菜。

こいつらは大丈夫だ。



お前はそうやって笑ってろ。
お前には泣き顔は似合わねーからな。

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