*season 7* fin


「私っ……皆に何も言わずにっ……それなのに……。」


「ホンマやで?自分、何でも一人で背負いすぎや。」


「せやけど、月ちゃんにまた会えて良かったわ!」


「お前が突っ走るのは、今更だし。」


「あ、そういや…。」


「どうしたの、鬼。」


「平等院の野郎が……いつまでも下向いてんじゃねぇ、幸せにやりやがれ。だとよ。」






そう言って
メールの画面を見せてくれた。




短文で素っ気ないけど
心のこもったメッセージだ。








あんな失礼な事言ったのに
私の事、覚えていてくれたんだ……。






「っ………。」


「まったく…素直じゃないですね、あの人は。」


「そう言うな、徳川。」


「せやで?俺達には、そないな事してくれた事あらへんやろ?」


「逆に、そんなん来たら恐怖だし……。」


「ひゃーはっはっは!そんな事言ってっと、お頭の光る玉が飛んでくるぞ!」


「そ、そんな……嘘だぁぁぁぁ!!」


「あははっ!先輩達、騒ぎ過ぎですわ!」


「ぷっ………あはははっ……。」


「月……やっと、お前の笑顔が見れたな。」


「月さん……。」


「やっぱり、君は笑顔が素敵だね。」


「えぇ、本当に。」


「相変わらず、処刑しがいのある顔してるなぁ!」


「もうっ!遠野さんこそ、相変わらず処刑お馬鹿ですね!」


「そんなに褒めるんじゃねーよ!!」


「ほ、褒めてないです!!」


「よし!!越知と瑞稀の婚約祝いに飲み行こうぜ!」


「賛成!ほな、行こかー!」


「おー!!って、俺飲めへんやん!」


「あ、私も飲めないや…。」


「ひゃーはっはっは!お子様はオレンジジュースでも飲んどけ!」


「もー!!」















大好きな月さんが














大好きな皆が















こんなにも近くにいてくれる。

















こんな幸せは
自分には巡って来ないと思ってた。














でも。



















幸せになって良いんだ。
















「よし!行くぞ!」


「おー!」


「月、手を。」


「は、はい。」


「もう離さない、いいな。」


「…うん、ずっと月さんと一緒にいる。」


「共に、生きよう。」


「うんっ………。」


「おい、そこー!!イチャついてんじゃねー!!」


「すまない、今行く。」


「何や、篤。何キレてるん?」


「あれだろ。瑞稀を越知に取られたから、虫の居所が悪いんだろ。」


「へー!遠野先輩って、月ちゃんの事好っぐはぁ!」


「毛利…余計な事言ってっと、処刑しちゃうよぉ!?」


「あははっ!遠野さん、早く行きましょ!」


「お前が言うんじゃねー!!」





















もう迷わない。












私は幸せになる。












大好きな月さんと、皆と…………。















―完―




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